『バーグマン400』はツーリングバイクの一種の最適解?
市街地、高速、峠と走ってみて、『バーグマン400』はツアラーとしての色が濃いモデルだと感じました。
堂々とした車格と399ccという排気量でゆとりある市街地走行を可能とし、スクーターの利点である快適性も高い。
パワフルなエンジンと安定感のある走りで、ツーリング先の峠でも十分楽しめる。
これに加えて、タンデム性能もすこぶる高いことが『バーグマン400』をツアラーとして推す大きなポイントでもあります。
試しに(男性のカメラマンを乗せて)タンデム走行もしましたが、そこにあるのはスクーターとは思えない安定感。
車体を膝でホールドできないスクーターの性質上、発進の際はふらつくことを覚悟しました。しかし、そんな予想とは裏腹に『バーグマン400』は実にスムーズに走り出します。
『バーグマン400』は余裕のあるエンジン出力と安定した走行性能により、人ひとり増えても快適性が大きく損なわれることはありません。
あれぇ、『アヴェニス125』でタンデム走行したときは、発進の時にだいぶ気を使ったんだけどなぁ……。
うん、純正アクセサリーのリアボックスとバックレストを装着したらその辺のツアラーに負けないくらいの最強タンデムマシンになりそう。
そしてそうなると、もはや自分が後ろに乗りたい(笑)
こうして見ていくと、小排気量スクーターとビッグスクーターの『バーグマン400』とでは、得意分野の違いが如実になってきます。
『レッツ』や『アヴェニス125』など小排気量スクーターは短距離の市街地、『バーグマン400』のようなビッグスクーターは長距離のツーリング。
もちろん小排気量だってツーリングは出来るし、ビッグスクーターでの通勤も快適に違いないとは思いますが、明確に住み分けがされているように見えます。
そしてツーリング性能を語るうえで外せないポイントがひとつ。
燃費ですね。
『バーグマン400』のWMTCモード値は1リッターあたりの走行距離が25.2キロ。
『レッツ』や『アヴェニス125』など小排気量スクーターが1リットルで50キロも60キロも走るので見劣りするように見えますが、そもそも戦う土俵がまるで違うので単純に比べるのはNG!
走ってきてわかった通り、『バーグマン400』はスクーターというより「ツアラー」なので、普通のバイクに近い存在。そう考えると『バーグマン400』のWMTCモード値は優れた部類に入ります。
そして、今回実際に走った総距離は866.4キロで、総給油量が28.41リットル。これをもとに実測燃費を計算すると、実測燃費約30.5km/L!
長い区間高速クルージングをしていたせいか、カタログスペックに比べ良い数値が出ました!
これを基にするとタンク容量15リットルの『バーグマン400』は、400キロ近い航続距離があることになります。
ツーリングバイクとしてこれだけ走れれば十分すぎやしないか⁉
そして最後に、得意分野が違っても「スクーター」であることに変わりない『バーグマン400』のメリットは、積載スペースの大きさ!
シート下スペースはフルフェイスヘルメットとオープンフェイスヘルメットがひとつずつ入る空間が確保されていて、ソロツーリングなら荷物もたくさん入ります。
底に車のフロアマットのようなシートがはられていているのも上質な感じがしてポイントが高い!
ハンドル下にはフタつきのインナーボックスが左右に用意されていて、右側のポケット内部にはシガーソケットを内蔵。
運転中にスマートフォンなどの電子機器を充電しておけるので、重宝するでしょう!
……あれ、なんか、『バーグマン400』があればすべてが整う気がしてきたぞ。
否定してきたビッグスクーターだけど、乗ってみると誉め言葉しか出てこない。
恐ろしい……。
そう、「恐れ」
これこそ私が「ビッグスクーター」を頑なに拒んできた「呪い」の正体だったのです。
だって、こんな体験しちゃったら、なんでいつも腰やら肩やら痛めながら寒い思いして走っていたのか分からなくなっちゃいますもん!
『バーグマン400』はそれくらい「バイクのひとつの完成形」を具現化しているバイクに見えたのです。
(下に続きます)
ダメだ、これ以上乗り続けてはいけない……!
降りられなくなってしまう!
もし自分がこれを買ってしまったら最後、今の私と同じように『バーグマン400』に魅了されたライダーを見かけたら、こう言い放つ未来が見える。
ようこそ、悠久なる快適のエデンへ