オフロードコースの『DR-Z4S』ハードコア体験から一転
スズキ主催で行われた新型400ccモデル『DR-Z4S』と『DR-Z4SM』の試乗会。午前はオフロードコースで『DR-Z4S』に乗り、強烈すぎる体験をすることになりました。
あれはもう……なんというか『土の上のスーパースポーツ』みたいものだと思う。人生ではじめてメーカー主催の試乗会において「バイクを転倒させる」という大失態を演じたからこそ、そのすさまじさが深く身体に刻まれています。
そして、そんな体験があったせいで午後のサーキットにおける『DR-Z4SM』の試乗はすこし及び腰……午前に続き、午後までバイクを転がしたりしたら目も当てられません。
きっとモタードの『DR-Z4SM』もヤバいやつに違いない……
しかも午後はサーキットなので必然的に走行速度も上がります。午前の自業自得な転倒で若干ヒザを捻った感があり、車体が暴れたら押さえが効かなさそうなので気分的には警戒レベル200%です。
ていうか、そもそもモタードってどうやって乗ればいいんだ?(笑)
とりあえず乗車姿勢としてはアップライトなライディングポジションなので「一般的なスポーツネイキッド」として接するしかないのですが……
けれど実際に跨ってみると……なんだかちょっといい感じ?
足つき性もオフロードモデル『DR-Z4S』よりも微妙に良好に感じます。スペック上のシート高は2台とも890mmのはずなんだけど……不思議でした。
それに今さら言うまでもないことだけど250ccレベルの重量154kgはやっぱり軽い! それでいてオフロードバイクスタイルの車体&単気筒エンジンは極めてスリム。リラックスできる乗車姿勢なので、午前に『DR-Z4S』に対して感じたほどの緊張感がありません。
けっこう安心感があるな……
※えげつないデモ走行の一例
とはいえ走行前にはテストライダーさんによるデモンストレーションでえげつないスライドを見せつけられているため、プロが扱えば底なしのポテンシャルを発揮するのは間違いありません。
ただぁ……
素人に毛が生えた程度の私(北岡)にはもっと興味があることがありました。
それは……
こういうのホントにできるの? ということ! ミーハーですみません。
でもモタードって聞くと、こういったアクロバティックなアクションがまずイメージに浮かんでしまうのです。もちろん公道でこういったことをやるのは当然NGですが……今日はクローズドのコース! 千載一遇のチャンス!
先に言ったようにDR-Z4Sが『跨っただけで安心感を感じれるバイクだった』だということも手伝っていますが……ちょっと試してみたくなり……
……あっさりできた。
それはもう拍子抜けするくらいに。
難しいことは何もしてません。もちろん自己責任にはなりますが、ある程度バイクに乗ってきた経験のある人なら3分もあれば誰でもできると思う。
まずトラクションコントロールを「1」で介入させた状態でお試しから。クラッチなんて使わずともアクセル操作だけでピョコンッ!と少しフロントが上がります。それがぜんぜん怖くない。なのでトラクションコントロールを「OFF」にして同じ操作をするだけで……フワッ!
あああ……こんな私にもこんなに簡単にできるなんて!?
400ccモタード万歳!
このひと幕だけで私にとってDR-Z4SMは一気に『大好きバイク』になりました(笑)
とはいえサーキットですから油断はできません。午前中のこともあるし!
なので、きちんとトラクションコントロールの設定をきちんと「1」に戻したことを指さし確認してからコースイン。しまったSDMS(スズキドライブモードセレクター)のモードがフルパワーの「A」のままだ……最初は「B」で様子を見ようと思ってたのに。
ところが……!?
うわぁ…………
なんだこれ!?
オフロードコースで乗った『DR-Z4S』と全然違うっ!
これはひょっとして……めちゃくちゃ楽しいバイクかも!?