新型LEDヘッドライトを手に入れてスタイルに隙が無くなったGSX250Rと共に爽快ワインディングロードへ! うん……これ間違いなく『いいバイク』だ!

GSX250Rでワインディングを走り回った結論→『いいバイクだなぁ』

当サイト『スズキのバイク!』で何度か言わせて頂いているんですが、私(北岡)は特に『スポーツバイク万歳!』なタイプじゃありません。

私のバイクの楽しみかたといったらメインはツーリング。でも普段は『きちんと動くように整備・状態を整えた“俺のバイク”を眺めるだけ』で満足できる。つまり『ガチの盆栽派』です。

そんな私なので、バイクのスポーツ性能は『速く走れること』が評価の最上位ではありません。そもそもライディングテクニック自体、人に自慢できる腕前でもないのですが。

でも私なりに大切にしているのは、まず『そのバイクで走ることそのものを楽しいと思えるか?』という部分。だから運転していて怖いのは論外。その次に『思い通りに操れること』といったところでしょうか。

ライディングスキルは人それぞれなんだけど、自分なりにコーナーを『今のはキマったぜ!』って思える瞬間は、そうは言っても楽しいものです。なので、自分なりにそう感じられれば十分だと思っています。

まぁ、スズキ車の中には『思い通りに操れすぎて、結果的にわりと良いペースになっちゃう』というバイクもいっぱいあるわけですが……

ただ、GSX250Rはそういう風に『乗り手を速く走らせてくれるタイプ』ではありません。

もともとはバイク初心者の人のことも考えて、扱いやすさに特化した「アーバンアスリート」がコンセプトであって、2017年の登場から今日まで、そこは1ミリもブレていません。

だけど私としてはこのGSX250R、かなりお気に入りランキングが高め!

ここから『なぜそうなのか?』というのを、順を追ってお話していきます。

GSX250Rは『強いブレーキ』でがんばるタイプじゃない

まず先に言っておくべきだと思うのは、2023年のアップデートでエンジンが爽快フィーリングに化けていても、バイクの動き方を決める『車体設計』は基本的に変更されていないということ。

根本的に『誰もが運転しやすいこと』を優先させている設計だと思うので、キレッキレの鋭いハンドリングではありません。

なのでコーナー進入だからといって『スーパー限界ウルトラブレーキング発動ッ!』なんてことは、このバイクには似合いません。乗り手を怖がらせないブレーキタッチは効力の立ち上がりにも唐突さがなくて自然に減速できる感じ。コントロール性に関しては十分です。

そこに加えてフロントフォークのキャラもガッチガチじゃないから、ブレーキの握り始めは優しく。乗り手がフロントフォークに余力を残してあげるんです。

そうして自分的に怖さがないところまでスピードを調整してからバイクを寝かせていくんですが、ここでは限りなく基本に忠実に。何より大事なのは“目線”かと。なんならキメキメのライディングフォームとかあんまり必要ない(笑)

ブレーキをリリースするポイントから目線を外さず、でもそこまで来たら一気に曲がりたい方向へ視線をガッと大胆に移す! ぶっちゃけますが、基本はこれでOKです。

そうはいっても車体はコンパクトな250cc。重量だって重いわけじゃないから、それだけでバイクはスッと曲がり始めてくれます。

その時に良いのがGSX250Rの優しいハンドリング。別に無理してフルバンクとかさせる必要はまったくありません。どっしり感と軽快さの絶妙バランスの中で、曲がるのに必要な角度までバイクは自然に寝てくれます。

でも、ここまでは言ってしまえば「2022年以前のモデルも同じ」なんですが!

アクセルを開けた後がねぇ……新エンジンは楽しすぎる(笑)

アクセル全閉から1ミリ開け足した瞬間は、従来型エンジン同様にスウッを優しく前に出る感じ。だけどそのあと、明確に力が湧き出してきて、ついでに後輪へもしっかりトラクションが掛かって!

フロント側の手ごたえ&安心感は「このクラスの“通常”よりワンサイズ太めのタイヤ」のどっしり感におまかせで!

シュワーンッ! って綺麗にエンジンが回っていく!

そして、その「伸び感」の体感的な気持ちよさと物理的なパワーが、ライダーの感覚にピッタリ寄り添ってくる。無理して寝かせたりする必要も感じないし、アウトにふくらんだりもしないから……普通に乗ってて、普通に楽しい!

いやでもそれって……ある意味、最高じゃない!?

だってね? 私が仕事じゃなくて、プライベートでひとりで走っている時って、だいたいそんな感じですよ?

ゆるゆる流す時もあるけど、ワインディングに入ったら「ちょっとだけ楽しむ感じ」でペースを上げて。そういう時、私は強力ブレーキングなんて一切しません(笑)

ブレーキはほどよく当てるだけ。そうしてアクセルを開けてからの走行ラインのトレースと加速感を味わう感じ。でもそれってけっこう楽しいの。そういう楽しみかたの人、私の他にもいるでしょう?

(下に続きます)

そして、そんな『いつも通りの自分の走り』をこそ新エンジンのGSX250Rは、自動的に大きく膨らませてくれるんです。だから私、最初に言ったとおり『良いバイクだなぁ~』って感じた。

とか言いつつ、調子に乗りすぎてレッドゾーン付近まで回しちゃうことも(複数回)あったけど……

まぁ、それはこのエンジンが楽しい証拠ってことで!

普通に乗ってて、それがいちばん楽しいって思える。そういうバイク、良いな! って思いません? 言っときますけど盆栽派の私にとっては、これ、最高の評価のひとつですからね!?

【文/北岡博樹(モーターマガジン社)】

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