センパイ! 俺“北海道”に行きたいっす!
9月も終わりを迎えたころ、今年入社してきた会社の後輩が8月末に北海道に行ったという(自慢)話をふと思い出した。
……いいなぁ、俺も北海道行きたいなぁ。
広大な大地にどこまでも続く一本道と広い空。想像するだけでどんどん衝動が抑えきれなくなってきた!
しかし、北海道ツーリングには膨大なお金と時間がかかるから今の自分の状況じゃ行けるはずもなく……。
あ、でも。。もしかしたらスズキのバイク! で企画にしちゃえば行けるかも⁉
というわけで早速企画書を作成し北岡センパイのもとへ。
石神「センパイ、俺、北海道に行きたいっす! 企画書も作ってきました!」
北岡「どれどれ……ってお前、これお前が北海道行きたいだけじゃねぇか! そもそも企画書として成り立ってねぇぞ⁉ ダメだダメだ!!!」
知ってた。
でも諦めきれないので食い下がってみる!
石神「でも俺、北海道の大地をこの目で見てきたいんすよ!!」
北岡「なんだと? ………………よし、わかった。行ってこい!」
長い沈黙のあと、まさかの先輩からOKが⁉
北岡「ただし、“見てくる”だけな!」
!!??
石神「はい?」
北岡「ウチはお金がないから上陸は無理ね。その代わり、高速道路は使っていいから青森まで行って北の大地をしかとその目に焼き付けてこい!」
石神「そんなご無体な……」
さらに食い下がろうとする私に北岡センパイは続けます。
北岡「そもそも、お前普段どんなツーリングしてる?」
石神「休憩地点を決めます!」
北岡「うん」
石神「そこまでの間をグ〇グルマップで、なるべくクネクネした峠道で繋ぎます!」
北岡「それで?」
石神「峠道を繰り返します!!」
北岡「バカヤロー!!!」
石神「⁉」
北岡「そんな走り方しか知らないお前を北海道に行かせたとして、まともな企画ができるとは思えん!」
確かに、これはぐうの音も出ない……!
北岡「まずは長距離を走るロングツーリングの楽しさやノウハウを学んでから出直してこい!」
石神「……わかりました!」
北海道に一抹の未練を残したまま了承したところで、
北岡「あ、でも〇日に会議やるから、それまでに行って帰ってきてね!」
ちょ、〇日って今からスケジュール立てると1泊2日になるんだが⁉
こうして……1泊2日の弾丸青森ツーリングが決行される流れとなったのでした。
今までにない超長距離ツーリング! 相棒に選ぶのは……?
で、本来の希望とは異なる形でツーリングに行くことになったけど、調べれば竜飛崎(本州最北端の大間崎は時間的に無理そう)まででも、マップで片道792kmと自分史上未だかつてない距離を示しています。
これ本当に2日で行って帰って来られるのだろうか……。
えぇい、でもやるしかない!
とりあえず、面白そうなところをピックアップしておこう、というところで北岡センパイからボソッとアドバイスが。
「……青森には69個ヘアピンが続くワインディングがあるよ」
なんだって、それは行くしかない!
調べるとどうやら「津軽岩木スカイライン」なる最高に心躍らせる道があるらしい。
調べてみると早速ヒット。
こんなの行くしかなくない!!??
先ほどの渋い感情から打って変わって、一気にやる気がみなぎってきた!
そしたら次はマシンのチョイス!
長距離走行に適していて、なおかつスポーツライディングも楽しめるバイクじゃなきゃダメだ。
そこで真っ先に浮かんだのはコレだ!
『GSX-S1000GT』!!!
グランドツアラーって付くくらいだから長距離走行はお手の物のハズ!
ベースモデル『GSX-S1000』でのスポーツライディングは、個人的にスズキのバイクの中でトップクラスに楽しかったのでそこも期待したいところ!
その他、気になるギミックも多数搭載しているので、『GSX-S1000GT』ならこの強行軍もきっとこなしてくれるでしょう!
(下に続きます)
車両も決まった出発前日、先輩からのもうひとつのアドバイスとして「超ロングツーリングは前日からの体調管理が大事! とにかく赤身の牛肉を大量に食って、たくさん寝ておくように。これ編集者の徹夜対策なんだけどツーリング前にも効くから」と謎の指示が出たので、言われるがままに450gのステーキでお腹を満たして昼から爆睡!
これで準備は万端だ!
次回、青森に向け『GSX-S1000GT』で出発です!
To be continued……
【文/石神邦比古(モーターマガジン社)】