ジクサー250は『ハンドリングの軽さ』が武器になる
この記事は7/11掲載の記事を一部加筆・修正したものです。
『え? これ同じエンジンとフレームのバイクなの?』
そう思うほどにネイキッドのジクサー250とフルカウルのジクサーSF250はフィーリングが違います。
でも、そうは言ってもスポーティに走りを楽しむならフルカウル&セパレートハンドルのジクサーSF250が上かな?と思っていました。
ところが実際にワインディングで走ってみると、一概にそうとも言い切れなくなってくるんです。
ぶっちゃけ走るステージによって、ネイキッドのジクサー250はかなり楽しめてしまうから……
コーナーの『進入』と『切り返し』がスムーズなジクサー250
その理由は前編で言ったエンジンの元気さよりも、ハンドリングの軽快さです。
ワインディングって絶対的な速さよりも『自分の思ったとおりにバイクを操れること』がすごく楽しいじゃないですか?
ジクサー250は、フルカウルのSFよりも、そういう操る楽しみを感じやすいと思うんです。
ひとつにはコーナーの進入があります。
ライダーの入力に応じて、即座にバイクが動き出すジクサー250は頭の中で思い描いた走行ラインをトレースしやすい。
ワインディングのペースでは、とても重要なことです。
これがもし、もっと高いスピード域ならば、ジクサーSF250のようなフロント側に落ち着きのあるハンドリングのほうが自信をもってコーナーに飛び込めると思う。
だけどワインディングにそういうシチュエーションは多くありません。
そして、ワインディングは基本的にコーナーの連続です。
その切り返しがジクサー250は軽い……切り返しが早い、と言ってもいい。加えて、正規日本仕様のダンロップ製GPR-300タイヤとのマッチングがこれまたいい。
連続するコーナーを、右に左にリズム良くさばいていけます。
ライトウェイトスポーツ感とでも言いますか……それがとてつもなく楽しいし、走るペースとしても決して遅くは無い。
ハイスピード&深いバンク角が長く続くようなストイックな領域ではフルカウルのSFに軍配が上がるけれど、タイトなワインディングではジクサー250の軽快さが大きな武器になるんです
スズキの新型油冷エンジンの『低重心』を感じやすいジクサー250
そこに加えて、感じたのは新型油冷エンジンの低重心設計。
しっとり感のあるハンドリングのジクサーSF250は、セパレートハンドルによるライディングポジションも手伝って『全体的に安定感が強い』と感じるのに対して、ジクサー250はライダーを軸にして低重心&重量マスが集中していると感じます。
それが軽快な運動性能にひと役買いつつ、操作の自由度も高めていると思う。
そして、総合的に素晴らしいドライバビリティにつながってる!
ジクサー250なら、どんなライダーも楽しめる!
このドライバビリティの高さ=運転のしやすさはバイク初心者にとっては絶大な安心感につながるはず。
そしてバイクに20年くらい乗っているボクのようなライダーにとっては、操る楽しさ120%のライトウェイトスポーツです。
エッジの効いた走りを求める上級ライダーには、最終的にSFをおすすめしたいと思いますが、そういうライダーが走らせてもジクサー250はきっと『良いバイクだ』って判断をすると思う。
いやホント……今のところ大きく気になるネガティブが見当たりません。
(下に続きます)
250ccのバイクとして『あるべき姿』のジクサー250
もちろん突き詰めてアラ探しをしようと思えばできるでしょう。
ボクだって『リアサスペンションの伸び側がもうすこし早く動くといいな』とか感じました。
でも、そんなの些細すぎる。
みなさんもご存じだと思いますがジクサー250って新車価格が44万8800円ですからね?
その程度の個人的なセッティングの好みなんて贅沢言いすぎ!って自分で思います(笑)
ジクサー250は『総合力』が高い!
トータルバランス、操りやすさ、そして何よりも走りのワクワク感!
それらを高い水準で揃えていながら、コスパ面でも圧倒する。
そしてジクサー250は走りでもフルカウルの『SF』に劣るものじゃないってことを、きちんと言っておきたいと思います。
それに冗談抜きで、バイク初心者だったらSFよりジクサー250のほうが自信を持ってスロットルを開けられるだろうから、知らずにハイペースで走れちゃうんじゃないでしょうか。
やるなぁスズキさん……
ジクサー250、これはスゴいです。
ワインディングで走らせても、軽く感動すら覚えるバイクでした!