イメージチェンジしても利便性は全く捨ててない
日常の足として普段使いに便利で、通勤通学などで最高の友になってくれる「アドレス125」が別路線とも言えるデザインに生まれ変わりました。
先の【デザイン編】でもお伝えした通り、新型アドレス125のデザイン性に関しては、個人的に文句無しの仕上がりで、一発でこのスタイルの虜になっていました。
今回は、これまで筆者が原付二種スクーターを選ぶ時に最も重要視していた「機能性」や「利便性」について徹底的にチェックしてみたいと思います。
先代よりも大きく見えるけど軽くて取り回ししやすい
まず実車に触れてみると、先代モデルのアドレス125に比べて、ちょっと大きくなったかな?と思いましたが、実際は全長は75mm短くなり、車両重量も先代の109kgから4kg減った105kgに軽量化されています。
これはデザインの妙かもしれませんが、優雅な見た目に違わず、先代モデルと比べてとてもコンパクトになっているんです。
取り回しでも105kgの軽さは秀逸で、押し引きに車体の重さを全く感じることなく動かせます。
これは日常使いやセカンドバイク的な使い方にもピッタリ。
一見狭そうに見えるけど、実は幅広でゆとりのあるフロアボード
押し引きよりもびっくりしたのは、足を置くフットスペースの広さです。
スクーターらしい脚を投げ出したポジションのフットスペースではないので、一見するとちょっと狭そうに見えるかもしれませんが、実際に跨ってみると、かなり広くて足の置き場にゆとりがある大きさになっているんです。
筆者の身長は172cmで、比較的、日本人の標準体型に近いのですが、多分もっと身体の大きい方が跨っても、足場の狭さを感じにくいと思います。
これは見た目だけではわからないことなので、実際にバイクショップへ行って跨ってみることをオススメします。
ソファーのようにゆったり座れるシート
新型アドレス125のライディングポジションにゆとりが感じられるのは、大きくて快適なシート形状の影響も大きいと思います。
シートも一見すると特に変哲もないデザインに見えるかもしれませんが、真上から見ると実はかなり特徴的な形状になっているのがわかります。
足つき性を良くするために、シートの先端は極限まで絞られているのですが、ライダーが座る位置にかけて大幅に広くなっています。
シートの横幅は最大で470mmの長さもあるので、お尻の位置はソファーのようにゆったり座れ、足を置く位置の自由度が見た目以上に高いんです。
シートは前後にかけて、かなりフラットな形状になっているので、ライディングポジションの自由度も意外に高く、これまでのスクーターのように足を投げ出して乗るようなスタイルでなくても、しっかっりとした“ゆとり”が感じられるようになっているんです。
もしかしたら、これまで筆者が乗ったことのある原付二種スクーターの中で一番快適に座れたシートかもしれません。
このゆとりあるシート形状のおかげで、走っている時は全くお尻が痛くなるようなことはありませんでしたから。
毎日乗るための便利な8つの機能性
①シート下ラゲッジスペース
まずはスクーター最大の利便性といってもいいのがシート下のラゲッジスペースですよね。
新型アドレス125のシート下スペースは、約21.8Lの容量があり、日常的な荷物ならシートバッグ不要でシート下に収納できます。
レインウエアや、今の季節だと防寒具などを入れっぱなしにしておけるのもシート下スペースがあるスクーターならではの利便性です。
もちろんシートは施錠できるので、荷物を入れたままバイクから離れられるから、移動できるコインロッカー代わりとして使うことも可能です。
ただし、ヘルメットを入れるには、そのヘルメットの形状やサイズによって入るものと入らないものがありました。
②ヘルメットホルダー
しかし、お気に入りのヘルメットがシート下に入らなくても、左右に2つのヘルメットホルダーが備わっているので問題ありません。
これならタンデムで移動していても、2つのヘルメットを持ち運ばなくても大丈夫ですね。
③USB電源ソケット
新型アドレス125は、モバイル端末の充電などに便利な5V 2AのUSB電源ソケットが標準で備わっています。
これまでのスクーターは、シガーソケットタイプの電源ソケットが多く、USBで充電するには別売りのUSBソケットを差し込む必要がありましたが、直接USBのコネクターがさせるのは本当に便利!
電話やメールなどの連絡手段はもちろん、ナビゲーションや天気予報アプリなど、何かと電力を使うことも多いスマートフォンだけに、移動しながら充電できるのはありがたいですよね。
USBソケットを使用中は差込口が青く光るのも、なんか近代的でカッコいいんです。
④2つのフロントフック
新型アドレス125には手荷物やコンビニ袋などの持ち運びに便利な荷掛けフックが、なんと2箇所も備わっているんです。
前側はビジネスバッグやコンビニなどで買い物したポリ袋などをサッと引っ掛けて持ち運ぶことができ、シート側は落下を防げるストッパー式のフックになっています。
ちょっとした荷物やシート下に入らないものは、この2つのフックで気軽に持ち運びできます。
⑤フロントインナーラックとシャッター付きキーシリンダー
USB電源ソケットの横には、小物の収納に便利なフロントインナーラックも備わっています。
小物やペットボトル、外したグローブなどを一時的に入れておくのに重宝しますよ〜。
フロントインナーラックの反対側には、イタズラ防止のシャッター付きキーシリンダーも標準装備されています。
シートを開けるのもメインキーを反対回しするだけでオープンできます。
⑥サイドスタンドとセンタースタンド
車体から降りずにサッと出せるサイドスタンドと、メンテナンスや坂道停車などに便利なセンタースタンドの双方が標準で備わっています。
50ccの原付一種スクーターだと、センタースタンドしか備わっていないモデルも多いので、やっぱりサイドスタンドとセンタースタンドの両方が備わっているのは便利ですね。
⑦タイヤの空気が充填しやすいL字バルブ
結構気がつきにくいポイントですが、実は新型アドレス125のリアタイヤには、タイヤの空気の充填に便利なL字バルブが標準で備わっているんです。
エンジンやマフラーなどがあってリアタイヤのエアバルブにアクセスするのって何気に大変だったのが、このL字バルブのおかげで楽々。
それに、タイヤ交換などでリアホイールを取り外す時にも、マフラーなどと干渉しないようにタイヤ1つ分くらいのクリアランスが設けられているんです。
こうしたちょっとした便利さにも気遣ってくれるスズキの開発者さんに感謝したいポイントでした!
⑧タンデムや車体の取り回しに便利なグラブバー
そして、最後にもうひとつ。車体の取り回しなどに便利な、大きな「グラブバー」も標準装備です。
デザインのアクセントにもなっている大きめなグラブバーは、握りやすい形状になっていて、タンデム走行でもパッセンジャーが安心できる仕様になっています。
街乗りに便利な原付二種スクーターは「ちょっとそこまで」のタンデム走行をするケースも多いでしょうから、これがアリとナシでは大違いですね。
これだけの便利機能が備わっていて、車体価格は30万円を大きく下回る27万3900円(10%消費税込み)ですからね。
新型アドレス125は、デザイン性だけじゃなくコストパフォーマンスにも優れていると言えるでしょう!
(下に続きます)
路線変更とも言えるイメージチェンジを行っても、新型アドレス125は原付二種スクーターとしての利便性を損なわないどころか、より便利になって帰って来たように思います。
次回はいよいよ、新型アドレス125の走行性能や走りの快適さなどを検証してみたいと思います!