スズキ最新の“電子制御システムが全部入り”と言っても過言ではないほど高性能な新型「隼」は、その分、システム操作も複雑になってしまうのでしょうか?今回は電子制御システムの操作などに重点を絞ってお届けします!

複雑化したシステムを「簡単にまとめる」スズキがすごい

画像1: 複雑化したシステムを「簡単にまとめる」スズキがすごい

名実共に「スズキ最強のバイクのひとつ」として君臨してきただけあって、筆者の私(岩瀬)のように「隼を自在に操るのは難しいんじゃないか?」って思っているライダーは少なくないかもしれません。

しかし、新型『隼』ほど「乗る前」と「乗った後」で、印象がガラリと変わるバイクも珍しいと思います。

前回でお伝えした通り、峠道やワンディングでも「コーナリング」や「ツーリング性能」に関して全くと言っていいほど非の打ちどころがないと思えるバイクでした。

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隼に乗る前は、極端に言えば、排気量や車体が大きすぎて「乗るのをちょっとためらっていたバイク」だったのが、巨体にも関わらず自在に操れて「コーナリングが楽しくて仕方がないバイク」に変わったのですから(笑)。

何にでも“喰わず嫌い”は良くないですが、隼に対する間違った思い込みがここまで解消できたのは、一人のバイク乗りとして、とても身になるものでした。

最後にもう一つ感じたのは「今あるスズキの電子制御技術が全部盛り」なのにも関わらず、新型「隼」のシステム操作は、一度乗れば直感で分かってしまうほどすごく簡略化されていたことです。

【思い込み】操作が複雑すぎて覚えきれないんじゃないの!?

「一度乗ればわかるほど操作が直感的!」

画像: 【思い込み】操作が複雑すぎて覚えきれないんじゃないの!?

“隼”を象徴する5連のメーターパネル。コレ、カッコいいですよね。

表示がたくさんあって、一見、複雑そうに見えるインストルメントパネルですが、実はとても見やすくて理に叶ったデザインになっています。

左からアナログ表示の「ガソリンメーター」「タコメーター」が並び、中央の「デジタル表示パネル」、アナログ表示の「スピードメーター」「エンジン水温度計」の5つが並んでいます。

左右のアナログメーターたちは視覚的に把握しやすく、ライディング中にチラッと見るだけで認識しやすくなっています。

新型「隼」に搭載されている「モードチェンジ」や「電子制御システム」などの複雑な表示や操作は、すべて真ん中の「デジタル表示パネル」に集約されています。

【デジタルパネルの見方と操作】

◆メインディスプレイ その①

画像1: 【デジタルパネルの見方と操作】

電源を入れるとスタンダードなディスプレイはこのように表示されます。

まずはメインパネルの表示を一つずつ見ていきましょう。

一番上には「時計」や「外気温」などの情報が切り替え可能です。

中央にあるケージは、前後のピッチングモーションを示していて、どれだけ車体(サスペンション)が前後しているのかを視覚的に見ることができます。

左右にある半円のケージはバンク角センサーになっていて、コーナリングなどでどれくらい車体が傾いているのかが、ゲージバーと数値でわかるようになっています。

サイドスタンドで停車している現在の表示は左に12°傾いていることを示しています。

新型「隼」には、車両の動きや姿勢を検知するセンサー「IMU(Inertial Measurement Unit)」が搭載されていて、常に車体の角度がモニタリングできるんです。

自分のライディング姿勢が可視化されたみたいで、ライディング中にこれをチラッと見るのがすごく楽しいんですよ!

◆メインディスプレイ その②

画像2: 【デジタルパネルの見方と操作】

新型「隼」に新しく搭載された「クルーズコントロールボタン」を押すとこのような表示に切り替わります。

一番下に表示されるディスプレイは「ODOメーター」や「トリップメーター」、「平均燃費」や残りのガソリンで走れる「暫定の航続距離」など、多機能な表示の切り替えが可能です。

ちなみに、ドライブモードを示す「SDMS」や「ギアポジションインジケーター」も表示可能です。

左右のスイッチボックスも、複雑になりすぎないように、シンプルかつ操作しやすいボタン類が配置されています。

基本的なメーター操作は全て『左スイッチボックス』で行えます。

モードチェンジやパネル操作などを行う「メインセレクトボタン」と「ウインカー」&「ホーン」、奥にハイビームやパッシングを切り替えられる「ヘッドライト切替ボタン」が配置され、左手だけで操作しやすいスイッチボックスになっています。

『右スイッチボックス』は、キルスイッチを兼ねた「セルスターター」と「クルーズコントロールボタン」、「ハザードスイッチ」の3つのみのシンプル設計です。

画像3: 【デジタルパネルの見方と操作】

ライディングモードを切り替えたいときは「MODE」ボタンを1度押して、「A」「B」「C」「User」を上下ボタンで操作するだけ。

走行中でもライディングモードの切り替えが可能です。

様々なセッティングが行える「メインメニュー」を表示させたい場合は、停車して「下ボタン」を長押しします。

画像4: 【デジタルパネルの見方と操作】

そうすると、メインメニューが操作できるようになり、様々なセッティングや表示切替が可能になります。

ここでディスプレイの切り替えやライディングセットなどがまとめて行えるようになっています。

画像5: 【デジタルパネルの見方と操作】

走行中の電子制御システムの切り替えは「パワーモードの切り替え」と「クルーズコントロールのオン・オフ」のみが行えるようになっていて、ライディング時は走りに集中できるように、複雑な操作をする必要がないんです。

そもそも走りながらの細かいセッティング操作は危ないですから、あえて停車してからゆっくり行えるようになっているんですね。

もちろん、今あるスズキの“電子制御システムが全部盛り”なので、ひとつひとつの細かいセッティングはイジって覚える必要が出てきますが、操作は左手のみで完結できるので、実はとっても簡単なんです。

実際にやってみると、説明書要らずで『あ、そういうことね』ってわかります。

車体を停車させて、様々なセッティングを試しながら走ってみるのもとても楽しいですよ!

誰にでも扱える最強の旗艦

画像: 誰にでも扱える最強の旗艦

バイクもクルマと同じように日進月歩で電子制御技術が発展しています。

それはとても嬉しいことですが、最近は覚えることや多くなったり、操作が複雑になってしまったバイクが(スズキ以外ですが)増えていることも否めません。

でも、技術や操作が複雑になってライダーがついていけなくなっては本末転倒です。

(下に続きます)

新型「隼」のように、複雑な技術をわかりやすく、誰にでも直感で操作できるように仕上げるには、相当な研究やテストを繰り返していないと、簡単にできることではないでしょう。

このあたりのバランス感は流石に『ユーザー優先』のスズキ。絶妙です。

新型「隼」は、僕の中で、今もっとも“フレンドリーな”フラッグシップバイクになりました!

新型『隼』を“勘違いしてた”シリーズはこちら!

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