2023年10月28日(土)~11月5日(日)で開催されるJAPAN MOBILITY SHOW 2023。スズキブースでも既に四輪製品を中心に出展するモデルが発表されていますが、中にはバイク乗りも気になるモビリティーもちらほら……。今回は注目のリバイバルモビリティ『e-choinori(イーチョイノリ)』をチェック!

『チョイノリ』が電動で復活?

スズキ『e-choinori』

2023年10月28日から開催となっている「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」。

スズキブースからもいくつかのコンセプトモデルが出展されますが、中でも話題に上がっているのは、やはり『e-choinori(以下e-チョイノリ)』ですよね!

『e-チョイノリ』の話をするにはまず『チョイノリ』から!

スズキ『チョイノリ』(2003)

『チョイノリ』は2003年にスズキから発売された原付一種モデルで、見た目も特徴的ですが何と言っても特筆すべきはその価格。

2000年代初頭、アジア系の海外製スクーターの日本進出によりスクーターの価格が軒並み下がる中、国内生産にこだわりつつ、部品点数を大幅に少なくすることでコストカットを図り、驚異の本体価格5万9800円で登場しました。

「2003年日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞」をはじめ、数多くの賞を受賞し、愛らしい見た目や数々の伝説(小ネタ?)で、今も多くの人に愛されているスクーターです。

そんな『チョイノリ』をベースとしたコンセプトモデルが今回「JAPAN MOBILITYSHOW 2023」で展示されている『e-チョイノリ』です!

見た目はもうほとんど当時の『チョイノリ』ですね!

パネルデザインは細かくディテールをリメイクしていますが、『チョイノリ』の愛らしいスタイリングほぼそのままとなっています。

「e」と付く名前の通り、新たに生まれ変わったチョイノリは電動ユニットを使用した近距離モビリティ。

バッテリー、駆動ユニットにパナソニックサイクルテック製電動アシスト自転車の部品を採用した原付一種相当のEVスクーターとなります。

e-choinori

www.youtube.com

ポイントは“原付一種相当”という点。

最近では電動キックボードのような特定小型原動機付自転車の注目度が上昇してきていますが、『e-チョイノリ』は原付一種相当なので、ルール上は30km制限で通常の原付バイクと同じように走行できます。

さらに、ここで注目したいのは、既存の電動アシスト自転車の駆動ユニットやバッテリーを使用しているという点です。

チョイノリの車体構成は電動のメリットを最大限に活かせる

まず、こういった電動モビリティはつい目新しい技術を採用したくなるものですが、スズキはあえて信頼性のある既存の技術を採用。それによるコストカットも見込めるはずなので販売価格が抑えられる可能性があります。

また、旧チョイノリはリアサスペンションを持たなかったのですが、電動となることで内燃機エンジン特有の『振動』が無くなるため快適性も向上します。

そして軽量にできる、というのも有利なポイントのひとつです。

元々のチョイノリも通勤・通学や買い物など近距離の移動用に機能を絞った軽量かつシンプルなものでしたが、“超近距離モビリティ”をコンセプトに掲げる『e-チョイノリ』なら電動アシスト自転車の駆動ユニット・バッテリーで十分に対応できるのかもしれません。

正式な発表ではありませんが、ショー会場で聞いた話によると『近所の買い物やちょっとした街乗りには充分使えるくらいの距離は走る』とのこと。

ざっくりの目安としては航続距離にして20kmくらい。その名が示す『ちょい乗り』用途には十分なレベルです。

ちなみに、かつての『チョイノリ』は部品点数を減らすため、シート下収納がありませんでしたが、この新しいチョイノリにはシート下収納が用意されているみたい。

これは予測の範囲ですが、上の写真のように「ハーフタイプのヘルメットが入る容量」だとしたら、予備のバッテリーを入れたりもできたりするんじゃないだろうか? 公式の動画を見てると入りそうな気がするんだよなぁ……。

ちなみに、どうして収納スペースが用意できたか? の理由ですが『ガソリンタンクのスペースが必要ないから』とのこと……確かに!?

(下に続きます)

旧チョイノリの超シンプルな車体構成は、内燃機エンジンを搭載していたため、リアリジッドフレームによる振動や収納スペースを設けられないなど、それなりに難点もありました。

でもそれが電動になったことで色々と解決されちゃった訳です。むしろ電動こそがチョイノリにはフィットしているとすら思えてきます。

次世代の近距離移動モビリティとして提案された『e-チョイノリ』。

これは本気で市販化に期待したいですね!

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