スズキのニュー・スタンダードスポーツがあまりにバイクとして完璧すぎる
前回お話した通り、フルカウルスポーツモデルである『GSX-8R』が本領を発揮するのはやはりワインディングでのスポーツライディングだと思います!
充実の足回りと大排気量の中でも馴染みやすいミドルクラスエンジン、そして軽量・コンパクトな車体により、幅広いシチュエーションで大型バイクを操る爽快感を楽しめます。
ただ、それにしたってワインディング以外での適正もすこぶる高すぎて……ちょっと表現に困るのも事実(笑)。
スポーツに特化したバイクは高速道路や街中での快適性をやや犠牲にしていたり、ツアラー・アドベンチャーはその逆であったりと、何かを追い求めると何かをスポイルしてしまうのがバイクという乗り物だと思っていたのですが、ここへきて新たな解を提示されて困惑……。
セパレートハンドルを採用し、レーシーなフルカウルを装備しながらも、ライディングポジションは優しく街乗りや高速道路も快適。
それでいてサーキットでのスポーツライディングも見据えた高い運動性能も発揮。
こういってしまうと、すべての項目でまんべんなく優秀な「角の丸いバイク」、「特徴の薄いバイク」に聞こえてしまうかもしれませんが、個人的には全く逆。
こんなに親しみやすいバイクなのに、スポーツバイクとしてはコンセプトはむしろ尖っていると思います!
だって、こんなバイク国内の同クラス現行モデルを見渡して他にあるか……?
まずこんなに大胆にセパレートハンドルを引いて快適性に振ったモデルは他にない、と思います。
前述した通り、何かを取ると何かをスポイルしてしまうスポーツバイクにおいて、ここまで欲張りな性能で、かつそれを高次元でバランスさせているモデルは他にないような気がします。
サーキットでタイムアタックとかを考えない限り、ストリートでの物足りなさは皆無です。
そして、個人的に「良いな」と思ったのは、大型フルカウルバイクとして勧めやすいこと!
結局、バイクなんて自分が「乗りたい!」と直感で感じたものに乗るのが正解だと個人的には思っているのですが、バイク選びで悩んでいる友人や後輩には取り回しや操作性・ライディングポジションなどの観点でまずネイキッドバイクをおすすめしてしまいます。
購入してから姿勢がつらいとか運転しづらいとかでバイク離れしてしまうのはさみしいですからね。
といってもバイク選びは乗りやすさとか燃費、利便性より「直感」だと思ってるのは変わりありませんが。
その点『GSX-8R』はセパレートハンドルを採用したフルカウルスポーツバイクだけど、乗りやすさ、操縦性ともに良好。
見た目もカッコよくて、フルカウルスポーツに興味がある人に自信を持ってオススメできるモデルです!
市街地での普段使いもしやすくて、オプションのサイドケースなんかを導入すればツアラーに様変わり。そしてワインディングでもすこぶる楽しい!
親しみやすさと高い性能を両立した『GSX-8R』は、バイクライフの可能性をより広げてくれる、そんなバイクだと思います!
これがスズキの提示する新しいスポーツバイクのスタイルとか、レベル高すぎるだろ……。
(下に続きます)
今回はなかなか環境の整わない試乗体験でしたが、その中でも『GSX-8R』からは高いポテンシャルを感じ取ることができたと思います。
正直、最初は「どっちつかずなハンドルだな……」なんて内心思ったりもしましたが……
結果的には『新しいスポーツバイクの正解』を身体に叩き込まれる体験となりました!