捕まえられるものなら捕まえてみろ
例年にない厳戒態勢を敷いた我々『スズキのバイク!』ニセブサ特別捜査本部は昨年よりも多くのニセブサをオーナーごと摘発することに成功。その一方で現場の捜査員には焦りがにじみ出ていました。
『数が多すぎて本会場での取り締まりができない……』
予想を遥かに超えるニセブサの急増により張り込みをしていた聖地『隼駅』から動くことができなかったのです。本会場となる船岡竹林公園こそニセブサの巣窟となっているはずなのに……
そういった焦りを抱くには理由がありました。
我々は『隼駅まつり2025』における特別捜査本部の設置を、8月10日(日)の前日9日に宣言したのですが……
特別捜査本部設置の情報開示に対し、大胆にも複数の声明が出されていたのです。
逃げ切る自信があるのでしょう……古参のニセブサ乗りとして手配されている「ろみ@初心者ライダー」氏は自らの手口を事前に明かしています。また、別件事案であるスズキのバイク!特別企画『#俊宏社長とツーリング』にも大きく関与している「ゆうちゃんお父さん」氏は既に潜入に成功していることを表明していました。
クッ……挑発か!?
これは『捕まえられるものなら捕まえてみろ』 というメッセージに違いありません。事実として上記2名はSNS上に多数の痕跡を残しながらも、我々にはその尻尾すら掴ませず逃走に成功しています(←ごめんなさい! 次回はちゃんと摘発します!)
そして、遅れて掛けつけた本会場では恐れていたとおりの光景が広がっていました。ここから先はオーナーの検挙に失敗し、むざむざ逃走を許してしまったニセブサの記録となります。
昨年よりも『愛情』を感じる
会場を訪れて間もなく発見したのは昨年に初潜入を試みたと思われる650ccビッグオフローダー風に偽装された『隼』でした。
一度ならず二度までも……これはもう確信犯と断定するしかありません。
いやそれマルチプルLED……じゃないだろっ!?
昨年はA4コピー紙ベース中心の偽装方法でしたが、本年度は愛情あふれる「手書き」に進化しているのが大きな特徴です。一生懸命書きました!という雰囲気が伝わってきますが情状酌量の余地はありません。またヘッドライト部分にもニセブサ化が浸食・拡大されていました。
やはりニセブサには強い常習性があることを示しており、オーナーの『重度ニセブサ依存症』への進行が懸念されています。
また当該車両はトップケース上に『俊宏社長のご神体』を拘束していたため、オーナーを刺激しないよう配慮する必要が生じていました。成す術がない、とはまさにこのことです。
けれど社長は雨対策も(お手製で)完璧でした。愛があるねぇ……
意図的なのか?
こちらの車両はイタリアの風を感じる鮮烈なイエローをまとった『隼』ですが、偽装方法が混迷を極めています。SUZUKIのロゴ……どうしてそうなった!?
また、車両オーナーは近年、勢力を著しく拡大している広域指定ニセブサ団『雀(すずめ)』に属したグループの構成員である可能性が否定できません。
同時に、別件ではメーカー名に非常に不審な点が残る車両も確認されています。
写真の車両は一見、問題なくSUZUKI車に見えますがロゴが改ざんされている痕跡が認められました。しかし、オーナーを発見できず検挙に失敗……スズキ車かどうかは謎のままとなっています。
というかこういうアイデア力……素直にスゴいって思いません?(笑)
みんな同じこと思ったよね?
……やってくれたな。
次に発見されたニセブサはスズキ伝統の油冷エンジン搭載車……かと思ったら水冷のバンディット1250Fでした。会場でこのバイクを見かけた人はすべからくこう思ったことでしょう。
『それ、字が違ってるぞ』と。
隼ではない『準』です。
こちらは真正のスズキ車であることから非常に複雑な案件として扱われています。仮にオーナーを発見しても『いえ、これは準ハヤブサですから』と言い訳された場合、我々には手の出しようがありません。
先の【ニセブサ白書2025 ③】で検挙した脱法ニセブサに続き、またしてもグレーゾーンか!?
カラーリングに騙されるな!
スズキ車の人気色のひとつでもある『ブラック×レッド』を巧妙に利用し、会場に溶け込んでいたカ〇サキ製の『隼』は非常にスマートな佇まいでロゴに違和感を感じさせないことが特徴です。
なんならこういうバイクありそうだよな……と思わせるのが狙いでしょう。当該車両のオーナーは知能犯「インテリニセブサ」である可能性が高まっています。そこには『美学』すら感じることができました。
大胆さで右に出るものはいない
クルーザータイプ!?
捜査班は瞬時にニセブサであると断定。白タンクを覆うレベルの大きさの『隼』ロゴが盛大に違和感を放出していました。
当該車両からは偽装以上に「捕まえてみな!」という挑発の意思すら感じることができます。
それにしてもこのロゴのサイズ……まさかスズキ純正か?
最新のニセブサ界隈ではスズキ公式、あるいはメーカー純正品を流用して精密な偽装を施すケースが後を絶ちません。こういった精巧な偽装の増加により、捜査は年々、困難の度合いを増しています。
でもこの大胆さ、けっこう好き。
(下に続きます)
先日、表の『隼駅まつりイベントレポート記事』を公開した際に、捜査員および編集部より『報告書制作の遅延』に対するお詫びを発布させて頂きましたが、これがその理由です。
私(北岡)としては、例えば超新型車両インプレッション/レビュー以上に『ニセブサ案件』はエネルギーの必要な事案へと成長してしまったと捉えています。
しかし、まだ終わりではありません……
でも(ようやく)次で最後だ!
ある意味では雨の『隼駅まつり』を裏で支えた立役者!? 情熱的なニセブサたちの饗宴、最後までお楽しみくださいませ!