GSX-S1000の高速道路は『大人の自制心』が試される
ワインディング編でお話した通り、GSX-S1000の本質はかなりスーパースポーツ感。でもちょっとだけ優しさもある。
みんなが楽しめる150馬力のスポーツバイク。そういう感じでした。
でも、愛車ではやっぱりツーリングにも出かけたいじゃないですか。
ボクなら自分の愛車がどんなタイプでも、絶対ツーリング行くし。
ただ……GSX-S1000は148馬力もあって、しかもネイキッドスタイル。
ウインドプロテクションとか快適性はあまり期待できない気がします。
事実、高速道路では当然のように走行風が上半身を直撃です。
そこに加えてパワーは有り余ってるから、GSX-S1000はどんどん前に進みたがる(笑)
とはいえ日本の高速道路は法定速度/時速100kmが基本ですからね。
正直に言いましょう。高速はガマンです!(笑)
バイクのやる気にほだされないよう、むしろ時速90km以下でのキープレフト徹底がおすすめ。
そのくらいのほうが気持ちも落ち着きます。
で、遅い車に追いついちゃった時だけ、ちょっとパワーの片鱗を開放してバシュッ!っと追い越し。
一定のペースで走ると走行風が気になるので、あえて抑揚をつけて走ってました。
そうすると気づいたことが……
上半身はそりゃあ風が直撃しますけど、ボリュームのあるシュラウド等のおかげで下半身はけっこう綺麗に風が整流されているんです。
カッコだけじゃない。ちゃんと風洞実験しているんだろうナァ……と逆に感心。
それにGSX-S1000ってものすごいパワーだけど、パワーの出方そのものはわりとフラットなので一定速でのクルージングがそれほど苦痛に感じないと知りました。
乗り心地だってもっとゴツゴツするかと思ってたけれど、けっこう普通に快適。
むしろ高速道路でいちばん大事なのは誘惑に負けない大人の自制心です。
もう、これに尽きる(笑)
(下に続きます)
GSX-S1000は『のんびり走行』が苦手分野か?
そして高速道路を降りた後……ここからもまた『慣れるまで』が大変。
コーナーが迫るたびにがんばって走りたくなっちゃうんです……これはライダーの性格のせいだけじゃありません、おそらく。
だってGSX-S1000のコーナリング、楽しいんだもん。
GSX-S1000の音を味わう
だけど、だんだんGSX-S1000をゆっくり、かつ気持ち良く走らせる方法を身体が覚えてきます。
ギアは5速とか6速など高めで、エンジン回転数は2000~3000回転くらい。
それくらいで走っていると、GSX-S1000の野太い低音サウンドが心地よくなってきます。
エンジンは低速でも強いから、低回転キープでもスロットルだけでスイスイいける。
慣れると、思ったよりゆっくり走らせられるんです。
さっきの高速道路のほうが自制心MAXの連続なので(精神的に)キツかった(笑)
だけどフラットなパワー特性とトルクのあるエンジンがあるので、一般道/ツーリングの一定ペースはけっこう疲れず走れます。
速さじゃなくて、正確にバイクを操ることを楽しみながら走るイメージですね。
スピードを落としたら、もっとギクシャクして乗りにくくなるかと思ってたけど、わりと普通で拍子抜けしました(笑)
スーパースポーツ譲りとは思えないエンジン特性。本当に優秀です。