未発表の「Vストローム250SX」新グラフィックも初公開! 悪天候にも強いVスト乗りが証明した“冒険心”の熱量
2025年の今年も9月のカタナミーティング、10月のGSX-S/Rミーティングと毎月のようにスズキ主催のバイクミーティングが開催されてきましたが、今年度ラストとなるファンイベント「Vストロームミーティング2025」が11月9日に開催されました。
2014年からスタートしたVストロームミーティングは、コロナ渦のリモート開催を含むと今回で11回目となり、Vストロームファンが毎年のように増加しているのが体感でわかるほどの人気イベントになりました。
例年、スズキ本社で開催されてきたVストロームミーティングでしたが、今年からGSX-S/Rミーティングの開催地と同じスズキ浜松工場に変更。
Vストローム1050シリーズや800シリーズなどが実際にこの工場で製造されていることもあり、Vスト・ファンにとっては第二の故郷に帰ってくるような気持ちで参加できる貴重なイベントでもあります。
しかしながら、イベント当日はあいにく全国的な雨予報……。浜松エリアもご多聞にもれず朝方から本降りの雨となってきましたが……!?
スズキ最強のアドベンチャーシリーズを愛するVストローム乗りたちは、悪天候ぐらいで心が折れることはありません!
イベント開始時刻の9:00になると、雨雲を突き破るような熱気とともに、全国から続々とVストロームが集まってきました。
しかも、来場するVストロームシリーズの8割以上がトップケースやサイドケースなどの大型パニアを装着しているライダーがほとんどで、レインウェアや旅の荷物も雨に濡れずにたっぷり積載が可能です。まさにVストロームシリーズが持つ「どんな道でも突き進むアドベンチャースピリット」を体現しているかのようでした。
オリジナルグッズ販売は雨でも長蛇の列
限定オリジナルグッズを買い求めるライダーで長蛇の列ができるのは、スズキのミーティングイベントではもはやお馴染みの光景。雨でもその人気は変わることはありません。
S-MALLで事前販売もされていた「Vストローム2025 限定Tシャツ」や「マフラータオル」「アクリルキーホルダー」などの限定グッズを買い求めるファンで溢れかえりました。
最新のVストロームシリーズ展示には「Vストローム250SX」のニューカラーも!
Vストロームミーティングの数あるブースの中でもひときわ人気だったのは、スズキの最新モデル展示スペース。
先日、惜しまれつつも生産終了モデルのリストに入ってしまったVストローム650シリーズを除く、最新のVストロームシリーズが跨りOKでズラリと並びます。
その中にあったのは……
Vストローム250SX(2026年カラー)チャンピオンイエロー
国内ではまだ正式発表前の「Vストローム250SX」のニューカラー!
一見、現行モデルのチャンピオンイエローと見間違えそうですが、リアサイドパネルがブラックになり、シュラウド部分の新グラフィックデカールに加えて、燃料タンクそのものもイエローにカラーリング。
特に、やや後ろめから見たリアビューがより引き締まって見え、兄弟モデルの大型Vストロームシリーズのルックスに近いデザインにリニューアルされています。
国内での正式発表は今のところまだですが、Vストロームミーティングに先行展示されたってことは、まず間違いなく日本でも発売されることでしょう!
イベントならではの参加特典や実物を見て楽しめる出店ブースも!
イベント会場では、他にもチャリティ募金でリストバンドがもらえたり、バイクで走ったきたあとにはありがたい無料ドリンク引換券なども提供。
イベント会場には他にもデイトナやタナックス、サインハウスやMOTULなど、様々なブランドのブースが並び、ショッピングやブース見学を楽しみながら練り歩く人で賑わいました。
あなたが「Vストロームと一緒にかなえたいこと」って?
他にもイベント会場には「Vストロームと一緒にかなえたいこと」を自由に書き込める大型パネルが設置され、多くの参加者が足を止めて思い思いの夢を記していました。
日本一周やロングツーリング、家族とのキャンプ旅、愛車との記念撮影スポット巡りなど、ライダーそれぞれの“次の冒険”が並び、読んでいるだけで胸が熱くなる内容ばかり。
「叶えたいことは言葉にする」ってとても大事ですからね。
最高の旅マシンであるVストロームを相棒に、これからどんな景色に出会いたいのかなど、色とりどりに表現された、まさにコミュニティの温度を感じる展示となっていました。
来場者だけの特権⁉︎ スズキ浜松工場が見学できるスペシャルイベントも!
そして、今回のミーティングでも来場者から特に好評だったのが、普段は立ち入ることのできないスズキ浜松工場の“特別工場見学”です。
Vストローム1050シリーズや800シリーズをはじめとする、多くのスズキ車が生み出されてきた生産現場を、自分の目で見て歩ける機会はめったにありません。
写真や動画の撮影は一切禁止となっており、その場に足を運んだ人だけが体験できる非常に貴重なイベントとなっていました。
こうした体験はスズキとライダーをつなぐ“特別な時間”として、イベントの大きな魅力になっていますね。
機密情報だらけの工場内の写真はお見せできませんが、工場の外にはエンジンのカットモデルでシリンダー内の仕組みや動きが見られるディスプレイや、Vストロームシリーズのタンクやスイングアームの軽さを持ち上げて体験できるコーナーなども開催。
実際に開発しているスタッフの方の解説を聞きながら様々なパーツをチェックできたり、Vストロームが製造されていく工程の数々を映像でもチェックできるスペースもありました。
来場者からは「これほど詳しく見られるとは思わなかった」「スズキの技術力を改めて実感した」という声も多く、モノづくりに込められたこだわりを肌で感じることができました。
様々なステージイベントをみんなで楽しむ!EICMAで発表された「SV-7SX」の登場で新型Vツインのミドルアドベンチャーを匂わす発言も⁉︎
午前10時からのステージイベントは、スズキ株式会社 代表取締役・鈴木俊宏社長の開会宣言からスタート。
あいにくの雨にも関わらず、多くのライダーが浜松工場に集まった光景を前に、俊宏社長は「これだけの雨でスタートするのは初めてでは?」と笑顔で語りかけ、過酷な天候にもかかわらず多くの参加者が来場したことへの敬意と感謝を来場者に伝えます。
「皆さんのおかげで、Vストロームは単なるバイクではなく、旅の相棒、コミュニティの中心になっている」とその存在意義を讃え、これまで支えてくれたファンの輪に対する感謝の気持ちを伝えました。
そして、開催場所をより広くて象徴的なスズキ浜松工場に移した今回の会場が、「スズキの聖地」であり、モデルの原点でもあるとの思いを改めて共有。ファンとスズキの絆を確かめ合う場として、このミーティングの重要性を強調しました。
トークショー第1部はVストロームシリーズ開発者が揃って登壇
続いて始まったトークショー第1部では、スズキVストロームシリーズを支える設計・開発陣が登場。
Vストローム1050/DEのチーフエンジニア東郷隼也さん、Vストローム800/DEの加藤幸生さん、そしてVストローム250/SXを担当する鈴木一立さんが登壇し、自身もVストローム650をこよなく愛するモータージャーナリストのノア・セレンさんのMCでトークショーが始まります。
Vストロームシリーズを開発しているそれぞれのチーフエンジニアが、自ら手がけたモデルの設計思想や技術的な挑戦、ユーザーから寄せられた要望をいかに反映してきたかなど、非常に濃密な開発秘話を披露。
ノア・セレンさんからの鋭い問いかけに応じて、エンジニア陣がこれまでの苦労や喜びを交えつつ、モデルごとのキャラクター設計への思いを率直に話す場面も印象的でした。
トークショー第2部はアフリカ横断8000kmの旅から帰ってきたばかりの賀曽利隆さんらが登壇
トークショー第2部では、長年にわたり日本はもとより世界中を走り続けてきた冒険ライダー「賀曽利隆」さんと、ライダーのバイブルであるツーリングマップル(昭文社)の編集長である「舛木信太朗(ますき しんたろう)」さんのお二人が登壇。
今年で79歳になる賀曽利さんは、アフリカ大陸をVストローム250SXで約8000km走破する壮大な海外ツーリングから帰国したばかり。しかもVストロームミーティングの前日に成田空港に到着し、ほぼそのまま浜松会場まで駆けつけてくれました!
アフリカ横断ツーリングでの過酷な路面状況や気候変化、時に予測不能なトラブルもあったそうですが、そんな中でも「Vストローム250SXは、本当に頼もしい相棒だった」と語り、その言葉に会場からは大きな拍手が送られました。
特に、長距離走行での安定性や悪路での扱いやすさが心強かったようで、「どんな道でも“行ける”と思わせてくれるのがVストローム250SXの魅力です!」と、独自の視点で車両の本質を語ったのが印象的でした。
モニター写真を使って道中で出会った人々との交流や、アフリカの雄大な景色を前にしたときの感動にも触れ、「このバイク1台で世界はどこまでも広がっていく」と語り、会場の多くのライダーに極限の旅を難なくこなしたVストロームの可能性をアピール。
最後には「次の冒険も、もちろんVストロームで行きますよ!」と締めくくられ、会場は温かく満ちた空気に包まれました。
会場にいる「二」のつく人に豪華景品がもらえる抽選会って⁉︎
トークショーの他にも、Vストロームミーティングならではの限定コンテンツも開催。
Vストロームの「V」の字にちなんで、苗字や名前に“二”のつく方が問答無用で当選!というラッキーな抽選会で、VストロームがデザインされたロングTシャツがもらえるというもの。
会場には意外にも苗字に“二”のつく方はいらっしゃいませんでしたが、修二さんや健二さんなど、名前に二のつく方は結構たくさん来場されていて、自分の名前に改めて感謝していました。
豪華景品が貰える「じゃんけん大会」も!
イベント終盤にはスズキのミーティングではお馴染みのじゃんけん大会も開催されました。
現場に集ったスズキファンが一斉にじゃんけんをする光景はいつ見ても圧巻ですね。
スズキイベントのじゃんけん大会は“最初はS”が恒例の掛け声ですが、Vストロームミーティングということもあり、みんな揃って“最初はV”で一体感を高めます。
このミーティングに協賛・出店しているメーカーが用意してくれた豪華景品が貰えるとあって、一番の盛り上がりになっていました。
じゃんけん大会で盛り上がった後は、楽しかったイベントもいよいよ御開きの時間です。
イベントの締めくくりには、スズキ株式会社 二輪事業本部長の伊勢敬さんが登壇。全国から集まったVストロームオーナーへ感謝を述べ、「皆さまの熱い想いが、Vストロームというシリーズをさらに前へ進めてくれます」と語りかけました。
さらに「今後も皆さんにもっとワクワクしていただける、新しい“旅の相棒”をお届けできるよう準備を進めています」とちょっと意味深な言葉を残し、会場がざわつく一幕も。
それもそのはず、先日のEICMA2025で発表された新型Vツインエンジンのミドルツアラー「SV-7GX」が登場しただけに、同エンジンを搭載した新型Vストローム650シリーズの登場を連想したファンも多かったのかもしれません。
いずれにしても、新しいVストロームシリーズの登場に期待したいですね。
もちろん参加者みんなで集合写真の撮影もあり、全国から912人の来場者と688台のVストロームファン・スズキファンが集結。
あいにくの雨予報での開催とはなりましたが、Vストロームファンの熱気で雨足も弱まり、イベント終了際には小雨程度になっていました。
今回のVストロームミーティング2025は、オーナー同士の交流はもちろん、開発陣や冒険者たちの言葉を通じて“Vストロームがつなぐ旅”の魅力を再確認できる一日となりました。
イベント終了後には、スズキのスタッフの方々が来場者一人ひとりに手を振ってVストロームオーナーを見送る恒例の光景も。この温かいお見送りが、Vストロームミーティングの締めくくりとして、参加者の心に深く刻まれたことは間違いありません。
悪天候にもかかわらず、約1,000人近いファンが集結し、開発者、ライダー、そしてファン同士が熱いVストローム愛で結ばれた「Vストロームミーティング2025」。
開発者による熱い言葉、レジェンドの壮大な旅、そして愛車が生まれる場所の見学など、ファンにとって忘れられない一日となったことでしょう。この熱気を胸に、また来年、皆様とお会いできることを楽しみにしております!