スズキは我々『普通のライダー』のことを考えてバイクを作る
約11kimという短い区間に184ものコーナーが連続する『碓氷峠 旧道』でひとりイ〇シャルDごっこに興じていた私(北岡)ですが、真の意味で『1台で何でも楽しめるバイク』こそGSX-8Rだ! という持論を立証すべく、碓氷旧道を後にしました。
万能に使えるバイクは個性が薄い。特化型バイクのほうが面白い。
それは事実だと考えていますが、それだけじゃないのが『スズキ製バイク』の面白いところ!
ちなみにGSX-8Rというバイクは2024年1月の国内発売以来、あまりの乗りやすさから『フルカウルのツーリングバイク』と評されることが多々あります。
でもそれ、実はちょっと違うってこと、ご存じですか?
もちろんGSX-8Rは『ツーリングバイク』としても、かなりレベルが高いのは事実です。
でもね、スズキはGSX-8Rを『ツアラー』としては作ってないと思う。ここは『スズキらしいところ』と言えばそうなんですが、彼らはGSX-8Rをスポーツバイクと考えてる。
ただし『公道を走るバイク』として、我々のような一般ライダーのことをちゃんと考えてバイクを作る。スポーツ性能が高ければOKだろ!? みたいな押し付けをスズキは絶対にやりません。
その最たる例がリッタースーパースポーツの『GSX-R1000R』です。レースの最前線ですら戦える性能を与えられながら『ツーリングできるスーパースポーツ』なんて言われたりもする。これは隼だって同じ。1340ccの超弩級スポーツなのに、ロングツーリングもラクです! みたいな。
スズキは常に『乗る人のこと』を考えています。限定的なシチュエーションで性能を発揮できればOKだとは考えない。だから開発段階でもとにかく人が乗る時間を多くとるのだそうです。
そして、その考えに基づいて生み出されたフルカウルすスポーツが『GSX-8R』です。
低~中速から力強く、かつスムーズなトルク型のエンジンは峠ではパワフルそのもの。だけど街中やツーリングではそれが『扱いやすさ』に早変わり。
先の『中編』でも触れた優しいセパレートハンドルの「位置」は、長時間の乗車でもライダーを疲れさせません。しっかりコシがあるけど「よく動く」前後サスペンションも同じこと。
スズキ的には『現実的に“乗る人”のことを考えてスポーツバイクを作っただけ』なんです。
でも世の中を見渡せば、似たような排気量で走行性能に特化したモデルはいくつも存在します。というか、そういうバイクのほうが多いかも?
それらと同じ枠組みに押し込んで、無理矢理まとめようとするから『ツアラーっぽい』という評価になっちゃう。
でも違う。これは『スズキ流儀の一環』だっていうことを間違えちゃいけません。
流儀に基づいて作ってみたら、結果的にそこいらのツアラーに引けを取らないツーリング性能になっちゃったという解釈のほうが正解に近い。
軸足はスポーツ。だけどライダーのことを考えたらこうなった。
つまりGSX-8Rっていうバイクの正体は……
『本質はスポーツバイクだけど、めちゃくちゃ快適なだけ』
ということなんだと思う(笑)
なので「結果として」はロングツーリングもガンガンいけちゃう! スポーティに走るのも好き、だけどツーリングも楽しみたい。その最適解として導かれたのがこれ!
(下に続きます)
碓氷峠 旧道をスポーツバイクとして楽しんだ後、鬼押しハイウェーから北志賀高原道路、渋峠をつないで走る中、私(北岡)はこんなことを考えていました。
GSX-8Rの万能さは、あらかじめ『万能であること』を目指して生み出された訳じゃない。
スズキ流儀に則ると「フルカウルスポーツでもこうなる」っていう、最もわかりやすい例がGSX-8R。
なんとなくだけど、納得しません?
そりゃあねぇ……スポーツ性能もツーリングも、高い次元で楽しめるわけですよ!?