静岡県の浜松市にあるスズキ本社前に、スズキファンには是非訪れてみてほしい、体験型ミュージアムの『スズキ歴史館』があるのをご存知ですか? 前回に引き続き、館内の施設紹介やスズキ歴代名車をピックアップしてお届けします!

いきなりスズキ創成期へタイムスリップの急展開

画像1: いきなりスズキ創成期へタイムスリップの急展開

前回の施設解説編で紹介しましたが「スズキ歴史館」は3階建のフロア構成になっています。

スズキ歴史館は1階で受付を済ませると、あとは基本的に自由見学になっていますが、実はスズキの歴史が設立当初から分かるようになっている3階フロアから見学するのがオススメなんだとか。

ちなみにここから先は、実際の展示物がバリバリ出てきますのでネタバレ注意。自ら体験するまで楽しみをとっておきたい人は、この先を読むのをやめておきましょう(笑)

画像2: いきなりスズキ創成期へタイムスリップの急展開

3階へと続く階段の壁には、現在から1909年に「鈴木式織機製作所」としてスタートした頃までのスズキの歴史と功績が描かれ、テーマパーク感が漂う演出がされています。

階段を登って行くに従って100年以上前のスズキ創成期へタイムスリップして行けるような作りになっているんです。凝ってるなぁ‥‥

画像3: いきなりスズキ創成期へタイムスリップの急展開

そして3階フロアに着くと、スズキのモノ創りの原点とも言える「鈴木式織機」がドドン!と。

ちなみに、機織り機から天井に綱なっている織物は、1階の階段の下まで伸びていて、現在から過去へと誘ってくれる、天空の羽衣のように展示されています。

現在でも鈴木式織機が実際に見られるのは、日本でおそらくここだけでしょう!

「鈴木式織機製作所」が設立された当時の写真や、木製の機織り機なども展示されています。

ブース前にあるボタンを押すと音声や映像などが流れ、機織り機の仕組みや製造工程などを解説してくれます。

木製だけどけっこうメカです。機械好きにはたまらないはず‥‥

原動機付き自転車から始まったスズキの歴史的バイクがズラリ!

画像: 原動機付き自転車から始まったスズキの歴史的バイクがズラリ!

続いて、いよいよ原動機付き自転車から始まったスズキの歴代バイク展示ブースが現れます。

うぉぉー、見てるだけで燃える! 超楽しい‼︎

スズキのバイクを愛するみなさまでしたら、この時点でテンションが更に爆上がりになること間違いなし。

本当は勢いにまかせて展示されている歴代バイクを1台1台ご紹介したいのですが、みなさんがスズキ歴史館に行った時のお楽しみにするためにも、今回は筆者の私(岩瀬)が特に感動した車両をピックアップするに留めておきます。

パワーフリー (1952年)

画像1: パワーフリー (1952年)

まずは、今から70年くらい前の“スズキの二輪車第一号”とも言える「パワーフリー」です。

70年前って‥‥ねえ?(笑)

1952年から1954年まで生産されたマシンで、2サイクル36ccの補助エンジンを自転車に搭載した、まさに原動機付き自転車だったんですね!

画像2: パワーフリー (1952年)

1949年頃から製造されていた「Sekine」製の自転車に、スズキが製造した補助エンジンを搭載し、最高出力は1.0ps/4000rpmだったそうです。

スズキ第二代社長であった鈴木俊三さんが「好きな釣りに行くのに、自転車にエンジンが付いていたら楽だな」という、かなり個人的な(?)発想のもと開発されたマシンだそうです。

こういう裏話的なところが知れるのも楽しい!

燃料タンクはリアキャリアの下に配置され、スプリングの付いたサドルの下にはチェンジレバーもあり、2段変速機構も搭載されていました。

ちなみに、綺麗に整備された車体のままで現状保存されているので今でも実際に走るそうです!

ああ、スズキが美しい‥‥

コレダCO(1954年)

画像: コレダCO(1954年)

続いては、これまでの自転車用補助エンジン搭載型ではなく、一気に“バイクらしく”なった「コレダCO」。

1954年に登場したコレダCOのエンジンは、なんと「90ccの4ストロークOHV単気筒エンジン」を搭載!

最高出力は3馬力、最大トルクは0.7kgmあったとされ、しかも、日本で初めてスピードメーターを搭載していたスズキ初の本格バイクとも言えるマシンです。

点火時期が自動的に変えられる自動進角装置付のフライホイールマグネットが初めて装備されただけでなく、トランスミッションにも二輪車初の前進3段ロータリーチェンジが採用されていたそうです。

また、7Lの燃料が入るティアドロップ型のタンクを搭載していたので、長距離の移動も格段にラクになったと言われています。

この頃からスズキはバイクレースにも積極的に参戦し、1954年7月に開催された「富士登山レース」の90ccモーターバイククラスで、コレダCOは2年連続優勝を果たしています。これぞ眼福。

バイクレースへの挑戦や自動車産業への進出まで幅広く展示!

RM62(1962年)

画像: RM62(1962年)

こちらは、1962年から始まり、現在でも開催され続けている世界的公道レース「マン島TTレース」の50ccクラスで、スズキが初優勝したレースマシン「RM62」。

しかも、ドイツ出身のバイクレーサー「エルンスト・デグナー」氏が乗って優勝した実車なんです!

2ストローク単気筒エンジンを積んだ、当時世界最速の50ccレーサーが今でもこんな綺麗に残っているなんてスゴすぎる……

ちなみに、先の写真の右にあるイラスト状の展示ポップは、当時のマン島TTレースを実況付きで録音した「レコード」になっていて、実際にコースを走る走行音などが収録された貴重な音源も残っているんですって!

スズライトSS(1955年)

画像: スズライトSS(1955年)

こちらは、1955年に発売されたスズキ初の四輪自動車「スズライトSS」。

エンジンは360ccの空冷2ストロークの並列2気筒エンジンを、バックボーン型のモノコック・ボディーに搭載。

日本初のFF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式を採用。FFのクルマって国産だとスズキがはじめてだったのか‥‥と驚いたので、バイクじゃないけど紹介してます。

それにしても「最新のクラシックデザインです」と言われても、全く違和感がないほど完成されているデザイン。今見てもオシャレで抜群にカッコイイ!

スズキ歴史館は歴代バイクの展示だけでなく、歴代の四輪自動車なども合わせて楽しめるようになっています。

便利な乗り物から趣味性の高いバイクへと移りかわっていく様子まで楽しめる

画像1: 便利な乗り物から趣味性の高いバイクへと移りかわっていく様子まで楽しめる

他にも3階フロアにはまだまだたくさんの歴代バイクが所狭しと展示されています。

スズキのバイクが誕生した初期のモデルから、バイクが便利な乗り物へと進化して、どんどん趣味性の高いモデルへと進化していく様子がわかるようになっています。

画像2: 便利な乗り物から趣味性の高いバイクへと移りかわっていく様子まで楽しめる

あの頃乗っていた懐かしいバイクを始め、今ではここでしか見られないバイクや、こんなバイクもあったの⁉︎ と思う車両まで、様々な歴代車が展示されています。

ちなみに館内に展示されている車両は、スマホなどで写真を撮ることも可能ですよ。

スズキ歴史館はスズキファンに限らず、バイク好きなら全員が楽しめます!

(下に続きます)

めちゃくちゃ遊べるテーマパークになっていますので、皆さんも是非訪れてみてください。

この施設が無料で開放されてるなんて‥‥もはや『聖域』と言ってもいいレベル。

次の週末、走りにいく場所に迷ったら『スズキ歴史館』へ是非どうぞ!

予約方法など注意点は『基礎知識編』へどうぞ!

スズキ歴史館の公式ホームページはこちら!

※タップすると外部サイトへジャンプします

スズキファンのためのWEBサイト!

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