前戦フランスGPは悪夢だと思った。だけどまだそれは終わりじゃありませんでした。バイクのレースを観ていて、今ほど胸が締め付けられることは過去に一度もありません。

まさかの……2戦連続ダブルリタイヤ

正直、筆が重いです。

この連載企画『100%スズキ贔屓のバイクレース』は、バイクレースに興味がない人が呼んでも面白がれる“極めて偏った目線”でのエンタメ記事として202年の8月にスタート。2020年の4月にオープンした当サイト『スズキのバイク!』の中においては、ぶっちゃけた話、それほど人気のある連載ではありませんでした。

しかし、100周年となる2020シーズンに、スズキはなんと年間チャンピオンを獲得。その記念すべき年に、世界最高峰のバイクレースにおいて頂点を極めるという快挙を成し遂げ、それに合わせてこの連載の認知度も徐々に上がっていきました。

私(北岡)としては、チーム・スズキ・エクスターが各レースでどんな結果になろうとも、全力で戦う彼らを最大限に讃える! 他が何と言おうと限界まで褒めちぎる! くらいのつもりで、この連載を書いています。

しかし、これでは、あまりにも……

チームが悪いとか、バイクが遅いとか、そういうのじゃありません。

まだ本決まりではないとはいえ、スズキが2022シーズンをもってMotoGPから撤退する意向を表明する前、ほんの2戦前までは、スズキはいつだって注目の的でしたし、台風の目でした。

これがMotoGPという世界のシビアさなのか……ほんのすこしバランスが崩れただけで、大きな影響が出る。それを痛感しています。

第8戦、イタリアGP。

前戦フランスGPにおけるダブルリタイヤの悪夢を振り払うはずだったこのレースは、予選から悪天候に翻弄されます。

安定感が特徴のチーム・スズキ・エクスターとしては逆に珍しい、両ライダーともに後方からのスタート。ゼッケン36 ジョアン・ミルが17番手、ゼッケン42 アレックス・リンスに至っては21番手スタートという苦しい状況……

しかし、リンスは得意のロケットスタートを決めて一気に15番手までジャンプアップ。その後もじりじりとポジションを上げ、5LAPめには13番手までポジションを回復します。

一方、ジョアン・ミルは彼には珍しいほどにペースが上がらない。レース後にミル自身が『自分のMotoGPクラスでのレースキャリアの中で、最悪なレースのひとつだったと言っても過言ではない』とコメントしたほどに苦しんでいたみたいです。

衝撃の8LAP

しかし、ミルは2020シーズンの王者。いつまでも手をこまねいている訳ではありません。

ここからが勝負! とばかりにペースを上げようとした、その直後に転倒。無念のリタイヤとなりました。

そして、同8LAP。

信じられないことに、リンスまでもが他車との接触によってリタイヤとなったんです。

MotoGP第8戦は、スズキファンにとって『8周で終わり』のレースでした。

今だからこそ『信じよう』と思う

第6戦まで、所属ライダーの獲得ポイントの合計で競われる『チームチャンピオンシップ』においてトップだったスズキは、第7戦と今回の第8戦を2戦連続ノーポイントで終えることになりました。

まだ決定という情報は出ていませんが、スズキのMotoGP撤退の表明は、やはりチームに少なからずの影響を与えているんだと思います。まぁ、当然ですよね……

だけど、ここにきて私(北岡)は逆にチーム・スズキ・エクスターを応援する気持ちが強くなっています。だって、まだ今シーズンのレースは12戦も残っているんですから。

だからこそ『信じたい』と強く思います。今こそ、です。

(下に続きます)

きっと、次のレースでスズキはまた大暴れしてくれるはず。そうなるに決まってます。

だって次戦カタルニアGPはゼッケン36 ジョアン・ミルが17番手、ゼッケン42 アレックス・リンスの両名にとって『ホームコース』みたいなサーキットですから!

スペインGPの決勝レースは間近の6月5日(日)にスタート。

今は、ただ信じましょう。

チーム・スズキ・エクスターというチームの底力を!

前回の『100%スズキ贔屓のバイクレース』はこちらです

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