150馬力級のバイクを夢で終わらせない。そして作りこみにも妥協はない。GSX-S1000の装備やスペック的な部分の凄まじさは前編でお伝えした通りですが、150馬力級の動力性能って『普通のライダー』に扱えるものなんでしょうか?

GSX-S1000はのんびり系の大型バイクじゃありません

画像1: GSX-S1000はのんびり系の大型バイクじゃありません

スーパースポーツ譲りのエンジン、軽量で強靭な車体。

いくらストリート向けにチューニングされていると言っても148馬力のパワー。

『普通のライダーが普通に乗れるの?』って不安になるレベルのパフォーマンスを持つのがスズキのGSX-S1000です。

ここはひとつ、ハッキリ言っておきたいと思いますが……

画像2: GSX-S1000はのんびり系の大型バイクじゃありません

ツーリングが何より好きなわたくし(キタオカ)として、GSX-S1000は『のんびり走る』タイプのバイクじゃない!と感じています。

素性からしてもわかると思うけれど、軸足は完全にスポーツバイク。

それも、けっこうスポーツ重視だと思っておいてください。

GSX-S1000はアップハンドルのスーパースポーツ?

画像1: GSX-S1000はアップハンドルのスーパースポーツ?

バイクの世界にはスーパースポーツ譲りのパフォーマンスを備えたアップライトなライディングポジションのバイクを指して『スーパーネイキッド』と呼んだりもします。

広義で言えばGSX-S1000もそのカテゴリでしょう。

でも個人的にはちょっと違う感覚。

言うなれば『アップハンドルのスーパースポーツ』ですけれど、そこにもうひとつ足したい。

『アップハンドルの“みんなの”スーパースポーツ』

GSX-S1000って、そういうバイクだと思うんです。

画像2: GSX-S1000はアップハンドルのスーパースポーツ?

実際のところ、走りはかなりスーパースポーツ感が強め。

そう感じるのはエンジンよりも車体側です。特にアルミツインスパーフレームはストリート向けにチューニングされているとはいっても、かなり剛性が高く感じるんですね。

だから操作感というか、乗ってる感覚が相当スーパースポーツっぽい。

一度、走行ラインに乗せたら、がっしりそのまま、強烈に曲がっていこうとするタイプです。

画像3: GSX-S1000はアップハンドルのスーパースポーツ?

でもアップハンドルでツーリングもできそうなくらいの快適ポジションと、ストリート向けにセッティングされた前後サスペンションですから、完全なスーパースポーツのようには動きません。

視野が広くて、乗車姿勢はおおらか。だからライダー側の自由度も高い。

前提として、GSX-S1000にはそういう優しさがあります。

まぁこのおかげで、148馬力のハイパワーでも『乗ってみようか』っていう勇気を持つことができるんですけどネ。

(下に続きます)

画像4: GSX-S1000はアップハンドルのスーパースポーツ?

ただ、ボクの技術レベルが足りないのか、アップハンドルによりライディングポジションのせいなのか……コーナーへの進入から曲げていくまで、スロットルオンする直前まで、もうすこしフロント側に手応えを欲しく感じる時があるんです。

これはあまりにも『乗っていてスーパースポーツっぽい』せいで、同じような手応えを無意識で求めてしまうんだろうな、と自分なりに推測しました。

画像5: GSX-S1000はアップハンドルのスーパースポーツ?

でも、そこはライダー側が積極的にコントロールすることで対処できます。

曲げていく時に、なるべく前へ、そして下へ。重心を下げていくイメージで、ブレーキも併せてフロント側の安心感を作っていく。

そうするとGSX-S1000は、かなり満足感の高いコーナリングを披露してくれるんです!

画像: リアサスペンションはプリロード調整と伸び側の減衰力の調整が可能。

リアサスペンションはプリロード調整と伸び側の減衰力の調整が可能。

そしてハイパワーを受け止めるせいか、リアサスペンションはけっこう固めの印象です。

スロットルオンで明確に後輪のトラクションを感じられる方向性。

このあたりはライダーの乗り方とか好みにもよりますけど、ツーリングバイクが好きなボクの場合だと(体重も軽いので)コーナー進入時にもう少しリアサスが動いてほしい感覚があります。

なので恐らく、もし自分がGSX-S1000のオーナーになったら、しばらくリアサスペンションを自分好みにするためにプリロードや伸び側の減衰をイジって遊んでいることでしょう(笑)

画像: KYB製倒立フォークはフルアジャスタブル

KYB製倒立フォークはフルアジャスタブル

こういう調整幅が残されているのって、本当にありがたい。

というか、前後ともサスペンション調整機構が備わっていることも驚異的。前編に引き続き、ライダー想いの『スズキの良心』に感謝です……

GSX-S1000は走りを楽しむためのバイク

画像1: GSX-S1000は走りを楽しむためのバイク

なので基本的にGSX-S1000というバイクは『スポーティな走りが大好きなライダー』に推したいと思います。

これぞ大型!これぞスポーツ!

エキサイティングな走り感を求める人に、自信をもっておすすめできるバイクです。

画像2: GSX-S1000は走りを楽しむためのバイク

でも『そこまでは求めてないよ~』という人もいると思います。

だけど前後17インチタイヤのハンドリング感は捨てたくない、という場合にはフルカウルを装着したGSX-S1000Fという選択肢もあります。Fのほうがサスペンションの変更などで、もっとしっとり感がありますからね。

ただ、走りの感覚で言うならば、実は個人的におすすめなのがKATANAだったりします。

GSX-S1000とKATANAはエンジンとフレームを共有していますが、KATANAはトータルで運転がもっとイージーになるようアジャストされているんです。

もちろんスタイルも価格も違いますから、一概には言えません。

あくまで走行感覚に限定して、の話だと思っていてください。

GSX-S1000は『ツーリング向き』じゃないのか?

ところで、わたくし(キタオカ)はツーリング大好きなので、GSX-S1000でツーリングは楽しくないのか? という部分に尽きぬ疑問が残ります。

スポーティな走りもいいけれど、やっぱりツーリングもしたいじゃないですか(笑)

画像: GSX-S1000は『ツーリング向き』じゃないのか?

ですからお次は『ツーリング』にチャレンジ!

148馬力のスパルタンなバイクで、長距離走ってみます。

楽しめるのか、それとも修行か?

続編もよろしくお願いいたしますね!

続編▶▶▶GSX-S1000って普通にツーリングもできますか?

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