250ccクラスには明確に存在しない「スポーツツアラー」というジャンルのバイク。だけどスズキのGSX250Rだけは『実質スポーツツアラー』だったりするんです。

一般的な250ccフルカウルスポーツとはエンジンの設計方針がまったく違う

排気量250ccのバイクには不思議になるほどフルカウルスタイルの『スポーツツアラー』といったジャンルのバイクが存在しません。

いちばん理由はたぶん……パワー(馬力)かなぁ? と私(北岡)は個人的に推測しています。排気量250ccのバイクで、ツーリングに快適な「低~中速域重視のエンジン特性」を与えると、どうしても数字としての最高出力(馬力)が低くなるのが避けられないですから。

だけどそこに真っ向から突撃しているのがスズキの『GSX250R』です。

バイクに長く乗っている人なら覚えているかもしれませんが、2017年の国内発表当時のGSX250Rは、同クラスの高回転型エンジン250ccスポーツと比較され「パワーがない」と言われてました。なんだかもう懐かしい記憶……

だけど当時からスズキ好きの人だけは知っていたんです。

『そんなのエンジンの設計思想が違うから当たり前だろ』と。

ご存じのかたも多いとは思いますが、実はこのエンジンって『250ccクラスで唯一の低~中速域重視の2気筒エンジン』です。ちょっと専門的な言いかたをするなら“ロングストローク設計のエンジン”というもので、設計の段階から高回転・高出力をそもそも求めていません。

ただしその反面、街中などでの実用域では扱いやすさが際立つ。バイク初心者の人でも気楽に楽しめるように味付けされていました。

そこから時は流れて2026年。発売当時はバイク初心者の人を気遣った特性がクローズアップされていましたが……今ではこのバイク、結果的に唯一無二の存在となっているんです。

それが今回、注目する『隠れスポーツツアラーとしての高性能』について。

現行モデルのGSX250Rはしっとり大人っぽいグラフィックに変更され、ますますツアラー感が増していますが、それ以上に注目なのが先にも言ったエンジン特性。

実を言いますと『排気量250cc・2気筒エンジン・低~中速域重視』の3拍子が揃っているフルカウルのバイクって、このGSX250Rしかないんです。

しかもこのエンジン、2023年に大幅なアップデートを受けたことにより、エンジン回転数5000回転前後のトルクがさらに強化されています。

だけどこれが乗ってみるとアラ不思議……5000回転前後だけでなく、もっと上の回転数でも『余裕』が生まれているように感じます。

ちなみに小ネタとして、兄弟車の250ccアドベンチャーツアラー「Vストローム250」よりも高速域でのクルージングにゆとりを持たせるため、リアのドリブンスプロケットに46丁を採用しているのがGSX250R。47丁を採用するVストローム250よりも高速域で伸びやかに走ってくれます。

そのぶん低速域の力強さではVストローム250に一歩譲る……と言いたいところですが、GSX250RはVストローム250よりも重量として10kg軽いのでほとんど相殺。

体感として言うなら実質的に『低~中速域はVスト250と同等の力強さだけど、高回転はもっと余裕がある』という状態になっていたりします(笑)

そして、その余裕は高速道路クルージングで威力を発揮!

GSX250Rのレッドゾーンは10500回転からで、ギア6速/時速100km走行の際には7500~7750回転くらいのエンジン回転になるのですが、体感的には「もっと高回転まで回るよ?」とエンジンが言っているかのような余裕を感じるんです。

こういう時、なんだかんだ2気筒エンジンは単気筒よりもロングツーリングに強いよナァ……なんて思います。

(下に続きます)

とにもかくにも、この250ccクラス唯一無二のこのエンジンがGSX250Rを『実質スポーツツアラー』に押し上げている最大の理由。エンジン設計の方向が違うので、これだけは他が真似をしようと思っても絶対にできません。

しかもそこから「乗ってみないとわからないけど実は……」が掘れば掘るほど出てくる(笑)

見た目は絶対に快適そうに見えないアレとか、高速道路の快適さやら乗り心地の謎まで。エンジン特性だけじゃない『1日500km走れる理由』の見た目じゃわからない部分を【続編】にてお届け!

この後のお話、嘘みたいに聞こえる部分もあるかもだけど……ぜんぶ本当ですからね?

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