スズキのバイクラインアップを見ていて、ふと思ったことがあります。軽二輪クラス(126cc~250cc)にある『ジクサー150』と『ジクサー250』なんだけど、これって2台も必要なのかな……

ネイキッドバイク『ジクサー150』と『ジクサー250』の疑問

ジクサー250(2021)/トリトンブルーメタリック

スズキにはいわゆる軽二輪クラス(126cc~250cc)にネイキッドバイクが2台ラインアップされています。しかも、まったく同じカタチで。

みなさんもご存じだとは思いますが『ジクサー150』と『ジクサー250』がそれです。

カタチだけならまだしも、ボディサイズまでほとんど一緒。そして2021年モデルのジクサー250に人気カラーの『トリトンブルーメタリック』が追加された時に、ふと思ってしまいました……

『これ、同クラス(軽二輪)に2台も必要なのか?』 と。

『ジクサー150』が強烈&優秀すぎる

ジクサー150(2021)/トリトンブルーメタリック

ちなみに、上の写真が2021年モデルの『ジクサー150』です。

ここで私(北岡)を含め、多くのライダーが思い至ることがあるでしょう。

『これ、遠目だったら、ほとんど区別つかなくねぇ?』

誰もがそう思うはず。

しかも困ったことに、ジクサー150がかなりの強烈キャラなんですよね……

ジクサー150

ボディサイズは250ccクラス同等で、装備品もけっこう豪華。排気量154ccだから高速道路も乗れるし、パワー的にも特に不都合は無くて、むしろ軽くて走らせるのが楽しい。

そのうえでさらに、ジクサー150は世界中のバイクの中でもトップクラスと言えるウルトラ燃費性能を備えているんですよね。誰が呼んだか『燃費王』の異名すら轟かせるほどに。

で、トドメが新車価格35万2000円(消費税10%込み)でしょう? もうある意味、無敵のパッケージとしか言いようがありません。

スズキ『ジクサー250』の存在にちょっとギモンが……

そうなると、すこーし疑問になってくるのがジクサー250の存在。

排気量が250ccになった上級モデル。

それはわかるんだけど、ジクサー150の完成度があまりにも高いせいで、つい『これ150ccだけで十分じゃない?』って思ってしまうんですよ。

ちなみに150と250の価格差は9万6800円。ざっと10万円ってところ。

ジクサー250はこの10万円ぶん、150よりも優れているってことなる……はず!

実は『ジクサー250』と『ジクサー150』はけっこう違う

ジクサー250はむしろ、ジクサー150と見た目&大きさがほとんど同じなせいで、逆にちょっと損をしている、と私なんかは思ってます。

でも実際のところは、150とけっこう違うんですよ、ジクサー250って。

巷では何はともあれ新世代の油冷エンジンが搭載されていることが取り沙汰されがちですけど、個人的には車体側がきっちり強化されてることに注目してます。

外からは見えないけどフレームのメインパイプはジクサー150をベースに、ねじれ剛性を12%アップ。スイングアームはジクサー250シリーズ専用設計で、ジクサー150と比べて約30%のねじれ剛性アップ。

基本となる車体の骨格に関して『ジクサー150と同じ』とは到底言えません。

そして、足まわりとしてはフロントフォークとリアサスペンションは専用設計となっています。

150と同じ車体にデカいエンジンを載せただけじゃないんです。フレーム&スイングアームと前後の足まわりは250専用にチューニングされている。

もうすこし深堀りすると、キャスター角やトレール量も変更されてます。

ちなみにブレーキもローターをΦ300mmに大径化(150はΦ266mm)して制動力をアップ。

ABSも前後2チャンネルで、フロントのみABS装備となる150とは違う。

これだけ違えば、ちょっとバイクに詳しい人なら『ソレぜんぜん別モノじゃないか!?』って、ご理解をいただけるのではないかと思います。

(下に続きます)

でも、スズキってこういうアレンジというか、いわゆる『ファクトリーチューン』みたいなことがやたらと得意なメーカーでもあるんですよね……

そのあたりバイクじゃピンとこないかもしれませんが、クルマに例えてみるとわかりやすいかもしれません!

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