世界耐久レースの常勝チーム「ヨシムラ SERT Motul」が奮闘中！
バイクロードレースの最高峰「MotoGP」や「WSB（ワールドスーパーバイク選手権）」などの、比較的 短時間でどのチームが一番速いのかを競うスプリントレース。
それらとは異なり、8時間や24時間など長時間をかけて、市販車ベースのレーシングマシンで順位が競われるのが、世界耐久ロードレース選手権「EWC（エンデュランス・ワールド・チャンピオンシップ）」です。
鈴鹿8耐に代表される耐久レースは、マシン性能や耐久性はもちろん、ライダーの持久力やスタッフの結束力など、チームの総合的なスキルが求められる過酷なバイクレース。
その世界耐久レースの最高峰にスズキのGSX-R1000Rで参戦し続け、昨年は総合優勝まで果たしている「ヨシムラ SERT Motul」が今年もEWCで奮戦しています！
年間で全4戦にわたって行われるEWC 2025は、4/19に第1戦フランス/ルマン24時間、6/7に第2戦ベルギー/スパ8時間、8/3に第3戦 日本/鈴鹿8時間耐久ロードレース、9/20に第4戦フランス/ボルドール24時間が世界各地で予定されています。
今回は4/19にフランス/ルマンで行われた、EWC 2025ルマン24時間のレポートをお届けします。
相次ぐ転倒で順位を落とすも最後は6位まで追い上げる健闘ぶり！
今年で第48回を迎えたEWC2025 開幕戦 ル･マン24時間耐久レースは、決勝本番以外でもレースウィークにかけてあいにくの雨天が続き、路面が濡れているところと乾いているところが点在するテクニカルなコンディションのレースとなりました。
ヨシムラ SERT Motulは予選の順位やタイムをもとに、スターティンググリットは2番グリッドからの好スタート。
第1ライダーのグレッグ・ブラック選手は、スタートから鮮やかなホールショットを決めると、オープニングラップからの第5ラップまでポールポジションを維持し、ベテランライダーらしい素晴らしい走りを見せます。
しかし、不安定な路面で転倒に見舞われすぐさまピットイン。
再スタート時には大幅に順位を落とし、51番手からの追い上げとなる波乱の展開に。
開幕戦のル･マンは24時間も走り続ける超長丁場の耐久レースだけに、序盤での大幅なタイムロスは痛手ですがまだまだ巻き返しは充分に可能。
その後は転倒を喫したグレッグ・ブラック選手が怒涛の追い上げを見せ12番手まで挽回すると、第2ライダーのエティエンヌ・マッソン選手にライダー交代します。
マッソン選手はウェットコンディションにもかかわらず、その時点の最速タイムをマークすると、さらに順位を6番手まで上げていきました。
こうしてレース序盤はブラック選手とマッソン選手の2人で交代する作戦が功を奏し、3時間経過時点ではトップグループの視野も入ってきます。
しかしながら強弱に降り続く不安定な雨の中でマッソン選手が転倒……
およそ10分間のピットでの修理作業の後、第3ライダーの渥美 心選手に交代した時点で22番手まで後退。追い上げ体制に入った渥美選手でしたが、4時間半経過時点にウエットコンディションにより再び転倒・ピットインを強いられてしまいます。
マシンダメージの修理に数分間を要し、チームには再び厳しい追い上げが強いられるというレース展開に。
その後は、夜間走行序盤にブラック選手の走行で15番手まで挽回するも、各チーム共に度重なる転倒で順位が入れ替わる波乱の展開が続きます。
しかし、ヨシムラ SERT Motulの3人のライダーは長い夜の時間帯も諦めることなくチャンピオンシップポイントの獲得を目指して着実に周回を重ねます。
24時間が経ち最終ラップを迎える頃には、ヨシムラ SERT Motulは6位で順位を上げる大健闘。今回のレースで28ポイントを獲得し、ランキング6位でシーズンをスタートしました。
数々の転倒とピット修理を強いられても、最後まで諦めることなく6位まで追い上げるというヨシムラ SERT Motulチームの実力と結束の結晶は本当にスゴイですし、スズキGSX-R1000Rの高い性能も確実に証明されましたね。
次回のFIM世界耐久選手権 第2戦 スパ8時間耐久レースは、6月7日にベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催されます。
（下に続きます）
さらに、8月3日は日本の鈴鹿サーキットで行われる「 2024 FIM世界耐久選手権“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久レース（第45回大会）」や、EWC 2024の最終戦となる第4戦「ボルドール24時間耐久」が9月20日に再びフランスで行われる予定です。
今後もヨシムラ SERT Motulの活躍は最新情報が入り次第、「スズキのバイク！」サイトでも随時お伝えして行きます！ がんばれスズキGSX-R1000R＆ヨシムラ！