Vストローム1050DE、ガチすぎじゃない?
2023年モデルとしてスズキはVストローム1050にフロント21インチホイールを履いた新型をラインアップすると発表。誰が見たってハードな悪路に突撃したくなる系の大型アドベンチャーバイク。それが『Vストローム1050DE』です。
だけど私(北岡)は実のところ、このバイクに対してちょっと疑問を持ってる。
『これちょっと、ガチすぎじゃない?』
ぶっちゃけ、そう思うのだ。
Vストローム1050シリーズは、そのエンジンがスポーツバイク由来なだけあってオンロードがめちゃくちゃエキサイティングに楽しめるバイク。
だから『Vストローム1050』で完全オフロード志向な冒険バイクは、ちょっと違わないか?と思ってしまう次第であります。
そして単純に現行車のVストローム1050XT(フロント19インチ)が好きっていうのも理由のひとつ。さらに言うと、大排気量アドベンチャーはフロント19インチがちょうどいいとも思っていることもある。
また、何より重要なのが、私の個人的な感覚として『重量級のバイク(私の個人的基準では重量240kg以上)がフロント21インチを履くと、オンロードで“我慢”しなければならないシチュエーションが出てくる』と考えていること。
これは経験からくる話なんだけど、悪路想定の21インチの細いフロントタイヤでヘヴィ級ボディの(オンロードでの)走りを完璧に支えるのは、ちょっと無理がある。フロントタイヤに掛かる負担が大きすぎる、と感じてならないのです。
他はいざ知らず、Vストローム1050/XTにおいてオンロードの爽快さがスポイルしたら、それは本末転倒なんじゃないか? と。
Vストロームミーティング2022で実車が初披露
そう感じている私の前に、Vストロームミーティング2022の会場で実車が初披露。しかも、開発のチーフエンジニアの人(安井信博さん)もいるという。
なので遠慮なしに疑問をぶつけてみました!
ぶっちゃけ聞きます!!!!
『Vストローム1050DEって、マトモにオンロード走れるんですか?』
安井さん『え? 全然大丈夫ですよ?だって Vストロームシリーズはどこまで行っても、メインはオンロードですから。オンロードの走りがつまらなくなるようなことはしません』
初手から撃沈。「なんでそんなこと聞くんですか?」くらいのレベルでキョトンとした顔をされてしまった……だけど、この程度ではメゲません! だって21インチのフロントタイヤめっちゃ細いでしょ!? Vストローム1050DEの重量って252kgですよね? さすがにワインディングでの楽しさは“今までどおり”とはいかないんでしょ?
安井さん『それは他社のバイクの話でしょうか? そういうバイクはオフロード想定でサスペンションのストロークがもっと長いと思います。でもVストローム1050DEはオンロードも楽しめるようにストローク量を170mmにしてます。現行モデルより10mm長くなってますけどね』
タイヤの性能をきちんと活かせるようにサスペンションでサポート、あるいは最適化している……というのか? そう言われてしまうと反撃しにくい……たしかに、それはある。だけど、それにしたって19インチの『XT』を無くさなくてもいいんじゃ?
安井さん『サスペンション自体の性能がどんどん良くなって、進化してます。私も開発段階で乗ってビックリしたくらいです。正直、XTが持つ良さはカバーできてると思ってます。しかも今回は双方向クイックシフターも付きますからね、走るの楽しいですよ?』
あくまでVストロームとして軸足はオンロードに。だけどVストローム1050XTでは踏み込めなかったエリアにまで踏み込むため。そのための21インチ化、なのだという。うん……勢いよく突撃したわりに、私ちょっと立つ瀬がない。
安井さん『むしろ気になってるのはシート高なんです。フロント21インチ化でどうしてもシート高が高くなっちゃう。シート高880mm。いちばん懸念したのは、むしろそこです。ちょっと跨ってみてください』
そうそう! それも!!!
重いバイクで未舗装路に入っていって、つま先ツンツンの足つき性とかほんと無理! もし立ちゴケでもしたら二度とバイクを起こせない、って思っちゃう。身長176cmの私でもシート高880mmは、ぶっちゃけハードル高いですよ!
安井さん『あ、でもけっこうイケますね。左足はベッタリ。よかった! 両足はどうです?』
……わりと普通。少なくともツマ先ツンツン状態じゃない。
正直、これまで乗ったことがある『シート高880mm』のバイクとしては抜群に足つき性がいい。もっとこう、足を下ろした瞬間に“そこに地面が無い”と感じるレベルだと思っていたのに……
安井さん『こういうのは数値だけじゃなく、シートの形状とか足の下ろしやすさも大きく影響しますので。どうですか? 乗れそう?』
いや……たぶん普通に乗れます。体感的には、せいぜいシート高850mmレベルかと。
ちなみにこの時点で既に『ちょっと早く乗ってみたいかも』という心境になっていたが、それをチーフエンジニアには伝えていない。まだ実際にVストローム1050DEの走りを体感した訳じゃない! というのが疑り深い私の言い訳だ。
Vストローム1050DEは今回ミーティング会場で初披露された3台の中では、いちばん早く続報が出てくると聞いている。確証がないので話半分だが、年内にも新しい情報があるとかないとか……
(下に続きます)
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また、チーフエンジニアの安井さんは『オンロードの楽しさがスポイルされることはない』と断言した。よござんす……それでは期待させてもらいましょう。
私程度のライディングスキルの『普通のツーリングライダー』も楽しめるバイクなのかどうか、上級車専用の難しいバイクになっていないか?
Vストローム1050DEに乗れるタイミングが来たら、それを確かめさせて頂きます。
首を洗って待ってろよ? Vストローム1050DE!!!