国内で一番最後に導入されたスズキの125cc三つ子スクーターの一台『バーグマンストリート125EX』。スポーティーな『アヴェニス125』やヨーロピアンテイストの『アドレス125』とスタイリングから大きく異なりますが、その走りも「バーグマン」らしい個性が光ります!

紳士的な乗り味が魅力の快適スクーター『バーグマンストリート125EX』

先んじて国内に投入されていたスズキの125ccスクーターシリーズ『アドレス125』『アヴェニス125』に続き、2023年3月にリリースされた『バーグマンストリート125EX』。

スタイリングは「バーグマン」の名を冠するだけありスマートかつ優雅。大柄な車体は安定感のある走りを予感させます。

ライダー身長/174cm

シート高は780mm。

肉厚で座り心地のいいシートは幅が広く取られているため、シートの後ろ側に座ると多少足が下ろしづらい印象がありますが、これは近年の原付二種スクーターモデルに共通している点。

停車の際にシート先端に座れば、カットフロアボードのおかげもあり足つきに不安はありません。

フットボードを採用している点でフロアボード全体が兄弟モデルに比べて広々としているように感じます。

ライダー身長/174cm

他の兄弟たちに比べ、大柄なライダーでも足もとに窮屈感がなくリラックスした体勢で乗ることが出来るでしょう。

実際に身長174cmの筆者はスクーターは足が窮屈なのが悩みだったので『バーグマンストリート125EX』のフットボードは救世主のような存在でした。

スタイリングやライディングポジションはさておき、フレームの基盤を共有した『アドレス125』、『アヴェニス125』に比べ、『バーグマン』大きく変更が施されている点が2カ所あります。

ひとつ目はバイクの心臓となるエンジン。

パワーをスポイルすることなく環境・燃費性能を兼ね備えたスズキ自慢の「SEP(スズキ・エコ・パフォーマンス)」エンジンを採用した『アドレス125』や『アヴェニス125』に対し、『バーグマンストリート125EX』はさらに進化した「SEP-α(スズキ・エコ・パフォーマンス-アルファ)」エンジンを採用。

停止時にエンジンを自動で止める「アイドリングストップ」システム、エンジンを静かに始動させる「サイレントスターターシステム」を組み込み、更なる環境性能&静粛性を実現しています。

そのエンジンを採用した『バーグマンストリート125EX』の乗り味は至って紳士的なもの。

優しいフィーリングで発進しますが、加速は決して非力ではなく安心して他車の流れに合流できます。

ピックアップも穏やかで、スロットル操作に必要以上に神経を尖らせる必要もないので、楽なライディングポジションと合わせてライダーの疲労を大きく軽減してくれているように感じます。

車の流れの速い幹線道路においても苦しげなく加速し、安定したクルージング性能を見せました。

そして、ふたつ目の違いは12インチ化されたリアタイヤ。

『アドレス125』と『アヴェニス125』は10インチのリアタイヤが採用され、クイックな旋回能力を見せましたが、大径化されたリアタイヤにより『バーグマンストリート125』の旋回性には落ち着きがあります。

兄弟たちに比べ若干ロングなホイールベースと合わせ、ハンドリングは穏やかで、高速域、低速域問わず安定したコーナリング性能を持っています。

兄弟たちと比べてしまうとやや機敏さは劣るかもしれませんが、丁寧で大人な旋回性は「バーグマン」らしい長所と言えるでしょう。

ですが、そもそも原付二種スクーターだから基本の車体は軽量&コンパクトです。

力強くも紳士的なエンジン、安定したハンドリング、快適な乗車空間の3点を兼ね備えた『バーグマンストリート125EX』は正に「小さなバーグマン」でした!

(下に続きます)

春の訪れを感じさせる暖かい陽だまりのなか『バーグマンストリート125EX』で流していると、このままツーリングに出かけたくなるほどの心地よさがあります。

基盤を共有する兄弟でありながら『アヴェニス125』の、いっそ攻撃的なスポーティさとは対極にあるようなコミューターです。

次回はそんな快適スクーターで一週間バイク通勤してみたレポートをお送りします!

【文:石神邦比古(モーターマガジン社)】

『バーグマンストリート125EX』で一週間通勤してみた!

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