膨大な量のレポートとなった令和7年度版『ニセブサ白書2025』の最終報告書を提出いたします。

隼駅まつりに行きたいなら『隼』になってしまえばいい

厳戒態勢を敷きながらも隼駅まつり2025のイベント会場「船岡竹林公園」は想像を超えた『ニセブサの巣窟』と化していました。

今回の一斉摘発において非常に興味深かった傾向としては、摘発された複数のニセブサ乗りが「隼駅まつりに行きたい。でも自分のバイクは隼じゃない。隼になってしまえば幸せになれる」という思想を共有していることでした。

この傾向から捜査本部では背後にニセブサへの勧誘および扇動を行う思想家の関与を疑っています。

本年度は見通しが甘く、潜入した捜査員(北岡)と鑑識(カメラマン)だけでは圧倒的に人出が足りませんでした。そのためむざむざ数多くのニセブサの逃走を許してしまいました。

これは“戒め”であると同時に、来期に向けた対策のためのレポートです。

自由すぎる250ccアドベンチャー隼

車両の特徴を隠すため、主要なディテールに隠ぺい工作を施した形跡が見られる『隼』を発見。

しかしながら当該車両は「SUZUKI」であることに加え「V-Strom」のロゴを隠す意思がないことが特徴。そうでありながら強い違和感を与えるのは、その車両に施された「フリーダムすぎる偽装」でした。

丸目ヘッドライトだということが正確にわかれば摘発の対象なのですが、巧みにヘッドライト部分が隠ぺいされており証拠不十分。それ以上に主張するのは手書きの「鳥のようなイラスト」のメッセージです。

どことなく日本〇空のシンボルマークに近しいものを感じますが「はやぶさ」と明記されているため「隼」である可能性を否定しきることができませんでした。

身元を隠す狙いかナンバープレートにも隠ぺい工作が施されていました。衝撃的だったのはシンボルマークの「鳥のようなイラスト」もフロント部分とはまるで趣が違っていたこと。

偽装として考えるならば「前後とも同じようにする」のが定石ですが、当該ニセブサは限りなく無秩序。これらの証拠画像はオーナーの性格をプロファイリングするための有力情報として鑑識に回されてます。

自由すぎるだろっ!?

背後に大物が関与か?

先の【ニセブサ白書2025 ④】の冒頭において、潜入成功の声明を出した挙句、見事に逃走に成功した「ゆうちゃんお父さん」氏の車両と共通点をもった『ニセブサ』を確保。

当該車両のベースはおそらくGSX250Rと推測。大胆にも自ら『偽隼』を名乗っています。しかしながらGSX250RにはGSX1300RのDNAが確認されるケースがあるため立件することができませんでした。

焦点となる偽装ロゴの入手経路は……?

GSX250R系『偽隼』グループの存在が否定できません。捜査本部では、組織を操る指示役こそが広域手配中の「ゆうちゃんお父さん」氏ではないか? との見解も示し、背後関係を調査中です。

強く主張しなければ『無罪』なのか?

おそらくホ〇ダ製の車両ではないかと推測されますがメーカー名に注意深く目隠しが施されていたため断定できず。当該車両には『隼』を強く主張する痕跡が見当たらなかったため、発見当初は『ニセブサ』として扱うことができませんでした。

しかし鑑識(カメラマン)による徹底的な調査の結果、うっすらと「はやぶさ」の文字を確認。あえて主張を抑えることで捜査の手を逃れようとしたケースと考えられています。

話題のニセブサを気取りたかった……でも最初だからこれくらいで……という逡巡。

当該車両のオーナーが初参戦組の可能性を示唆しています。

圧倒的な『SUZUKI感』による目くらまし

スズキ車の人気カラーのひとつ「レッド×ブラック」を利用して会場に溶け込む手法は、先の【ニセブサ白書2025 ④】でも報告されていますが、それと同系統と思われる個体を発見。

こちらの車両はフロント部分で強力に「SUZUKI」を主張することで他の違和感をごまかし、会場に違和感なく溶け込んでいました。

誰がどう見ても「これはスズキ車だな」と見逃してしまうことでしょう。しかし、歴戦の捜査員の目を欺くことはできません。

真実はいつもひとつ。

その圧倒的なスリムさから、250cc単気筒ライトウェイトスポーツ系の偽装車両と見抜くに至りました。

当該車両における注目箇所は完璧に近い防水の施工方法です。

雨によって「ボロを出さないため」に慎重に偽装が施された形跡が認められます。また車両名と思しき箇所は入念に黒く潰されていました。非常に精度の高い『ニセブサ』と言うことができます。

捜査の手が回らず……確保に失敗

スーパースポーツ直系の心臓部を持つツアラータイプの『隼』を鑑識(カメラマン)がオーナーごと発見。

しかし鑑識班が対象に遭遇した際、捜査員は別件を追いかけていました。応援要請により捜査員が駆け付けた時にその姿は既に無く……あと一歩で確保できたのですが逃走を許してしまいました。

パニアケースの偽装『隼ロゴ』は……台紙ごと貼り付け?

文字だけ貼るよりも逆に主張が強い、という結果を生み出しています。

2025年は『ホ〇ダ』と『カワ〇キ』の工作員が増加傾向

神テープだけど「それっぽい書体」に見えるこだわり感

全体的な傾向して本年度2025年は『ホ〇ダ』および『カワ〇キ』の工作員による潜入が多い傾向が認められています。

これまではスズキ車ベースのニセブサが主流とみなされてきましたが、本年度は他メーカー車両による偽装潜入に著しい増加傾向が認められました。

隼駅まつりの参加条件には基本的に「隼でなければならない」または「スズキ車でなければならない」といった項目は存在しません。

そのためか最新のニセブサ界隈では他メーカー車両がスズキ車を上回るほどの存在感を放っています。

同時に、それら他メーカー車両によるニセブサは「車両名だけでなくメーカー名まで躊躇なく偽装する」という傾向が強まっており、今後のニセブサ拡大・常態化に強い懸念が示されています。

また本年度よりは「SNS型ニセブサ案件」にも強い危機感を頂く結果となりました。

逃走に成功後、捜査本部へスパム攻撃を実施か?

理由は不明ながらセキュリティシステムに「スパム」の嫌疑を掛けられている声明なども見受けられました。今後は捜査本部へのサイバー攻撃にも警戒していく必要性が増してくるかもしれません。

2025年『隼駅まつり』は終日、雨でした。

にも関わらずニセブサは絶対数の増加だけでなく複雑化・深刻化の一途を辿っています。もしも来年2026年のイベント開催が『快晴』となったら……想像を絶する事態に発展することはもう避けられないのかもしれません。

(下に続きます)

いつか自分もニセブサに生まれ変わって自由に羽ばたきたい……

頭の片隅にそんな想いが芽生えているのならばご注意ください。ニセブサという『深淵』をのぞき込む時、深淵もまた貴方のことを見ています。貴方がそれを望むように、貴方の愛車もニセブサとなることを欲しているのかもしれません。

これにて『ニセブサ白書2025』レポートを終了いたします。

私は……2026年が、恐ろしい。

【報告書作成:ニセブサ特別捜査本部 北岡博樹】

【ニセブサ界隈のみなさまへ】雨にも負けず『隼駅まつり2025』を盛り上げてくださって本当にありがとうございました! 来年2026年も元気にニセブサで会いましょう!

【ニセブサ白書2025】別角度で楽しむ『隼駅まつり2025』はこちらです!

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