GSX250Rには『独特の高速道路クルージング感』がある
前回はバイク初心者の人に向けて2024モデル以降の『GSX250R』がどんなに素晴らしいかを力説してきましたが……今回はツーリングに焦点を当てていきます。
ぶっちゃけますがGSX250Rは本当に『他とは比較できないバイク』へと進化を果たしているんですよ!?
でもそれらは“実際に乗ってみないとわからない”という部分が多いのがGSX250Rのある意味、弱点です。
まずは高速道路でちょっと話をさせてもらいますが……
GSX250Rはスペックとして最高出力27馬力を10500回転で発生します。
で、例えば新東名高速の時速120km区間などを6速トップギアで走ると……だいたいエンジン回転数が9000回転前後になります。
レッドゾーンまで残り1500回転くらい。この話を「ある程度バイクに詳しい人」が聞くとほぼ間違いなく「もうほとんどエンジンに余裕がないのでは?」と思うはず。私(北岡)だって、実際に乗ってなければそう判断します。
ところが………
エンジンに『スペック以上の余裕』を感じる
体感としての『実際』は全然違っているんです。
GSX250Rのエンジンとしては「かなり高回転まで回っている状態」なのは確かなのですが、そう感じない。レッドゾーンまで1500回転手前とはまるで思えない。高回転域でより滑らかさを増す特性なのも手伝って不思議なほどに余裕があるんです。
私の言い方をさせてもらえるならば「本当はもっと高回転まで回せるけど、あえて抑えている」といった感じ。このフィーリングはGSX250Rだけのものです。
高速道路が安定して走れる
ちなみにGSX250Rは車両重量が181kgで他の250ccフルカウルスポーツに比べると若干、数字としては重いです。
エンジンが低~中回転域の力強さ重視なのでネガティブは特に感じませんが「スポーツバイクは軽さが命!」という大原則からは外れています。
だた、その重さが逆に高速道路の速度域での安定感につながってる。
これには「一般的な250ccフルカウルスポーツ」よりも長い1430mmというホイールベース(軸間距離)も関係してきます。もちろんホイールベースだけが要因ではないけど、それにしたって1430mmのホイールベースが直進安定性に寄与しない訳がありません。
その安定感とエンジンの余裕によって、高速道路を使ったロングクルージングで250ccクラスとは思えないツーリング力を発揮する。これ、実はスズキのフラッグシップモデル『隼』に近いニュアンスだったりします。
もし『隼』の250ccバージョンがあったら、こういう走りのフィーリングになるのでは? って思うんです。
余談ですが『シート』がスゴい!
ちなみに個人的に絶対に言っておきたいのがシートのこと。
GSX250Rのシートはスポーツバイクらしく「薄くてお尻が痛くなりそう」な見た目なんですが……
GSX250R最大の謎……と言ってもいいほどに長時間座っていてもお尻が痛くなりません。
500kmくらいの距離なら余裕。シートっていうのはけっこうコストダウンの対象になりやすい部分なんですがGSX250Rは逆!
たぶんですが、めちゃくちゃこだわってシートを設計していると思われます。
燃費とか航続距離は厳しいかと思いきや……
またツーリングシーンにおいて(ツーリングだけじゃないけど)けっこう重要なのが航続距離と燃費性能。
先に言ったとおり高速道路などでは、けっこうエンジン回転数が高止まりしがちなので、燃費はそれほど期待できないかな……と思うのが一般的な考え方ですが。
これが思ってる以上によく走る!
今回はトータル563.5kmの距離を走って総給油量が18.07リットル。平均燃費はガソリン1リッターあたり約31.2kmとなりました。使用燃料はレギュラーガソリン。燃費のことは一切、考えずに運転した結果の数字です。
リッターあたり30kmを超えてくるなら十分じゃない?
ガソリンタンク容量が大きめの15L
しかもGSX250Rって燃料タンク容量が15Lもあるんです。250ccクラスとしては大きめの容量。
先の燃費と合わせて計算すると、数字上は1タンクで468kmも走れることになる。航続距離という面では十分以上でしょう。
ということで……
結論としてGSX250Rは「ツーリングバイク」としてもかなり良い仕事をします。
超ロングツーリングにおける防風性能では兄弟車のVストローム250に一歩譲りますが、街乗りでの気軽さやフルカウルのスタイルはGSX250Rが一枚上手。
それでいて超万能! かつ経済的! 【続編】ではそんな『1台で何でもできるマルチプレイヤー』な部分をクローズアップしてみようと思います!