200馬力級スーパースポーツの洗礼を受け、その性能の高さと自身のスキル不足に打ちのめされたワインディング。しかし、その後に走った高速道路で不思議な体験をすることとなりました。

高速域で発揮されるスーパースポーツの安定性

本来であれば、前回の『ワインディング編』の前に、高速道路編をお届けしようと計画していたのですが、ワインディングでGSX-R1000Rの凄まじさを思い知らされた後にこそ感じたことがあったので、後ろに回させていただきました。

まずは高速道路に乗った初見の感想。

ワインディングを走る前の印象はまぁ、予想通り。

極限まで空気抵抗を減らすべく設計されたフェアリング(カウル)とライディングポジションで走行風の煩わしさは皆無に等しいです。

サーキットにおいて300km/hでホームストレートを駆け抜けるようなバイクなので、高速道路の制限速度程度では車体もブレることなく非常に安心感が高いです。

画像1: 高速域で発揮されるスーパースポーツの安定性

実は、個人的に高速道路って苦手です。

理由はバイクが車と違ってライダーが剝き出しの状態で操縦しなければならないから。

身体全体で風を感じられるっていうのはバイクの魅力だとは思っていますが、普段は100km/hも出ていれば、ちょっとしたギャップでヒヤヒヤしてしまいます。

しかし、GSX-R1000Rのシートの上は、群を抜いた安定性が速度による不安を全く感じさせず、とても快適な空間を作り出していました。

画像2: 高速域で発揮されるスーパースポーツの安定性

6速で走った時の時速・回転数はこんな感じ。

80km/h・3500rpm
90km/h・4000rpm
100km/h・4500rpm

あまり脇見運転もしていられないので大体の数値ですが、上限100km/h前後のフィールドでは苦しいなんてあるはずもなく、直列4気筒エンジンはスムーズに回るので振動での疲れもありませんでした。

そして、この車両も前回乗ったカタナと同じく、インストルメントパネルに瞬間燃費をバーグラフで表示できます。微妙なスロットル操作でかなり瞬間燃費が変わるので、高速道路ではちょくちょく燃費ゲームに勤しんでいました。

画像3: 高速域で発揮されるスーパースポーツの安定性

前傾強めのライディングポジションにより、長時間の移動は大変だろうとは踏んでいましたが、実際に数時間も走り続ければ背中だの手首だのあちこち痛くなりました。

でも、多分これは慣れで何とかなる範疇かと思われます。

はじめは重くて握りたくなくなるクラッチレバーでも、慣れてくることで苦でなくなるのと一緒です。

力の入れ具合、抜き具合を身体が自然と覚え、必要な筋肉もついてくるので、はじめは辛く感じることがあるかもしれませんが過度に心配することはないでしょう。

疲れを感じさせない「何か」がそこにある

画像1: 疲れを感じさせない「何か」がそこにある

で、なんで高速道路編をワインディング編の後にもってきたかと言いますと「終始、高速道路が快適に感じた」から。

大型バイク慣れしていない状態での初めて乗るマシン。ひいてはリッタークラスのスーパースポーツに峠で叩きのめされた後だったので、それなりに疲れも感じていました。

画像2: 疲れを感じさせない「何か」がそこにある

ですが、そんな状態での高速道路において、自分自身がちょっとおかしい……

乗り続けていたいと感じる。

日が落ちれば気温もかなり冷え込んだ帰りの道中。普段であれば速攻でパーキングエリアに逃げ込むところ、気づけば燃料が限界を迎えるまで走り続けていました。

フロントカウルが風を低減するため、風で凍えなかったのもひとつの要因ではありますが、それだけでは説明できない「何か」がある……

画像3: 疲れを感じさせない「何か」がそこにある

「SS(スーパースポーツ)補正」とでも言いましょうか。

どんなシーンでも走りに楽しさを見出せる。ただただ等速で淡々と走るだけの高速道路で虚無感を感じなかったバイクって、私の人生ではGSX-R1000Rがはじめて。

多分これは「移動」としてではなく、純粋に「走る」ことを目的に生み出されたスーパースポーツならではの現象なのでは感じました。

燃費が良いとは言えないけれど……

画像1: 燃費が良いとは言えないけれど……

今回、走った距離は733km。総給油量は43.04lでした。

だいたい高速道路7割といったところで、給油ポイントごとの内訳は以下の通りです。

給油ポイント走行距離給油量燃費
給油ポイント①184.8km10.63l17.38km/l
給油ポイント②173.6km10.48l17.56km/l
給油ポイント③223km12.70l17.56km/l
給油ポイント④151.6km12.70l16.42km/l
全体733km43.04l17.03km/l

全体での平均燃費は17.03km/l。

カタログ上の低地燃費とWMTCモード値は、221km/l(二名乗車時)と16.6km/l(1名乗車時)。

発進、加速、停止などを含んだ国際基準で測定されたのがWMTCモード値なので、概ねスペック通りの燃費が出ました。

ただし、走った中で高回転域を使ったタイミングが全然なかったので、サーキットなどでしっかり回す走り方をするともう少し燃費は落ちると思います。

けっして燃費が良いとは言えませんが、パワー重視の200馬力級スーパースポーツがリッターあたり17kmも走ることに、すこし驚きも感じました。

画像2: 燃費が良いとは言えないけれど……

逆に考えれば、上記の平均燃費で300キロ日帰りツーリングすると、ガソリン代は概ね3000円前後。たまの休日にツーリングするくらいであれば許容できる範囲ではないでしょうか?

通勤、通学なんかで使うにはちょっと躊躇する数値ではありますが……

(下に続きます)

ただひとつ言えるのは、燃費を気にしてスーパースポーツには乗れませんよね!

20代の僕に燃費を気にせず乗るのは厳しいですが……

次回は最後になるのですが、街乗り、ワインディング、高速道路を使った一泊二日ツーリングを通した、私の考えるGSX-R1000Rに対する「唯一の1台」への回答をまとめてみたいと思います。

To be continued……

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