SUZUKI シュート(1984年)
「直線的なデザインはいま見ても斬新!大型ボディを採用した上級クラスの50ccスクーター」
SUZUKI シュート(1984年)
1970年代の“ファミリーバイクブーム”を迎えるとスズキの小排気量スクーターが幅広い世代に受け入れられていき、街乗りや生活の足として気軽に乗れる50ccモデルが大人気になっていきました。
1980年代に入ると、クラッチ操作を不要としたATスクーター「ジェンマ(1981年)」や、あのマイケル・ジャクソンを起用した豪華すぎるプロモーションで人気を博した「LOVE(1982年)」など、スズキの原付一種/50ccスクーターにはユニークで幅広いラインアップが登場し始めます。
手頃な価格帯で購入できる小排気量のスクーターが市民権を得てくると、よりスポーティーなライフスタイルを好む若者層も増え始め、いわゆる小排気量スポーツバイクの需要が高まってきました。
そんな“走りを楽しむ”スポーツ思考の若者ライダーに向けて、よりスポーティな50ccスクーターとして登場させたのが今回紹介する「シュート」です。
これまでの原付一種スクーターといえば、全体的に丸みを帯びたモダンなルックスや、クラシカルテイストなヨーロピアンスタイルの車種が多かった中、シュートは全く逆の路線とも言える直線美を活かしたシャープでスポーティなデザインで登場。
近未来的な角ばったデザインと鮮やかなレッドカラーが印象的ですが、マシン性能も先進的なものが搭載されていました。
“育ちの良さがが足にでる”というキャッチコピーの元、足まわりにはスズキ・スクーター初のフロント油圧式ディスクブレーキとテレスコピックタイプのフロントフォークを採用。
エンジンの吸入方式に中・低速の粘りと高速の伸びを両立させたスズキ独自のリードバルブ方式を採用することで、50ccの空冷2サイクルエンジンにも関わらず、最高出力は6ps/6500rpm、最大トルクは0.69kgm/6000rpmを誇っていました。
また、急加速や上り坂などで大きなトルクが必要な時に、自動的に減速比が大きくなる、当時新開発のキックダウン機構付のVベルト無段変速方式が備わっていたところも、スポーツ思考を好む若者層の男性ファンに広く受け入れられていました。
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現行車に例えるならどんな車種?
さて、ここからはあくまでもスズキのバイク編集部 岩瀬の個人的な主観で「現在のバイク」に置き換えてみる妄想企画です。
もし今のスズキ現行車種で選ぶとしたら、現在のスポーツ・スクーターと言える「アヴェニス125」シリーズと比較してみたいと思います!
アヴェニス125(マットフィブロイングレーメタリック/ラッシュグリーンメタリック)28万4,900円(10%消費税込)
2022年10月に販売を開始したスズキの125ccスクーター『アヴェニス125』は、兄弟モデルの『アドレス125』や『バーグマンストリート125EX』と共に開発された125cc/原付二種スクーター。
エッジの効いたシャープなボディと、スズキのスポーツモデルらしい縦2灯のヘッドライトが印象的ですが、他の兄弟モデルと比べて加速性にこだわった専用セッティングが施されていて、ダイレクト感のあるスロットルレスポンスが楽しめるスポーティな味付けになっています。
他にもコーナリング性能を重視したフレームの形状一部見直しや、ブレーキフルードマスターシリンダーの配置変更によるブレーキングのダイレクト感向上など、スポーツスクーターとして走りが楽しめるようになっています。
アヴェニス125(グラススパークルブラック/マットブラックメタリックNo.2)28万4,900円(10%消費税込)
アヴェニス125(パールミラージュホワイト/マットフィブロイングレーメタリック)28万4,900円(10%消費税込)
現行モデルのカラーリングは、蛍光イエローが印象的な「マットフィブロイングレーメタリック/ラッシュグリーンメタリック」と、全身ブラックがシックでカッコイイ「グラススパークルブラック/マットブラックメタリックNo.2」、鮮やかなホワイトカラーが目を引く「パールミラージュホワイト/マットフィブロイングレーメタリック」の3色展開。
奇抜なカラーやデザインでもどこか品のあるルックスで、性能面にも抜かりがないパッケージは現在のスズキのスクーター125ccシリーズにも活かされているんです。
排気量は違えど「シュート」を、もし“スズキの現行モデル”に置き換えたとしら、軽量&スポーティな『アヴェニス125』がピッタリではないでしょうか?