正直、ワインディングでのスポーツ性能の高さに開いた口が塞がらない勢いで、峠を抜けるころには『SV650』の魅力にすっかり虜になってしまいましたが、『SV650』最大の魅力ってココだと思うんです。

ミドルクラスの『SV650』に惹かれる理由

街中からワインディングまで走った『SV650』は、当初想像していたものとはだいぶイメージが違っていて、すごくスポーティーな部類のように感じました。

実を言うと先入観から、今回乗ってみるまではあまり私の食指には触れないバイクだったのですが、乗ってからはもうベタ惚れです……。

でも『SV650』に惹かれた理由はもうひとつあって……なんというか初めて大型バイクに乗った時の感覚に似てるんですよね。

ここからはちょっと個人的な話になりますが、私が初めて買った大型バイクも2気筒のミドルクラスでした。

お金がないのでもちろん中古。新車の『SV650』の半分くらいの価格でした。

20年弱型落ちで、ちょっとあちこちヘンテコでしたが目立った電子制御や高機能は搭載していない無難なロードスポーツモデルです。

最高出力も『SV650』より少し高い程度でしたが、それでもバイクを買った店から家への帰路では未知のパワー体験にひとり大はしゃぎしてました。

アクセルを開けたときの大型バイクらしい太い排気音、力強くタイヤが地面を蹴る感覚、流れる視界。

そのすべてが嬉しくて楽しくて、特段貴重だったり高価だったりしたわけではないけれど当時の自分にとっては自慢のバイクでした。

強力なパワーも、高度な電子制御も、高機能な足まわりも一切なかったけれど、今までの250ccでないというだけで、どこまでも行けて、なんでもできそうな全能感とバイクに対する期待感。

エンジンレイアウトからフレーム構造、駆動方式やタンクの位置まで違うけれど、今回『SV650』に乗っている時、あの時と同じ高揚感が得られました。

最近は高価&高性能な大型バイクにばかり試乗していたために“性能に任せてバイクに乗せてもらう”という感じになってしまいがちでしたが、『SV650』はそういった助けが少ない分、バイクそのものの性能を純粋に楽しめたような感じがします。

そもそもなんで大型バイクを買ったかと言えば、250ccじゃ満足できなくなったからなのですが、難しいのは排気量が大きければいいってわけじゃないトコロ。

リッタークラスのバイクが楽しくないかと聞かれれば嘘になりますが、やはり手に余るパワーや取り回しの苦労さは、たとえ試乗でも腰が重くなります。

なんというか、バイクと自分の運転レベルの間に壁があるような感じ。

その点ミドルクラスの『SV650』は、初めて自分が買った大型バイクと同じように、自分のレベルに近い親しみやすさがあり、それでいて圧倒的パワフルさで大型バイクに乗っている満足感を得ることができます。

変な気難しさもなく、全く手に負えないほどのパワーでもないため、しっかりアクセルを開けて楽しむことができる。

繰り返しになりますが『SV650』には目立った電子制御や高価なサスペンションなど豪華な装備はありません。

でも、そんなものが無くたって『SV650』のコンパクトなボディーには十分なパワフルさと、大型バイクに乗ることの魅力や理由がたくさん詰まっています!

足つき性によるフレンドリーさやフットワークの軽さで、どこでも一緒に出掛けたくなる。シンプルだからこそたくさんの可能性に溢れたバイクだって思いました。

まぁ、燃費も悪くなり維持費もかかる大型バイクに乗る理由は「ロマン」でしかないとも思っているので、この話は本当に個人的なものなんですけどね!

(下に続きます)

それにしても現『SV650』オーナーの方には本当に申し訳なく思うし、スズキのバイク編集部員としてどうなのかとも思いますが、今まで割と本気でこのバイクって自分の中の選択肢になかったんです。

でも冒頭でお話した通り乗ってみたら、ものすごく自分の好みとマッチしていて正直心を鷲掴みにされております……。

例えると、あんまり自分と接点なさそうだな、って思ってたクラスメイトが話してみたらすごく気が合った時の感覚。

まぁ、何が言いたいかというと『SV650』オーナーさんめちゃくちゃ羨ましい!

この辺りも本当に人それぞれですが、この充実感の高さで80万円強って、正直100万円オーバーのリッターバイクを持て余してしまう自分にとってはコスパいいかも……?

さて、SV650Xはいつ乗れるかなぁ~。

よろしければ最初の『足つき編』からお読みくださいね!

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