従来型から6600円アップのみの価格って奇跡では?
去る9月2日に突然発表された新型アドレス125。発表当初はスズキ公式からの写真配布も少なく、なんとなくですが「しれっと発売されました~」という感触がありました。
ところがスズキさんが改めて『アドレス125の新商品説明会をやる』というので伺ってみたところ……いや新型アドレス125、めちゃくちゃ気合いが入ったニューモデルだった!?
まずデザインですが、従来型を踏襲しているようでけっこう違う!
こういうのは並べてみるとわかりやすいので……
まず、こちらが新型です。
アドレス125(2025NEW)
続いて従来型。
※写真は旧モデル
同じブルー系カラーで比較してみます。色としてマットと艶ありの違いはあれど、新型はフロントもリア側も全体的にシュッとしてます。クラシカルさは残しつつ、現代的な洗練さが上乗せされた感じ。
先代モデルの全面的に親しみやすい雰囲気も悪くないですが、比べてみると……やっぱりけっこう違いがある!?
でもそれ以上に驚いたのは……
新型アドレス125はエンジンも大幅刷新だった
こちらです。エンジン。黄色い部分が従来型から変更された部分……って!?
これ、大刷新レベルでは?
新しいエンジンは最高出力発生回転数が250rpm引き下げられたことによって8.4馬力となっていますが、最大トルクは1.0kgのまま。それを従来型より500rpm低い5000回転で発生します。
より常用域を重視した「高トルク型エンジン」を目指したということでしょう。125ccスクーターは最高速を競うバイクではないので、実際に乗ってみたらパワーダウンなんて感じられないと思います。体感的ではむしろパワフルになったと感じるかも?
同時にエアクリーナーボックスの形状変更やマフラーの変更、ECMの最適化など多岐にわたる改良が施されています。
トルクは従来型に対して低回転から高回転域の全域でトルクの総量を向上。しかしこの変更以上にCVTの設定が見直され、エンジン回転数の上昇にともなって加速していくフィーリングとなったことが気になっています。
基本的にCVTは最初にエンジン回転数がバーン!と上がって、そこから「加速はするけどエンジン回転数は下がっていく」みたいな状態になるので……新型は体感的に気持ちいい走りが楽しめそうです。
2025NEW
そして新設計となったフレーム!
こちらも見比べてみるとわかりやすい。下の写真が従来型です。
OLD
ご覧の通りかなり違う。これによって従来型よりもねじり剛性が25%向上。重量も1kg軽量になっているとのことです。
この新設計フレームの採用でカチッとした走りの手応えや安心感が得られるほか、サスペンションの動きも従来型より良くなるとか……ちなみに特にアナウンスはありませんでしたが、開発者のかたに聞いたところサスペンション自体も前後ともに新しくなっているそうです。
またエンジンブラケットの形状も変更されており、エンジンから伝わる振動が低減されているとのこと。
今回の刷新で、特にスズキさんが強く主張していたのは『高級感』と『静粛性』でした。特にエンジン始動時の静粛性に関しては始動方式の変更により、従来型よりもかなり静かになっているようです。
わざとらしくならない範囲でメッキパーツをあしらってみたり、そのデザインをテールランプにも統一させてみたり。
走りの部分で追求した『上質さ』を外観上の細部でも表現しています。
それでいてスズキ車らしく実用性は絶対に捨てない!
嬉しいことに日本仕様では「見るからにタフ」なリアキャリアが標準装備となっています。
まぁ、みなさんこのバイクを買ったらほとんどの人がトップケースを付けると思うんですよね……なのでキャリアが標準装備になっているのは嬉しい限り!
そして従来型では左側だけだったフロントのインナーラックが右にも追加され、左右に装備されたのもありがたい部分です。乗ってみるとわかるけど、フロントインナーラックってめちゃくちゃ便利なので(笑)
もちろんUSB給電ソケットも完備!
さらに、給油口がリッドつきになったことも新型の要チェックポイントです。
見た目としてリアまわりがスッキリするのも嬉しいですが、このリッドはキーシリンダーの部分で開閉操作ができるので『給油のたびにいちいちキーを抜かなくていい』のが実用面で大きなメリット!
そして個人的に大ヒットだったのが!?
リッドの裏側に『タンクキャップを置く場所がある』こと!!!
これねえ……いつも置く場所に困って、ついシートの上とかに置いちゃうんです。でもアドレス125ならそんな問題も解決! 4輪車では既にメジャーな装備ですが、それをバイクに持ってくるのは「さすがスズキ」というポイントでしょう。
細かい部分で言えば変更点はまだまだ他にたくさんあります。とりあえず目立った場所をまとめてみましたが……
これだけやった新型125ccスクーターが従来型から6600円の価格アップのみの新車価格28万500円(※10%消費税込)って。
奇跡か?
(下に続きます)
飽きのこないクラシカルな装いに、熟成されて高級感のある走りが追加され、そのうえ利便性もさらに向上した新型アドレス125。
デザイン的に『好き』なら迷う必要はどこにも無いように思えます。
さすがはインドで爆発的に売れているスズキの『スタンダード・スクーター』といったところでしょうか……新型アドレス125は妥協のない仕上がりになっている模様。現場からは以上です!