セパハンのバイクは『ゆっくり走る』のが苦手分野
お洒落バイクっぽいけど、けっこう真面目にスポーツバイク。
SV650Xは跨ってみると『えっ!?』って思うほどの前傾姿勢バイクです。
でも最高に気持ちいいエンジンと、排気量の余裕のおかげで高速道路は意外と平気だっていうことは、先の【高速道路編】でお伝えしたとおり。
だけどセパハンで前傾姿勢のバイクがキツくなるのって、実は一般道なんですよね。
ツーリングだと高速道路を降りてから、のほうがむしろ勝負です。
なぜってツーリング先の幹線道路や街中は、信号待ちでのストップ＆ゴーもあるし、前を妙に遅いクルマに塞がれて、淡々と走らざるを得ないシーンが頻発するから。
ガチ前傾姿勢のセパハンのバイクを所有したことがある人はご存じだと思いますが、長距離を走って疲れてくると、信号待ちでハンドルから手を離して身体を起こすのもひと苦労。
でも、そのまま前傾姿勢を続けているのも手首が痛い、って状態になるんですよね。
SV650Xはきっちり前傾姿勢なので、疲れてきたらやっぱり同じことになるでしょう。
でもそれは『疲れてきたら』のお話。
SV650Xは前傾姿勢だけど、個人的にはそもそも疲れにくいバイクだと思うんです。
これは私（北岡）が隼のオーナーとして、そう感じているということを付け加えておきます。
SV650Xを『疲れにくい』と感じる理由
誤解のないように言っておきたいのは、SV650Xが『比較的、前傾が緩いから快適』という訳じゃないこと。
そこは最初の【疑問編】を参照してみてください。
SV650Xはキッチリと前傾姿勢ですので、疲労がたまって手首や腰が痛くなってしまえば、順当にセパハンの厳しさを感じることになると思います（笑）
ただ、そこに追い込まれるまでに、かなり余裕がある。
ライダー身長／176cm
その理由はまず、足つき性の良さです。
SV650Xのシート高は790mm。例えば前傾姿勢の代表格となるスーパースポーツだとシート高って830mmくらいになると思うんですが、それくらいになると身長176cmのわたしでも、軽くカカトが浮きます。
やっぱり地に足が着いているのって、安心なんですよね。
信号待ちでも、その時間をちゃんと休めます。
もうひとつ言うと、その足つき性の良さに加えて、650ccならではの軽さが大きなアドバンテージ。
なにせ車両重量は197kgで、バイクを支えている時の気軽さが400cc状態だし、サイドスタンドからバイクを引き起こす時もヒョイッてなもんです。
それなりの前傾姿勢なSV650Xですから、最初に言ったような疲れるシチュエーションになれば、やっぱり疲れます。
だけどこのバイク、ちょこちょこ休めるんですよ。
軽さと足つき性のどっちが欠けてもダメです。この両方が揃っているからこそ、疲れにくい。
すこし休んで、再び走り出す。その時の気力が衰えません。
軽さに関しては完全に650ccならではのメリットですし、足つき性に関してはベースになっているのが快適ネイキッドの『SV650』だってことが大きいんでしょうね。
セパハンだけど『SV650X』はツーリングを楽しみやすい
SV650XはベースになるSV650からして、想像以上にスポーティな性能を持ったバイクです。
そしてセパハンのSV650Xは、ベースモデルよりも間違いなくスポーティに整えられてる。
だけどセパハンのスポーツバイクとして考えるなら、他より余裕を持てることも事実なんです。
ツーリング特化型のバイクのように快適だとは言いません。
だけど、無茶なスケジュールさえ組まなければツーリングだって楽しめる。
なかなか良い塩梅。絶妙なサジ加減です。
まぁでも、こうやって走ってみて改めて思うのはSV650Xっていうバイクの本領が、やっぱり『走り』にあるんだっていうこと。
最高出力は76.1馬力。
ミドルクラスは扱いやすいなんて言われますけど、それを突き詰めて『すべてを使い切ろう』なんて欲を出すと、甘くないってことを思い知らされました。
（下に続きます）
最後にすこし、そこにも触れておきたいと思います。
650ccっていう排気量の奥の深さ。それを楽しませてくれるのが、ひょっとしたらSV650Xの最大の魅力かもしれません。