ソロ旅を愛するライダーは試して欲しいリアサスペンション調整
日常から高速道路、ツーリングシーンまで圧倒的な快適さを誇るバーグマン400。
特に高速道路クルージング性能は、新型になってスムーズさに磨きが掛かったように思えます。それでいて無条件で荷物が積めるんだから、街乗りだけじゃなく、旅バイクとしても最高!
なのですが……実はまだ先がありました。
バーグマン400はスクーターなのですが『さすがスズキだよなぁ』と思うポイントがひとつあります。
それがリアサスペンションです。リンク式のモノショックが入ってる。これがスポーティな走りと快適な乗り心地に大きく貢献している訳ですが……実はスクーターにも関わらず、きちんとプリロード調整機構を備えているんです。
とはいえ、ノーマルの状態で乗り心地が悪いということもない。なので、別にそのままでも良いんですが、せっかく調整機構がついているので試してみたんです。
ちなみに(笑)
プリロード調整は車体下部にある『フタ』を開けて行います。元々が見えない部分なので、バーグマン400(従来型含む)にプリロード調整機構があることを知らないオーナーさんも多いと聞きます。
で、ここにフックレンチを差し込んでバネの強さ(初期荷重)を緩めていきました。
作業風景は当然こうなる(笑)
地面に寝転がって、バイクの下にできるだけ潜りこむようなイメージ。ハタから見たら謎すぎる状態です。
もしオーナーさんがこれを見てトライする場合は、不審者に見られないようにご注意ください。あと、けっこう力をかけるので車体が倒れないようにパーキングブレーキを引いたり、フロントブレーキを何かで縛るなど思わぬ事故につながらないよう配慮をお願いします。
率直な感想として、けっこうカタかった!
作業はグローブ着用でやるほうが無難かと。素手でやると手が痛いです。
でもフックレンチ(クランプレンチ)は車載工具にありますから、やろうと思えばいつでもできますよ!
リアサス調整が大当たり! バーグマン400がさらに快適に!?
ひとり地面に寝っ転がって大汗かいて、なんとか作業を完遂……
やること自体は単純なんですが、サスペンションが目視できないのと、調整機構を回すのに若干のパワーを要求されるので、思ったより時間がかかりました。
ふたりでやるとか、素直にバイク屋さんに協力を仰ぐのも検討してください。
今回は初期設定の『標準4』から一気に『1』までバネを強さを弱めました。
こういうのはとりあえず極端に変えてみるほうがわかりやすいので。
でもその結果は、大当たり!!!
快適な新型『バーグマン400』が、さらに快適に!?
ノーマルでも特に不都合は感じてませんでしたが、プリロード調整でバネを強さを弱くした後の乗り心地は、言うなれば『極上』でした。
リアサスペンションの動きにしっとり感が出て、細かなギャップを綺麗に吸収してくれます。これを味わったら『標準4』にはもう戻せないかも……そう思うレベルです。
ただ、前提として私(北岡)は体重が53~54kgしかないので、体格によっては『最弱1』までバネの強さを弱くする必要はないかもしれません。このあたりはどうしても個人差があるのでご注意ください。
コーナーでアクセルを開けた時、より明確に後輪の接地感を感じることができるようにもなります。
反面、この調整によってリア側の車高がすこし下がるせいか、ハンドリングとしては、よりクルーザー的なキャラクターになります。ですが私の場合は、そもそもバーグマン400を『スズキで最もおおらかなハンドリングのバイク』と認識しているので、それが少々強くなったところで特に問題には感じませんでした。
それ以上に恩恵のほうが大きい。
この時はシート下のトランクスペースにそれなりの荷物を入れてますけど、その状態でも『これは、いいなぁ……』とヘルメット内で何度もつぶやいてしまうくらいの変化です。
高速道路の快適性も、輪をかけて安定感が増します。
サスペンションの設定を変えたからといって、持ち味のどっしり感は変わりません。軽すぎず、重すぎない重量のおかげもあってか、直進安定性が損なわれたりっていうことも一切無し!
クドいようですが、こういうのは体格によっても正解は変わります。だけど、私の場合は『やってよかった』としか思えませんでした。
ただし、タンデムはちょっと厳しい可能性があるので、ふたり乗りをする機会が多い人は『標準4』のままが正解でしょう。
(下に続きます)
だけどバーグマン400でソロ旅をするなら、これは試してみる価値、大いにアリ!
新型バーグマン400だけじゃなく、従来型でも同じことが言えると思います。ただでさえ快適なバーグマン400が、さらに化ける!?
実はこっちのほうがバーグマン400の『本領』なんじゃないか?って思うくらい。
これなら……北海道ツーリングだって、余裕かも!?