写真：関野 温、岩瀬孝昌 文：岩瀬孝昌（編集部）
ジクサーSF250の油冷エンジンは単気筒でも高回転まで回る！
現在の250ccクラスのスポーツバイクは2気筒エンジンが主流となっています。
ですから単気筒エンジンと聞くだけで物足りなさを感じてしまう人もいるかもしれません。
特に長距離を走るツーリングとなると「単気筒だと疲れそう…」とか「パワーが足りないかも…」と思えてしまうのも分かります。
実のところ、筆者の私（岩瀬）もそう思うことがありました。
しかし、油冷・単気筒エンジンのジクサーSF250に乗ってみると、その思い込みが簡単に打ち破られました。
それは「油冷エンジン」のバイクに初めて乗ったからかもしれません。
エンジンのフィーリングは空冷エンジンに近いのですが、水冷のような安定した回転上昇とパワー感もあり、単気筒でありながらエンジンそのものの限界値がとても高く感じます。
空冷とも水冷とも違う、不思議な感覚が味わえる唯一無二のエンジン。
ただ、誤解を恐れずに言えば「楽しさには気筒数なんて関係ないんだなぁ」って思うくらい、乗っていて面白いんです。
発進してすぐの低速域からトルクが立ち上がり、気持ちよくエンジンの力強さを感じるのは3000〜4000回転くらいからでしょうか。
街中なら6000回転も回っていれば充分スムーズに走れますが、それを超えたあたりからも、さらにレスポンスが良くなる印象。
高速道路でさらに加速して〜100km/hで巡行するなら、6速7000〜8000回転くらいが気持ちよくツーリングできます。
本来なら単気筒のエンジンをそこまで回すと、かなり振動が伝わってくるはずなのですが、ジクサーSF250は不快な振動が全くと言っていいほど感じられず、単気筒エンジンに乗っているのを忘れるほど。
実はジクサーSF250の「油冷・単気筒エンジン」って、かなり高回転まで回るエンジンなんですね。
300kmツーリングでも、ぜんぜん疲れなかった250ccフルカウルスポーツ
ジクサーSF250の油冷・単気筒エンジンは、どちらかと言えば、低速から気持ちいい「高トルク型のエンジン」ではあるけれど、想像以上に高回転まで回ってくれます。
最高出力は26馬力を9000回転で発揮するのですが、6速ある各ギアのパワーバンドが広いので、加速を楽しみながら回せるエキサイティングなキャラクターでもあるんです。
「単気筒エンジンって、こんなに綺麗に回るの!?」って思うほど。
単気筒だから物足りないとか、高回転まで回らないと言うのは思い込みに過ぎませんでした。
それにジクサー250のようなネイキッドスポーツに比べ、前傾姿勢のライディングポジションになっているジクサーSF250ですが「乗車姿勢で疲れる」ということが少ないんです。
前傾姿勢がキツめになるスポーツバイクで長距離を走っていると、腰や背中、首や腕などが疲れやすいですが、ジクサーSF250はフルカウルスポーツでありながら、ツーリングも疲れずに帰ってこられるツアラー的に使うこともできちゃいます。
それに、高速道路を走っていて、パワー感よりも快適だったのは、フルカウルの車体が走行風を綺麗にいなしてくれること。
フロントスクリーンは小さめな印象ですが、低く姿勢を伏せるとしっかり機能してくれているのが分かります。
片道300km、自由気ままに走った後でも、疲れをほぼ感じなかった250フルカウルスポーツはジクサーSF250が初めてでした。
(下に続きます）
街乗りからスポーツランはもちろん、ツーリングまで楽しめるジクサーSF250
高回転・高出力を求めた「絶対性能」よりも、扱いやすさや操る楽しさ、軽量で誰にでも扱えるという「相対性能」を優先したジクサーSF250は、私（岩瀬）が想像するより遥かに高性能で完成度の高いバイクでした。
新しい油冷エンジンを搭載し、250ccのフルカウルスポーツでありながら、48万1800円（税込）という価格が信じられないほど。
シングルエンジンのスポーツバイクは物足りないと思っているライダーにこそ、ジクサーSF250に一度乗ってみてほしいんです。
油冷エンジンの軽さと楽しさに感動しますから！