いやいやいや…………従来型とここまで違うなんて。これ本当に『2022モデルと最高出力&最大トルクは同じ』なのか?

明確に『パワー』を感じる2023モデルのVストローム250

高速道路でうっすら感じた変化の兆しが、ワインディングで一気に顕在化した。そういう印象です。

なにが違うって、エンジンの『パワー感』に他なりません。

実際のところ2023モデルの最高出力や最大トルクは数値もその発生回転数も従来型と同じまま、というのが公式の発表ですが、体感的には完全に別のバイクと言っていいほどに違う!?

まず基本的に、ブレーキングからコーナーの進入において大きな変化は感じられません。2023モデルになって車両重量が2kg増となったけど、それを体感することは難しいと思います。

ただ、この2kgの重量増に関しては、ひょっとしたらプラス方向の変化があるかもしれません。

重量増の理由は当然、エンジンもしくはその周辺パーツでしょうけれど、従来型よりもバイクを寝かせた時にすこし安定感が増したようにも思えます。重量がうまいこと安定感に変換されていて、バンク中のどっしり感が増した、とでも言えばいいでしょうか。

その差はわずかかもしれませんが、私としては以前のモデルよりも安心して走れたように感じています。一瞬、2023モデルはタイヤが変わったのか? と思ったくらいでしたから。

だけど!

その変化が『些細なこと』に思えるほど、エンジンフィーリングが超進化を果たしているんです。重量アップどころか、体感的には軽くなったようにすら感じる‥‥

バイクを寝かせた状態からアクセルオン。その瞬間に、エンジンがフレキシブルに反応する!?

2023モデルは加速開始と共に、わかりやすく後輪がグッと路面をつかむ感覚が伝わってきます。そのおかげで、いわゆる『後輪にトラクションが掛かる』という状態を体感しやすいんです。

従来型はその状態を感じるまでにすこしタイムラグがありました。でも2023モデルはアクセルを開けた瞬間からそれを感じられるんです。だから自信をもって、その後もアクセルを開け続けていける!

さらにっ!?

その加速そのものが段違いにシャープ! この部分、従来型とは比較になりません。

この時は4000~4500回転くらいでアクセルを開け始めたんですが、そこから最高出力発生回転数の8000回転まで一気に回る……っていうか8000回転を超えて、その上までもシャキーンッ!と吹け上がっていこうとする!?

前より断然スポーティなエンジン特性になってます。しかも、耳に聞こえてくる吸気サウンドが良い感じにエキサイティング。気分まで盛り上がる!

私(北岡)は、こういうWEBサイト(スズキのバイク!)をやっていながらも、まだスズキというメーカーの技術力をナメていたのかもしれません。

ぶっちゃけますが、本当に今日まで『小排気量のロングストローク設計エンジン』というのは、加速感の中に“ちょっとボンヤリした感じが残る”のは宿命、避けられないことだと思っていたんです。機械的にそういう特性にならざると得ないんだと勝手に思い込んでいました。

だから、Vストローム250のエンジンがこんなにもシャキッとしたパワーフィーリングに生まれ変わること自体が、完全に予想の範囲外。個人的にはちょっとした感動体験です。

しかもですよ? その加速フィーリングが気持ちいいのなんのって!

実際、コーナリングから立ち上がりの速度も速くなったと思いますけど、それ以上に楽しさがヤバい。ガンガン開けて走りたくなる。こういったテンションの上がり方は、従来型には無かったものです。

えええぇぇ……どうしようこれ。

最初の【前編】で軽く触れた部分がまさにココなんですが、2023モデルは『ワインディングの走りの楽しさ』が従来型とは次元が違う。抜群に面白い! それこそ従来型のオーナーさんがこのフィーリングを体感したら、ちょっと悲しい気持ちになるかもしれないレベル……だけど、事実です。

だって2023モデルは『Vストローム250らしさ』を完全にキープしたまま、スポーティに走る楽しさを“上乗せ”してきたイメージなんです。従来型より悪くなった部分が見当たらない。ただ単純に「さらに良くなった」としか言えない。

(下に続きます)

おそるべしスズキ。2017年初登場のバイクに対して、まだこんな改良を施すことができるなんて……

それにしても、何をどうすればこういう進化を遂げるんだ?

さすがにこれは気になるので真相を究明します。ということで、スズキさんに質問して聞いてみました!

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