125ccだからってナメちゃダメ! スズキの現行ラインアップされている125ccクラスで、そのマシンの「足つき性」だけに焦点を絞って当サイト独自のランキングにしてみました!

シート高の数値だけじゃないライダーが実際に感じる「足つき性」の良さって?

あのバイクに乗りたいのに、足が届くか不安……と感じることは少なくないかもしれません。

自分の好きなバイクを選ぶ時にデザインやマシン性能以外にも、結構気になるポイントのひとつとして、そのバイクの「足つき性」があると思います。

ちなみにバイクの足つき性を客観的に判断するための項目としては「シート高」がありますが、実際にそのバイクに跨ってみると、シート高の数値だけでは分からないことも実は結構あるんです。

例えば、シートの横幅だったり、跨った時のサスペンションの沈み具合や脚の開き方、ステップの干渉など、実際の足つき性を判断するには、いくつかの要素が絡み合ってくるからです。

バイクの足つき性をチェックするには、実際に販売店などに行って跨ってみるのが一番なのですが、そうは言っても様々なバイクを1台1台チェックするのは結構難しいですよね。

そこで今回は、スズキのバイクにラインアップされている125ccクラスの車種に、スズキのバイク!編集部員が実際に跨ってみて感じた「足つき性の良さ」をランキングにしてみました。

ライダーの身長や体格などによっても足つき性の感じ方は変わると思いますが、愛車選びのひとつの参考としてご覧頂ければと思います。

1位:アドレス125(シート高:780mm)

ライダー身長/172cm

125ccクラスのスズキ車の中で、身長172cmのライダーが一番足つき性に優れていたと感じたのは「アドレス125」でした。

まるでソファーに座るように自然に座れる幅広いシートと、ヘッドライト一体型になっているハンドルの位置がやや高めに設定されているので、姿勢が起きて視界がとても広く感じます。

これまでのアドレスシリーズに多かった前方に足を投げ出しても座れるライディングポジションとは異なり、膝の曲がり具合がほぼ90°に近いヨーロピアンスクーターな乗車姿勢です。

身長172cmの日本人標準体型のライダーが跨ってもライディングポジションの自由度は見た目以上に高く感じます。

アドレス125のシート高は770mmで、数値的にはやや高めに思えますが、シートの先端が細くなっていて、ごく自然に足を着くことができました。

シート高の数値的にはアヴェニス125より10mm低くなっていますが、双方に跨ってみると数字以上にアドレス125の方が足つき性が良く感じました。

身長172cmのライダーが両足で跨ると両方の足が踵までしっかり着くことができます。

2位:アヴェニス125(シート高:780mm)

ライダー身長/173cm

スズキ車125ccクラスで足つき性の良さ第2位は「アヴェニス125」でした。

「スポーツスクーター」ということで、兄弟モデル『アドレス125』に比べて10mmシート高は高くなっていますが、それでもシート高は780mmに抑えられているほか、足つきに配慮してフロアボードサイドもカットされています。

身長173cmの私の場合、足つき性にこれといった不安はありません。重量も軽いので足つきに関しては過度に心配することはないと思います。

足元もゆったりとしたスペースが確保されていて、窮屈さはありません。自然なライディングポジションで快適性も抜群です。

3位:バーグマンストリート125EX(シート高:780mm)

ライダー身長/172cm

スズキ車125ccクラスで足つき性の良さ第3位は「バーグマンストリート125EX」でした。

広いフットボードには足を垂直に曲げて置けるスタイルと、足を前方に伸ばせるポジションの両方の乗り方ができ、シチュエーションや好みによって使い分けることができます。

身長172cmの日本人標準体型のライダーが跨っても、まるでビッグスクーターに跨っているようなゆったりとしたライディングポジションをとることができ、スズキ125スクーターの中でナンバーワンの快適性と断言できます。

シートにやや沈み込むようなシットインポジションは、長距離の移動でも疲れにくく、ハンドルの位置もやや高めに設定されているので、視界が広く、操作性が高いディメンションになっています。

バーグマンストリート125EXのシート高は、兄弟モデルのアヴェニス125と同じ780mmで、数値的にはやや高めに思えますが、身長172cmの日本人標準体型のライダーが跨っても両足の踵まで地面にしっかり着くことができました。

これは左右の足元付近を絞り込んだ「カットフロアボード」が採用されているので、股が開きやすく自然に足を着くことができるのが大きいでしょう。

3位に甘んじた理由はアドレス125、アヴェニス125より車体が大柄で、そのぶん重量があるためです。わずか数キロの差ですが、125ccスクーターは『毎日乗るバイク』ですから……

4位:GSX-S125(シート高:785mm)

ライダー身長/172cm

スズキ車125ccクラスで足つき性の良さ第4位は「GSX-S125」でした。

125ccの原付二種クラスとなるGSX-S125は、GSX250Rやジクサー250などの250ccクラスのスポーツバイクと比べて、ひと回りほどコンパクトな車体ですが、比較的、日本人の標準体型に近い身長172cmのライダーが跨っても窮屈さをまるで感じないサイズ感になっています。

ネイキッドらしいアップライトなハンドルで、ごく自然にスポーティなライディングポジションをとることができます。上半身の動きの自由度は高く、下半身は車体をホールドしやすいスポーツネイキッドとして理想的な乗車姿勢です。

ハンドル幅は広めで、足を置くステップ位置は少しバックステップぎみ。やや前傾姿勢のポジションと相まってどんなシチュエーションでもスポーティさを楽しめる“ストリートファイター”な雰囲気でした。

GSX-S125のシート高は785mmで、原付二種/125ccクラスの数値的にはやや高めに思えますが、フレームを含む車体全体の横幅が『驚くほど細い』ので、シート高の数値以上に足つき性は良好です。

ライダーが座るシートの前方が極端に絞られていて足が下ろしやすいので、身長172cmのライダーが跨ると両足のかかとまでしっかり着くことができました。

単純な足つき性では流石にスクーターには一歩及びませんが、135kgの軽量な車重と、大きすぎず小さすぎない車体は、これからバイクのスポーツランを楽しみたいビギナーや、複数のバイクを乗り継いできたベテランライダーも満足させる1台になっていると思います。

5位:GSX-R125(シート高:785mm)

ライダー身長/173cm

スズキ車125ccクラスで足つき性の良さ第5位は「GSX-R125」でした。

GSX-R125のシート高は785mmで、数値的には兄弟モデルのGSX-S125と同じですが、本格的に低く構えるクリップオンのセパレートハンドルを採用するため、ほんの僅かながら足つき性にも違いがあるように感じます。

ライディングポジションはそれなりに前傾姿勢で、それに合わせて座る位置がすこし後ろ気味になることが足つき性の差を生んでいるように思います。ですが、意識的にシート前方に座れば想像以上に身体を起こせて快適に乗ることもできます。

『GSX-R125』の足つきは身長173cmのライダーで両方の踵がしっかりと接地し、137kgという車体の軽さ&抜群の車体のスリムさもあわせて、足つき性に不安は少ないでしょう。

ちなみにスポーツライディング時の操作性は、完全に『本物』のピュアスポーツです!

【総論】スズキ125ccクラスの足つき性は「アドレス125」に軍配

今回、125ccクラスの計5台のスズキ車に跨ってみて、一番足つき性に優れていると感じたのは「アドレス125」でした。

スズキの125スクーター3車種は、同エンジン&同フレームを採用した兄弟モデルですが、デザインやスタイルに大きな違いがあるので、足つき性にも差が出ることがわかりました。

また、GSX-S125とGSX-R125の125スポーツ兄弟モデルも、シート高の数値は同じなのに、ライディングポジションによって足つき性の感じ方が若干異なってくると感じました。

(下に続きます)

シート高の数値だと足つき性が悪そうに思えるバイクでも、脚を着く位置の車体やフレームなどが細く設計されていたり、居住性や足つき性を良くするためにシート前方が絞られてデザインされているなど、数値や見た目だけでは分からないポイントが結構あります。そして逆に『数値より足つき性が悪い』というケースだってあります。

バイクというのは時に『体格』を求めてくるのも事実です。そして「足つき性」は、憧れのバイクに対して『自分が安心できるか』という、とても重要な項目です。

だけどシート高の数値や思い込みだけで乗りたいバイクを諦めないようにしてください。何はともあれ実際に跨ってから選ぶようにする。それがきっと自分にとっての最高の1台を見つける最短距離になると思いますよ!

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