全自動お気軽ツーリングバイクか? と誤認した新型『GSX-S1000GX』はどうやらもっとスーパースポーツ寄りのキャラを隠し持っているらしい。なのでその正体を暴くために原点の『GSX-S1000』に改めて乗ってみたのですが……

よく考えれば150馬力のネイキッドって……

2024年モデルとして新型『GSX-8R』と『GSX-S1000GX』が発売され、バイクシーズン真っ盛りの季節となったこともあり、公道でその姿を見かけることもチラホラ出てきました。

しかし私(北岡)はその2台の初乗りでGSX-8Rを「ツアラー的なやさしいバイク」と誤認し、GSX-S1000GXを「全自動おまかせ快適ツアラー」だと勘違い……次こそは正体を暴いてやるぜ! と心に誓っております。その時の顛末は、ご興味があれば過去の記事をご参照ください。

しかし、新型2台はさすがの注目度……もう一度スズキさんからバイクを借りようとしても、引っ張りダコ状態。先々まで予約がいっぱいでなかなかお借りすることができません。世の中そんなに甘くない。逃した魚は大きかった……

しかも私は先ごろ『モーターサイクルショー2024』なる華やかな場所でスズキさん公式の『GSX-S1000GXトークショー』のMCを務めさせて頂いたこともあり、特にGXに対して(聞いた話での)知識と妄想が膨らんでいます。

グランドクロスオーバー(GX)でありつつスーパースポーツクロスオーバーでもあるというGSX-S1000GX。再び相まみえる機会を待つばかりですが、そんな中でふと気が付きました。

この『待ち』の間に乗っておくべきバイクがあることに!

GSX-S1000Xの原点、あるいはシリーズの中核、150馬力ネイキッドの『GSX-S1000』です。

ここ数年のスズキさんは毎年のように鮮烈なニューモデルを放ってくるため、ふと気づいてみればGSX-S1000に触れたのはもう2年も前……この後、GSX-S1000GXを丸裸にしてやるためにも『要するにスーパースポーツがアップハンドルになっただけ』のGSX-S1000に再び乗ってみるべきだろうと思い、スズキさんからお借りしました!

それにしてもこのバイク、改めて見てもやっぱりカッコいい……本当に顔ちっさいし。現行モデルの初登場は2021年でしたが、3年経っても古さは一切感じません。

それどころか……このデザインはカッコよすぎて、今や『新たなるスズキの縦目ヘッドライト』を象徴するアイコンにまで成長しています。その原点がここからはじまったと思うと、たった3年前の話だけどなんだか感慨深いような(笑)

で、2年ぶりに跨ってみたGSX-S1000ですが……なんか……ちっさい。

こんなに小さい、というかコンパクトだったっけ? 顔つきはわりと強面だけど、エンジン最高出力が150馬力のバイクだとは思えないほどに『手の内にある』サイズ感。足つきもいいし。

私は身長が176cmなのですが、両足カカトまでべったりに加えて、ヒザにすこし余裕ができるくらいまで足つき性は良好です。

シート高810mmって、バイクによっては少しカカトが浮いたりすることもあるんですが……たぶんGSX-S1000は足つき性にも気を使って設計されているだろうと思います。そして足つき性が良いことは全面的に正義です。

走り出してみても街中の運用において150馬力の獰猛さは微塵も感じません。

エンジンはガリガリゴリゴリ唸ってるし、マフラーからは『ズゴォーーーッ!』ってえらい音が響きわたりますが、乗っている側としてはいたって普通。これ本当に150馬力? って逆に戸惑うレベルです。

本当に『大型二輪免許を取りたての人』でも難なく運転できると思います……が!

それが『羊の皮をかぶった狼』であることは、過去に身体に刻みこまれています。油断はしません。

昨今のスズキ(特にハイパワー系)は初見で「とっても運転しやすいバイクだよね☆」と見せかけてくるのが常套手段。その裏側にしれっと「ヤバいもの仕込んでくる」ので警戒を怠ってはいけないのです。

……まぁ、めちゃくちゃ乗りやすいのも事実なのですが。

(下に続きます)

しかし、それで痛い目を見たばかりの私ですから今回はクレバーにいきます。

GSX-S1000GXの本性を暴くための「周到な準備の一環」としてGSX-S1000でワインディングへ。

先日乗ったGSX-S1000GXとどう違うのか?を見極めさせてもらおう……と、気合を入れて臨んだ結果……

おおむね返り討ちに会いました。GSX-S1000、そんなに甘くねぇ!?

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