排気量400ccというのは『DR-Z4SM』には関係ない
新型DR-Z4SMでのワインディングは、ここ数年で最も『ライダーとしての本能』が刺激された体験でした。
まだ発売されて間もない新型車だけれど、このバイクは今後、400ccスポーツバイクの『名車』として名を馳せていく予感がします。
スズキ車が好きな人々は既にご存じのことでしょうけれど、バイクメーカーとしてスズキは「他とは違う特化型のバイク」を作るのが上手です。独自路線であり個性。あるいは、それこそがスズキらしさ。
そんなメーカーのバイクラインアップの中にあってもDR-Z4SMは突出して『尖ったバイク』です。排気量が400ccとかどうでもよくなる。大型バイクに乗り慣れた人だって、あるいは大型バイクに乗り慣れた人こそDR-Z4SMに魅了される可能性があります。
例えばのイメージですが、大型バイクを既に所有しているライダーがセカンドバイクとしてDR-Z4SMを買ったら、きっと理想的な働きをしてくれるはず。
だって一般的な社会人にとっては「遠くまで足を延ばすロングツーリング」なんて、年に数回できる程度なのが現実。言ってしまえば『たまのご褒美』です。
だけどDR-Z4SMは『普通の休日の半日』を最大限に楽しむバイクとして最良のパートナーになってくれると思う。短時間でも満たされる。なんなら平日の夜に小1時間ナイトランするだけでも満足感があるはずです。
パッと走りに出て、サッと帰ってくる感じ。重量級の大型バイクを引っ張り出すのは億劫なものですが、DR-Z4SMは「軽量バイクの気軽さ」もきちんと備えています。
また、普通二輪免許の人の場合やバイク初心者の人にもけっこうおすすめです。
『1台で何でもこなせるバイクがいい』というタイプの人には向かないかもしれないけれど、その代わりDR-Z4SMは『バイクで走ることの楽しさ』をとことんまで教えてくれると思う。
このバイクを完璧に乗りこなそうとすれば、それなり以上のライディングスキルが必要になります。正直、私(北岡)もDR-Z4SMの性能をすべて引き出せているとは思っていません。
というかこのバイクのパーフォーマンスをフル発揮させることは公道じゃNGかも(笑)
だけど現代の電子制御は優秀なので、仮にバイク初心者の人でも「怖くないパワー感に抑える」ことができます。万が一のセーフティとしてABSやトラクションコントロールもある。
初心者のうちは自分のスキルにあったパワーモードを選んで走って、成長と共に「さらに上」の走りを楽しんでいけばいいと思うんです。そういう意味では長く付き合えるバイクとも言える。
実はそこで素晴らしいのが『車体』です。フレームとサスペンション、ブレーキなど走りを支える根幹の部分。スズキ車はいつだって車体を『エンジン以上』に仕上げてくる。技術でどんなライダーにも寄り添ってくれるんです。
また、今の時点ではたぶんロングツーリングにはあまり向かない気がしていますが、それだって『好き』の気持ちがあれば乗り超えてしまえるのが“ライダー”という人種です。
世の中にはスーパースポーツでツーリングを楽しむ人もたくさんいるでしょ? それと同じ。
ちなみ燃費ですが……
今回は日帰りで高速道路を使ってバシッと走りに行って、総走行距離は479.4km。総給油量はレギュラーガソリン18.53Lでした。
満タン法での実測燃費はガソリン1リッターあたり約25.8kmという結果になりました。
メーカー公表値のWMTCモード値では28.8km/Lとなっていますが、今回その数値を下回った理由が『私のせい』なのは明確です。個人的には『走りがエキサイティングすぎるDR-Z4SMも悪い』と連帯責任を叫びたいところですが。
それにしても……なんだかんだで日帰り約480kmも走ってたのか……
さっき『ロングツーリングには向かない』なんて言いましたけど、案外いけるのかも? 私はどんなバイクでも「とりあえずツーリングしてみる人」なので今度やってみようと思います。
いずれにせよ……今回のDR-Z4SMではじめて公道を走った感想として、みなさんにお伝えしたいことは最終的にただひとつ。
一度乗ってみて欲しい。それに尽きます。
(下に続きます)
レンタルバイクでも試乗車でもいい。できればレンタルでワインディングに行ってほしいけど、まずは何でもいいからこの走りを体感してほしい。
走りが好きな人は言わずもがな、ツーリング派や街乗りライダーだって『こんなバイクがあるのか!?』って目が覚める!
世の中には少数ですが『乗ったら感動するバイク』というものがあります。そしてDR-Z4SMは、その中のひとつとして数えていい。そう思える傑作でした!