「バーグマン400のシート下に入る荷物だけでキャンプができたら最高なんじゃ?」という単純な思いつきから始まった“バッグを使わない”キャンプツーリング。果たしてパニアケースやシートバッグを使わなくてもキャンプツーリングはどこまで快適に楽しめる?

バイクキャンプはパニアケースやシートバッグの容量で「現地での快適さ」が決まる、とは限らない?

バイクツーリングとキャンプが好きな人にとっては、これからまさにハイシーズンが到来しますね!

昨今のキャンプブームもだいぶ落ち着いてきたと言われていますが、アウトドアやキャンプが大好物な筆者の私(イワセ)は、数年周期でおこるキャンプブームのおかげでキャンプギアが目まぐるしく進化して行くのを楽しみにしている一人です。

ですから、自分のキャンプギアの買い替えやアップデートがいつまで経っても終わりません(笑)

ところで、バイクでのキャンプツーリングって現地に着いてしまえば楽しいものですけど、ギアの準備や荷物の積載がけっこう面倒だったりしますよね。

パニアケースやシートバッグに大量の荷物を積載して走るのも、キャンプツーリングのひとつの醍醐味ではあるんですけど……。なんかこう、バイクもクルマのトランクルームのように、持っていく荷物をサッと入れるだけでキャンプに出掛けられたらもっと便利なのになぁ、と思っていたところ……

そういえばスズキには、シート下スペースにたっぷり荷物が入る「バーグマン400」があるじゃん! ……と思いついてしまいまして。

この42Lの荷物が入るシート下スペースがあれば、シートバッグなどを使わなくてもある程度のキャンプギアなら全部入っちゃうんじゃないの⁉︎ と検証してみたくなったワケです。

バーグマン400の42Lシート下スペースならどれくらいのキャンプギアが入る?

通常、バイクでキャンプに行く場合は、このような積載容量の大きいシートバッグやパニアケースなどにキャンプギアを積載すると思います。

バイクでキャンプツーリングによく行く方ならお分かりいただけると思いますが、テントやシュラフ、マットに焚き火台、コンパクトチェアなど、たくさんの荷物でシートバッグやパニアケースがすぐにパンパンになってしまいますよね。

もちろん、所有しているキャンプギアの数やサイズにもよりますが、たくさんのキャンプギアを積載するとなると、シートバッグやパニアケースの容量は大きければ大きいほど充実したアイテムが持って行けるわけです。

上の写真は筆者が普段キャンプツーリングに持って行くキャンプギアの一例ですが、私の場合、シートバッグやパニアケースの容量に加えて、どれくらいの人数でどんなキャンプをするのか、などシチュエーションによって“持って行く荷物を選別する”というスタイルをとっています。

ですから、ある程度充実したキャンプギアを持っていくとなるとだいたい60L以上のシートバッグは必要で、40〜50Lのバッグだとちょっと容量が足りない感じ。持って行くものを減らすか、もっと軽量コンパクトなキャンプギアに変更する必要があります。

そこで注目したのが、400ccクラス国内唯一のビッグスクーター「バーグマン400」のシート下スペース。

約42Lのシート下スペースがあれば、持って行く荷物を絞ればある程度のキャンプギアならこの中に全部入ってしまうんじゃないか?と思ったワケです。

これならシートバッグやパニアケースを積載する煩わしさもなく、リア周りに重たい荷物を積んでいないので走行中も通常のツーリングのように快適。シートを開ければ「キャンプギアが全部シート下に入っている」と言う、バイクでもクルマのトランクルームのような快適な持ち運びができるようになるはず。

これが可能になれば、筆者が勝手に名付けたバッグを使わない「NO BAG CAMP」というスタイルが確立できそう(笑)。

そこで今回は、大容量のシート下スペースがあるバーグマン400なら、シートバッグ無しでどこまで快適なキャンツーができるのかを実践してみたいと思います。

できるだけコンパクトなキャンプギアで行く「バイク版 ULキャンプ」

そうと決まれば、まずはバーグマン400のシート下に自分の所有しているキャンプギアでどのくらいの大きさのものが入るのかを実際に入れて検証してみることからスタート。

ただ単純に持っていく荷物を減らすだけなら簡単だけど、せっかくのキャンプツーリングですから、現地でもなるべく快適なキャンプ時間を楽しめるアイテムは持って行きたい。

本来なら42Lのシート下スペースもフルに使って、更にリアシートにシートバッグも積載すればもっとたくさんのキャンプギアが持って行けるけれど、これだとバッグを外さないとシート下が開かなくなるし、ツーリング中も積載した荷物の重さなどが気になってしまうので本末転倒。

やはり、シートバッグは使わずにバーグマン400の42Lシート下スペースに入るものだけに絞って、ツーリング中も軽快かつ現地での設営や撤収も容易になると言う、バイク版の「ULキャンプ」スタイルで行くことに決定。

ウルトラ・ライト・キャンプを意味する“ULキャンプ”とは、自転車でのキャンプや登山でキャンプをする人が主に行うもので、キャンプギアの重さや大きさがダイレクトに身体にかかる負担を軽減するための超軽量なキャンプスタイル。

ULキャンプをする人の中にはテントすら持って行かず、タープやハンモックなどを工夫して寝床にしたり、木や枝など現地で手に入るものを加工して焚き火台を作るなど、とにかく荷物を減らしたブッシュクラフトと呼ばれる野営スタイルもあります。

とりわけ、バイクでのキャンプツーリングの場合は、持って行きたいキャンプギアをリアシートやキャリアなどにしっかり積載することできれば、あとは車体とエンジンが頑張ってくれるので、けっこうたくさんの荷物があってもある程度はなんとかなります。

しかし、自転車のキャンプや登山でキャンプする人には、その荷物の大きさや重さがダイレクトに影響するので、キャンプギアのコンパクトさや軽さ、大きさや数をできるだけ軽量化したものを選んでいます。

このような軽量型のキャップスタイルなら、シート下スペースの容量が決まっているバーグマン400にも充分に応用できるはず。

自分にとってキャンプに必要なものを吟味して、できるだけ軽量&コンパクトなキャンプギアに絞りつつも、現地では快適に過ごせるアイテムをセレクトしていきます。

キャンプギアの積載は一番かさ張るテント・シュラフ・マットの収納サイズがカギ?

まずはキャンプギアの中でも一番かさ張るであろう「テント・シュラフ・マット」の“キャンプ三種の神器”を、できるだけ収納サイズが小さいものにすることで、シート下の空きスペースをかなり確保できるようになるはず。

上が通常、筆者がソロキャンプ用などで使用しているツーリングテント。これでもかなり小さい方のテントなのでシート下に一応入りましたが、やはり結構な積載スペースを取るので、他に積んでいける荷物が少なくなります。

そこで、下の「ビビィ」や「ビビィサック」と呼ばれる超小型テントに変更。これでだいたい1/3くらいの容量に軽量化ができる。

“ビビィサック”とは、寝袋とテントをくっつけたようなビバーク用の簡易テントで、前後2本のワイヤーを通してペグ打ちするだけで瞬時に就寝スペースを確保できるという、どちらかと言うとサバイバル向けのシンプル寝具です。

なので、テント内で寛ぐことはほぼできないという、本当に寝るだけの簡易テントです(笑)

……まあ、焚き火好きの筆者は、キャンプの夜は起きている時間の方が長いので、寝具はこれくらいのものでも充分かなぁと。

また今回は気候的にも快適な夏のキャンプなので、シュラフとマットも手持ちの中で夏用のコンパクトなギアが使えそう。

寝袋は外気温6〜8℃くらいまで使用が可能なコンパクトなダウンシュラフ、マットは空気を注入するタイプで軽量化重視のエアマットをセレクト。

これで大体、通常のツーリングテント1個分のスペースに「ビビィ・シュラフ・マット」3つのメインのキャンプ寝具が入れられるようになりました。

アウトドアでの自然環境を快適に過ごすには、テントやシュラフの主要アイテム以外にもランタンや焚き火台、炭焼きグリル、アウトドアチェアやテーブルなど、持って行きたいキャンプギアは他にもたくさんあります。

その他のアイテムは、コンパクトに折りたためるものを中心に「これは持って行きたい!」や「これは無くてもなんとかなる!」など、取捨選択していき、現地でできるだけ快適になるキャンプギアを選んでいきます。

このようにキャンプギアをできるだけ軽量化して行くと、42Lのバーグマン400のシート下にはけっこうたくさんの荷物が入りました。

むしろ、ちょっと積載スペースが余ったので、キャンプ飯で使用したクッカーやグリルなどが洗えるコンパクトな清掃アイテムも持って行けそうです。

アウトドアという環境で衣食住のすべてを行うキャンプは、撤収時などに必要な清掃アイテムやメンテナンスグッズなども現地であると助かりますからね。

こういったギアの取捨選択からすでにキャンプは始まっていますし、何よりキャンツー好きの私にとってはこう言う時間もけっこう楽しいんです(笑)

(下に続きます)

よし、これで今回のキャンプに持って行きたい荷物はひと通りバーグマン400のシート下に全部入っちゃったなぁ。

恐るべし……バーグマン400のシート下スペース! やっぱり便利だわ。

それでは、キャンプ好きの後輩ちゃん達を誘って、富士五湖キャンプに行って参ります!

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