GSX-8Rを『ツーリングメイン』で楽しむなら
大型フルカウルスポーツなのに超万能。ノーマルのままでもワインディングからツーリングまで幅広く楽しめるのが『GSX-8R』というバイクなのですが、最終的にこのバイクの軸足は「スポーツ」にあります。
どこまでいっても本質は『スズキのGSX』だということ。ラクに走れても「ツアラー」ではないんです。
ですが今回、兄弟車のネイキッド『GSX-8S』との違いを発見したことによって、とある実験にトライ。
その結果は予想とは違うものでしたが少なくないメリットを感じる結果でもありました。
特にGSX-8Rをツーリングメインで楽しむ人にはおすすめかも？ そう思った理由を「ワインディング以外」のシーンでお伝えしておきます。
私（北岡）はGSX-8Rが発売になった昨年にGSX-8Rに乗って、このバイクを『ワイディングの鉄人養成マシーン』だと感じました。
「スポーティな走り」の際に無限に集中力を維持できるのでは？ と感じる扱いやすさ。そこがこのバイクの本質だと思っていることは、今回の実験を経ても変わっていません。
ただ、以前もお伝えしたことですが軸足が「スポーツバイク」なので路面が荒れてくるとすこし落ち着きがなくなります。これはもう仕方ないことです。
けれど今回、リアサスペンションの設定をすこし変えてみたところ、GSX-8Rの本質はそのままに、ちょっと「しっとり感」がプラスされるという結果を得ました。
そこはここまでお伝えしてきたとおり、ワインディングを走るシーンでも数々のメリットを感じさせるものでしたが……それ以上に！
ツーリング先でだいたい遭遇する『荒れた道』での安心感が標準のセッティングよりもかなり高くなると実感しています。
路面の状態が良いワインディングでは大幅な変化は感じにくいですが、こういう道になると話は別。しっとり感の出たGSX-8Rは路面状況の変化に対する対応力の幅が広がります。
あと「これは地味に差が出るな……」と思ったのが！
長距離・長時間におよぶ場合の高速道路クルージングです。
正直、現8Rオーナーの人でもノーマルのままで特に不都合を感じていないと思います。ただ、疲れてくるとたまにリア側の硬さ感が気になる、というのもオーナーの人には理解してもらえると思う。
今回のセッティング変更による『しっとり感』はそんなシーンでジワジワ効いてくると思う。
今回のようにセッティングを変更したからと言って、高速道路の速度域のクルージングにおいて「フワフワする」とか「落ち着かない」といったようなネガティブは何も感じられませんでした。
そしてセッティング変更実験の帰り道に思ったのは「乗り心地の良さ」のこと。大きな差ではないんですが、路面からの突き上げを感じなくなったことや、バイクの動きかた全体に通じる「しっとり感」のおかげで、標準セット以上にラクに走れるようになったと思う。
GSX-8Rというバイクにスポーティさを求める人には、今回のようなセッティング変更は特におすすめしません。
でも普段はツーリングメインで、ワインディングは「自分なりのスポーティさで楽しみたい」という人は気に入ると思います。
ただし【前編】で言ったとおり、すこし作業に手間取るかもしれません。なんとなく「自分でやるのは難しい」と感じたら、いきつけのバイク屋さんに相談してみてください。
今回のは言ってしまえば、単なる「バイク側を自分に合わせる調整」です。プロの人なら朝飯前の作業にすぎません。
いやでも自分はサスペンションとかよくわからないから……という人だって大丈夫。愛車の変化は絶対にわかるから！
（下に続きます）
なので興味が持てたら馴染みのバイク屋さんに今回の記事をスマホで見せながら「これやってみたいんですけど……」って言えば快く応じてくれると思います。バイク屋さんだって、お客さんにもっと楽しんでほしい！って思う気持ちは同じはずだもん。
GSX-8Rはフルカウルスポーツなのにウルトラ万能バイクです。そのまま乗っても何も不都合はないけど、良いバイクからこそ、そこから「さらに自分好み」を探してみて！
そうしたら8Rのことがもっと好きになると思う。本当です。やってみる価値はある！ やってみてダメなら『元に戻せばいいだけ』ですしね!?