街乗りでは意外な実用性を見せたスズキ「GSX-R1000R」。しかし、ワインディングでこそ楽しめると踏んだ矢先、手痛いしっぺ返しを食らうことに……

あらゆる想定を覆す、GSX-R1000Rの洗礼

前回の待ち乗り編では意外にも街乗りで通用することを体感したGSX-R1000R。

ただ、このバイクを選んだからには、ワインディングで楽しみたい。

ということで高速道路に乗ってワインディングへ向かいます。

峠手前で給油を済ませ、期待を膨らませながら峠道へ突入!

あ、無理だわコレ

前回に乗せてもらった新型カタナでのワインディングもはじめは驚きましましたが、今回はその遥か上を行きました。

何って、怖いんです。

今までバイクに乗っていて「怖い」なんて思ったことはほとんどなかったので、ちょっとコレは想定外。

過去、自分がバイクに乗って怖いと感じたのは、ブレーキが全く効かないとか、サスが抜けきってユルユルなんてオンボロバイクに乗った時でしたが、これは全く別の問題。

速すぎる。

前後に装備されたショーワ製BFF/BFRCサスペンションはこれまで感じたことのないような「接地感」を体感できるし、立ち上がりではどの回転数からでもリニアにパワーが立ち上がります。

それらすべての性能が桁違い!

サスペンションを含め綿密に設計された車体は非常に安定感が高く、荒れた日本の峠道でも車体のブレが少ないため、速度が出ている感じがしません。そのため気づいたときにはかなりいい速度になっていて焦ります。

そんな時にもブレンボ製フロントブレーキの効きはバツグンで、どの速度域からでも安定した減速が可能……なんですが、制動力が高すぎて、慣れないうちは自分が前に飛び出そうになるし、コーナーよりだいぶ手前で減速してしまうことも……

▲安定した接地感を生むショーワ製BFFフロントサスペンションと、確実な減速が可能なブレンボ製対抗4ポッドラジアルマウントキャリパー。

加えて怒涛の200馬力級直4エンジンには、今まで体験したことのないような加速力を見せつけられ、気を緩めれば身体が取り残されそうになります。

バンク角を稼ぐ為の設計も施され、旋回性は非常に高いハズ……なのですが、まったくバイクを寝かせられないので、悲しいことに意味を成しませんでした。

この時は基本2速で走っていましたが、パワーバンドを使えたタイミングは皆無。北岡さんは1速で云々とか書いていましたが、ちょっと何言ってるのかよくわからないです、はい。

その他、トラクションコントロールなど高度な電子制御システムも搭載されているそうですが、私程度ではお世話になることはありませんでした……。

今までバイクには強気で乗ってきた私ですが、初めてのリッタースーパースポーツでのワインディング走行はハンドルにしがみつくので精一杯。

今まで自分がどうやってバイクに乗ってきたのかわからなくなるほど異次元の体験でした……

「ほぼ同じ排気量でここまで違うのか……」と、前回の楽しかったカタナ体験に想いを馳せながらGSX-R1000Rを見やると、心なしか「うぬぼれるな、若造」とでも言われたような気がしました。

ところが、完全に打ちのめされて弱気になっていた私、不思議なことに再び走りだすと、先ほどとは明らかに違った感覚を覚えました。

あれ、さっきより乗りやすくなったぞ?

先ほどまでは「速く走ろう」とか「カッコよく乗ろう」なんて頭の片隅で考えていました。

しかし、それらを完全に諦め、バイクに身を委ねるように走ると、倒せなかった車体がヒラヒラとワインディングを駆け抜けていきます。

おそらく正しいバイクの操作ができていない私が、無理に曲げようとしてもバイクの性能を発揮させられなかったのだと思います。

そこで、今までの自分の走りは一旦脇に置き、逆にバイク任せにして走ってみました。

ブレーキングをギリギリまで遅らせようとか、無理に身体をイン側に落とそうとか下手なことはせず、減速・旋回・加速をなるべく丁寧に実行。

すると、車体もスムーズに倒れていきました。

その時に感じたのは、きっとこのバイクはライダーが正しい操作を入力した時、初めて本領を発揮するモノなんだろうな、ってこと。

ちょっと格闘ゲームのコマンドに似ていますね。間違った操作をしても技が出ないのと同じ感覚。

そして、それがわかってしまうと先ほどの恐怖はどこへやら。

いつも以上に慎重なペースで走っているに関わらず、充実したライディングを楽しむことができました。

ちなみに、Bモードでも走ってみたのですが、Bモードはラフに流して走りたい場合や、私のように200馬力級に慣れていない時にはかなりオススメです。

しばらくワインディングを走った後には体力、集中力ともに疲れがでていたのでとても重宝しました。

そんなこんなでワインディングを抜ける頃には、私の中にあった僅かな自信は粉々に打ち砕かれ、肉体・精神ともにヘトヘトでした。

それでも、斜陽を眺めながら「やっぱりバイクって面白いなぁ」なんて呟いていたのでした。

(下に続きます)

その後、心身ともに疲労を滲ませての帰り道となったのですが……

高速道路で、なにやら自身の様子がおかしいことに?

To be continued……

NEXT▶▶▶帰りの高速道路で異変……

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