Vストローム250SXとVストローム250はキャラが全然違う!
とうとう国内仕様が正式発表となりました!
これまでVストロームSXという車名でしたが、国内での車名は『Vストローム250SX』となっています。
このバイクの登場によって、スズキは250ccクラスに2台のアドベンチャーツアラーを展開することに……って、同じメーカーのラインアップに同じカテゴリのバイクが2台あるってどういうこと?
そう思う人がいるかもしれませんが、この2台、実は方向性が全然違うバイクなんです。
![画像1: Vストローム250](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2023/08/04/c6e5139899e10b5c3ce796278f7b887b47e43c0a.jpg)
Vストローム250
まず、既存モデルのVストローム250ですが、こちらは基本的に『オンロードバイク』として設計されています。
スタイルこそアドベンチャーバイクですが、その走りは低~中速域の扱いやすさに特化していて、250ccクラスとは思えないレベルの長距離ツーリングの快適さが最大の武器となります。
![画像: VストロームSX](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2023/08/04/904640e36d0027e46ffe3fccdf986d67e9dc4afa.jpg)
VストロームSX
それに対して新発表となったVストローム250SXは、主戦場となるインドにおいてのハードな使用に耐えるため、タフな設計となっています。そのため軽い未舗装路なども想定の範囲内。
オンロード専用か、軽いダートも想定されている設計か。
まずここが、2台の大きな違いとなります。
エンジンのキャラクターも大きく違う
そして搭載されているエンジンも、そのキャラクターは大きく異なるものです。
![画像2: Vストローム250](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2023/08/04/058ced5cdbf8350ef178c58ef77939ecbea48582.jpg)
Vストローム250
Vストローム250のエンジンは水冷並列(直列)2気筒で低~中速域を重視したロングストローク設計となっています。
全域で粘り強く、力強い特性でロングツーリングでもライダーを疲れさせない優しさが特徴。ただしロングストローク設計の宿命として、高回転域の鋭さはショートストロークのエンジンに一歩譲ることになります。
しかしながら2023モデルでVストロームのエンジンも強化されており、スポーティさも兼ね備えたエンジンに進化しました。
Vストローム250 2023モデル試乗記
![画像1: Vストローム250SX](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2023/08/04/13af6bac2be99a794f82352b1b1d25576e1ff916.jpg)
Vストローム250SX
それに対しVストローム250SXのエンジンは、新方式の油冷システムを採用した油冷単気筒エンジン。
ボア×ストローク比がスーパースポーツGSX-R1000Rと同じという、かなりのショートストローク設計となっています。単気筒エンジンながら高回転域まで伸びやかに拭け上るのが特徴です。
ジクサー250/ジクサーSF250と同エンジンであり、ジクサーSF250が2023モデルでかなりエキサイティングなパワー特性を手に入れていたので、Vストローム250SXもそれに近いフィーリングになるものと予想されます。
油冷エンジン/ジクサーSF250(2023)の参考記事
車体側の違いにも注目!
ちなみに新型油冷エンジンを搭載するVストローム250SXの車両重量は164kg。対してVストローム250は、250ccクラスとしては大柄で堂々とした車体も魅力ですが、車両重量は191kg。
VストロームSXのほうが27kgも軽く、その面でもVストローム250SXのスポーティさが伺えます。
![画像: 車体側の違いにも注目!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2023/08/04/dbe48a1923227a9f9b6bcd0db7d8efa8f9d774b5.jpg)
ただし、Vストローム250はアドベンチャーバイクの手法として、その重さがうまく安定感に変換されています。
そのためコーナリング中も安心感があり、高速道路などでもどっしりとした重厚さを感じられ、ロングツーリングでも『疲れない』というメリットを生み出しています。旅バイクとしては、ある意味正しいスタンスと言えます。
タイヤサイズに感じる明確な違い
![画像3: Vストローム250](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2023/08/04/24046fe3b4660e22539d3f4d45f91c46bb68406e.jpg)
Vストローム250
そして、Vストローム250のキャラクターを決定づけるのがオンロードスポーツ同様の前後17インチホイールです。
コーナリングでニュートラルなハンドリングを実現し、バイク初心者には扱いやすさを、ある程度の腕前を持つライダーには狙ったラインを外さずトレースできる爽快な走りを提供してくれます。
装着されているタイヤもオンロードタイヤです。
![画像2: Vストローム250SX](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2023/08/04/79c333ff4569517d808b033e82886400522437a5.jpg)
Vストローム250SX
それに対しVストローム250SXはフロント19インチ・リア17インチのホイールを装備。フロントを大径化し、悪路での走破性の高さを感じさせます。
ちなみに日本仕様のVストローム250SXのタイヤはMAXXISとタッグを組み専用で開発されたセミブロックタイヤを装備。前後サスペンションはジクサー250シリーズと同じものですが、ダート走行も見据えたSX専用セッティングとなっています。
![画像: タイヤサイズに感じる明確な違い](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2023/08/04/da3b2ac617e2acd5f3665f0dce65afddee37b1c9.jpg)
Vストローム250とVストローム250SXの足つき性
そして、重要なのが足つき性です。
まずVストローム250ですが、大柄な車体にも関わらずシート高は800mmにまで抑えられています。
![画像: Vストローム250/ライダー身長176cm](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2023/08/04/e44a7afc21db28e0ff2b9beb657cce2dcbec2896.jpg)
Vストローム250/ライダー身長176cm
ツーリングや普段使いでは足つき性が悪いと気を使うし、疲れやすいのですが、Vストローム250はそこでも安心感が高いバイクです。
ライダー身長が176cmの場合、両足カカトまでべったり接地するので安心です。
![画像: Vストローム250SX/ライダー身長176cm](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2023/08/04/afbf53f94a37e569bbe98f0f4ad47f8d8d64b7ff.jpg)
Vストローム250SX/ライダー身長176cm
Vストローム250SXはシート高835mm。ライダー身長176cmでも、両足カカトが軽く浮きます。
ただ、重量が164kgと軽いため、特に不都合を感じることはありません。
単純に「足が着くかどうか」で見ればVストローム250に軍配ですが、SXは軽量なので、Vストローム250に比べて扱いにくい、ということにはならないと予想されます。
![画像: Vストローム250とVストローム250SXの足つき性](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783548/rc/2023/08/04/c92e9537d57bc4e28b72ee69024f5448c8dedebf.jpg)
その他、装備やディテールにも多くの違いがありますが、それはまた別の機会に。
ざっくりまとめると、Vストローム250は『ツーリングなどでの快適に優れる』ことが特徴なのに対し、Vストローム250SXは『スポーティさも捨てない250ccアドベンチャーツアラー』ということになるでしょうか。
(下に続きます)
ということで、この2台は「似て非なるモノ」どころか「まるで別のバイク」だと思っておくのが正解です。
クラスを超えたロングツーリング性能と抜群のカッコよさで大人気のVストローム250と、スポーティさを含めて、1台で幅広く楽しめそうなVストローム250SX。
価格面も悩ましいですが……
これはなんというか『両方ともおすすめ』で迷っちゃいますネ☆