バイク旅の本当の価値
《前編からの続きです》
八幡平アスピーテラインを駆け抜け、国道341号線を南下します。
この国道がまさかの穴場状態。
絶好のツーリングルート発見!でした。
この時は秋で紅葉が始まっていた頃合い。10月上旬~中旬の八幡平エリアはきっと紅葉天国でしょうね。
そして春は新緑が眩しいんだろうな……とイメージできるほど緑が豊か。
そういう、うららかな光の中、爽快にワンディングを楽しみます。
ひとつ言い忘れていました。
Vストローム1000XTはコーナーで視線を曲がりたい方向に向けると、半瞬遅れて車体が動き出す性格です。
この「間」がゆとりを生んで、いつでも思い通りの走りができる。
リッタークラスにも関わらず、決してライダーの感覚を追い越さないから、怖いと思う瞬間がないんです。
綺麗な清流を眺めつつ、東北の空気を楽しむ。
ゆったりマイペースで走ることにかけて、このバイクは最高の相棒です。
大排気量バイクには珍しいほど、バイクに急かされない。
ライダーを支える黒子として完璧な仕事をこなします。
途中にあるエメラルドグリーンの宝仙湖に掛かる男神橋も隠れ絶景ポイントですよ?
東北は奥が深い。予想もしていなかった景色に次々と出会えます。
そうして思うのはここまで走ってきて良かったということ。
それはイコールで、Vストローム1000XTの価値そのものだと痛感しました。
V-Strom1000 XTのオフロード性能があなどれない
そして道すがら、脇に伸びる林道めいた道を発見。
こういうのは東北エリアには無数にあります(笑)
なんとなく行ってみたくて、飛び込んでみたんですけど……まぁ控え目に言って、正真正銘のオフロードでした(笑)
だけど、ここで発見!
ロードバイク設計のはずのVストローム1000XTが意外なまでの強さを発揮したことです。
アドベンチャーバイクとしての底力を秘めるV-strom 1000XT
実際のところ「本当にロードバイク設計か?」と思うほど、ダート走行でも安心感があります。
オフロードで重要なことですが、Vツインエンジンならではのスリムな車体によって車体のホールドもしやすいし、トラクションコントロールの介入が自然すぎて、普通に走れてしまうのです。
このバイクを選んで良かった! まさにそう思える瞬間でした。
Vストローム1000XTがくれるもの
一度それと知った後は、ダートでの安心感に支えられて、最早どこでも入り込んでいける気分になります。
たまにトラクションコントロール作動ランプが点滅するのですが、本当に介入が自然すぎてサポートに気がつけないレベル(笑)
そして帰り道には田沢湖へも寄ってみました。
ここ田沢湖は最大深度423.4mで日本一の水深を誇ります。
ここスゴいです。水の透明度が凄まじい。
かつては日本一の透明度を誇る北海道/摩周湖に肉薄するクリアな水質を誇ったそうです。
水の断崖絶壁とでも言いましょうか……底知れない深さに、覗き込むと軽く恐怖感を感じます。
東北へ到着した正午から、数え切れないほどいろんな出会いがありました。
最初は八幡平アスピーテラインの爽快ワインディングからはじまり、岩手山の絶景が迎えてくれました。
その後の大発見ルートだった国道341号線の後に、ふらっと寄った田沢湖も神秘的です。
この短い旅の中だけでも、ものすごくたくさん「すごい!」っていう感動がありました。
そして、そのすべては、ここまで走ってこなければ得られなかったもの。
だから、それらは全部Vストローム1000XTがくれたものということになると思うんです。
ここで、ひとつだけ断っておきたいことがあります。
リッタークラスのアドベンチャーバイクなら、みんな同じことができるだろう?と思うかもしれません。
確かにできると思います。ただし、Vストローム1000XTほど快適ではありません。
少なくとも国産バイクの同ジャンルで言えば、長距離でも疲れないこと、そして扱いやすさは頭ひとつ抜けています。
限られた時間の中で
最近は国産でもアドベンチャーバイクの相場が200万円レベルになったりもします。
でもVストローム1000シリーズは143万円から。
十分に高価なバイクですけれど、現実的にがんばって買おう!っていう気持ちになれる。しかも、性能面はパーフェクトだと思います。
大人になると『自分の時間』って限定されるものですよね。
週末だって大型連休だって、全部自分のものにはできません。
でもその限られた自由をガンガン走って最大限に楽しむためには、このバイクは最高です。
昼過ぎに東北を後にしても、帰路が500kmもあれば夜になっちゃいます。
でも安全に、余裕を持ったまま帰れる。
出発から帰宅までライダーを包むのがVストローム1000XTというバイクです。
もしバイクでの世界一周が夢ならば、Vストローム1000XTを選ぶことはないかもしれません。
でもボクたち普通のライダーとして、限られた自分の時間をフルに使い切りたいなら、最高の相棒になってくれると思います。
そして「じゃ、次は北海道かな」なんて思わせてくれるんですよ(笑)
Vストローム1000XTはいつだって自分の最大限を発揮させてくれるから、どんどん夢が広がっていきます。
それはライダーとして、とっても幸せなことですよね!