20年前のDR-Z400SMと『最新DR-Z4SM』で最も差が大きいのは?
排気量400ccという制限下において、サーキットで速く、公道でも楽しめるスーパースポーツを作るとしたら?
そこに対してスズキが導き出したひとつの回答が『スーパーモタード』というカタチ。使えない超高回転域のパワーじゃない。最高速でもない。
軽さと共に、エンジン性能を『余すことなく引き出す』ことによって得られるもの……
ぶっちゃけ言ってしまいますが、スペック上では先代DR-Z400SMはエンジン最高出力40馬力で新型DR-Z4SMよりも上です。さらに車両重量も145kgと軽い。
重量に関しては、現代の法規に合わせて必要になる補器類や排ガス規制への対応などで「いかんともしがたい」部分があるので今回は割愛。でも先代モデルは最高出力も40馬力です。それらを鑑みると『先代DR-Z400SMのほうが速そう』に見えるかもしれません。
だけど、仮に私(北岡)が2人いて、サーキットを舞台に『よーいドン!』の競争するとしたら、新型DR-Z4SMのほうが絶対にタイムを出せます。
そう断言できる理由。それは『制御』の技術進化です。
わかりやすいところで言えばトラクションコントロールもそのひとつ。サーキット想定の話ですが、思いっきりアクセルを開けて、万が一タイヤがパワーに負けてスライドしてもセーフティネットが用意されている。この安心感が圧倒的。自信を持ってライディングできます。
さらに言えば『もっと上のレベル』で走る人に向けて、一定のホイールスピンを許容するG(グラベル)モードなんていうものまで……これは『リアタイヤを滑らせながら走る超人向け』のモードだと私は解釈しています。
なぜって、スズキの言う『一定のホイールスピンを許容する』は、私にとって『けっこうホイールスピンする』だから(笑) オフロードコースにおける4Sの体験が身に刻まれております。
走りのレベルに合わせて選べるトラクションコントロール。まず、ここが強い。
でも、それ以上に!
もっとシンプルに、どの瞬間、どんな局面においてもアクセルを開けられること。そのエンジンの扱いやすさこそがDR-Z4SMの核心なのだと感じているんです。
アクセル全閉から1mm開けた時の滑らかなパワーの立ち上がり。そこから高回転域へ向かって盛り上がっていく加速時のフィーリング。そこに恐怖感や気難しさが無い!
これがカリカリにチューニングされたDR-Z400SMだったとしたら? 私にはたぶん新型DR-Z4SMと同じように旧モデルを走らせることはできません。キャブレター車ならではのダイレクト感はきっと楽しいと思う。でもタイムを計ったら歴然とした差がつくのは間違いない。
制御の技術というのは日進月歩です。昨今では1年くらいでも圧倒的に進化します。約20年前に発売されたDR-Z400SMは『制御』において絶対的に新型には及びません。
その技術を武器に、新型DR-Z4SMはエンジン最高出力38馬力の全性能を引き出せるように調律されている。
見せかけのハイパワーではなく、38馬力を使い切らせる。なんともスズキらしい『速さ』へのアプローチと言うほかにありません。
まあ……それでも実際はポテンシャルが高すぎて、私自身は「性能を100%引き出せている」というレベルにはない到底届かないのですが(笑)
ただ性能を引き出していける感触はあるんです。拒絶はされない。乗り込むほどに奥が見えてきて、その感じがなんとも楽しい!?
だから、走ることに夢中になれる!
ところで……よくDR-Z4SMのレビューや動画に『初心者には難しい』とか『ライダーのミスがそのままバイクの挙動に出る』という評価を見かるのですが、私はそれらを見ていて思うことがあります。
『そりゃエキスパートな人が限界レベルで走らせようしたら、そうなんだろうけど……』と。
バイクに長く乗っているだけの自称・中級ライダーの私(北岡)や、一般的なライディング技術の普通のライダーはそんなエグいレベルで走りませんって(笑)
ちなみに私はこのバイクの走りでミスをしても、それによって『危ない目にあった』という記憶は一度もありません。エンジンと車体(新設計フレームや前後サスペンション)の性能が優秀すぎて、私の腕前でのミスくらいは許容範囲内らしいです。
そんなのバイクに乗せられているだけだろ!? って言われそうだけど……でも本人的にはすっごく楽しいからOK!
(下に続きます)
むしろ私としては、DR-Z4SMは『自分なりのスポーティさ』を目いっぱい発揮できるバイクだと感じています。
なのでDR-Z4SMが気になっていて『でも難しいんでしょ?』なんて思っている人がいたら(全国に試乗車がけっこうあるので)一度、乗ってみてください。
DR-Z4SMだけじゃないけどスズキのバイクは『乗り手』を絶対に否定しないから大丈夫。他人から聞いた話じゃなく、自分自身の感覚でこのバイクを判断してみて!
そうしたらたぶん……
目からウロコが落ちると思うよ~?(笑)