【なんのため？】“バイオ燃料”や“サステナブルパーツ”の『GSX-R1000R』で鈴鹿8耐に参戦って？ スズキが見据えている「未来のひとつの可能性」について 【スズキのバイク！ の耳よりニュース／チームスズキCNチャレンジ】

スズキはEVだけじゃない未来の可能性を見据えている？

先日、大盛況のうちに幕を閉じた今年のモーターサイクルショー2024でしたが、3月22日の東京会場初日に行われたプレスカンファレンスでは、1台のレーサーマシンが突如アンヴェールされました。

しかも！

そのレース車両と共に、スズキの社員で構成されたチームが、今年の鈴鹿8時間耐久ロードレースの「エクスペリメンタルクラス」へ参戦するということも同時に発表されたんです。

スズキファンにとっては「待ってました！」という発表でもありますが、そのレース車両は、これまでの『GSX-R1000R』とは違う“新しい可能性”への挑戦となるマシンだったのです。

その名も

「GSX-R1000R Team SUZUKI CN Challenge」

スズキCNチャレンジの"CN"とはカーボン・ニュートラルの略です。

ユーロ5排出ガス規制の導入により惜しまれつつも生産終了となったGSX-R1000Rをベースに、バイオ燃料や再生可能素材＆パーツを組み合わせた、まさにサステナブル・レーサーとも言えるマシンでした。

スズキCNチャレンジ号に使用されているサステナブル・アイテム

まず、使用する燃料は純粋なガソリンではなく、エルフMotoの40％バイオ由来燃料（FIM公認）で、気になる心臓部は従来の内燃機エンジンをバイオ燃料用にリファイン。

その他のパーツもプロジェクトに賛同するパートナー企業のオイルやタイヤ、艤装、ブレーキなどにサステナブルパーツを採用しています。

チーム名は「チームスズキCNチャレンジ」とし、ゼッケンはカーボンニュートラルを目指す姿勢を象徴するナンバーとして「0」が選ばれました。

“カーボンニュートラル”や“SDGs”とは、いま世界中で呼びかけられている「持続可能なエネルギー」や「サステナブルの実現」を指す言葉であることは皆様もご存知のことかと思います。

しかし、現在その有力候補として多くの企業が取り組んでいるのが電気エネルギーを動力としたマシンの「EV（Electric Vehicle）」化でしょう。

また、二輪の電動バイクレース「MOTO-E」では、既にEVレーサーでのレースも開催されていますから「カーボンニュートラル=EV」という考えがメインの流れに思えるかもしれません。

もちろん、スズキも例外ではなく「バーグマン・フューエルセル」や「eバーグマン」などのEV実用化に向けたマシンを既に発表＆運用しています。

となれば、既に進めらているこれらの技術を取り入れた電動レースマシンを開発した方が自然なようにも思えますが……

しかし、今回スズキが鈴鹿8耐でのレース復帰に選んだマシンは、EVレーサーではなく、内燃機エンジンの可能性に挑む、バイオ燃料や再生資源パーツで構成されたサステナブルマシンでのチャレンジ。

しかも、真夏の暑さの中で8時間という長丁場を走らなければならない超過酷な“耐久レース”への参戦です。

これは憶測でしかありませんが、スズキはバイオ燃料やサステナブル資源などを使用した「内燃機エンジン」によるカーボンニュートラル化を『具体的な未来のひとつの可能性』として考えているのかもしれません。

それはEV化だけじゃない、もっと現実的な未来の可能性とも言えます。

だって考えてみてください？ 世界中のクルマ・バイクがすべてEVになる未来よりも、現在のエンジンをベースに燃料だけが置きかわる未来のほうが想像しやすくないですか？ 全国のガソリンスタンドで「バイオ燃料」が入れられるようになる（あるいはそれを入れなければならない未来）とか、そういうことです。

（下に続きます）

スズキは理想の灯を掲げつつも、決して現実をおろそかにしない企業ですから、そのための実験場として「耐久レース」という場を選んだのではないか？ と思えてなりません。

今後も「チームスズキCNチャレンジ」の続報が入り次第、当サイト「スズキのバイク！」でもお知らせしていこうと思います。

そもそもこのGSX-R1000Rはマトモに走るのか？ どうなることやら……今年の鈴鹿8時間耐久ロードレースは「チームスズキCNチャレンジ」の動向にも注目です！

スズキ公式ホームページはこちら！

スズキファンのためのWEBサイト！