1996年に「セピア」の後継として登場したスズキの原付一種スクーター「レッツ」ですが、これまでモデルチェンジを繰り返して現在まで続いてきました。ところで皆さん、身近な存在のレッツですが、これまでどれくらいモデルがあるか知ってます?

スズキの原付スクーター「レッツ」の歴代モデルを振り返る

通勤や通学、買い物などちょっとした移動に便利な原付一種スクーター。スズキも現在「レッツ」と「アドレスV50」をラインナップしています。

アドレスシリーズは125ccの原付二種モデルも人気なスクーターで長い歴史があるのはご存知の方も多いかと思いますが、実は「レッツ」も多くの人に親しまれながらその歴史を刻んできました。

今回はそんなレッツの歴代モデルを振り返ります!

1996 レッツ

1996 Let's

スズキが1989年からラインナップしていた原付スクーター「セピア」の後継として1996年に誕生した初代レッツ。

現在のレッツバスケットに通ずる収納式フロントバスケット「バスケットイン」などの機能を搭載して登場しました。

▲1989 セピア

フルフェイスヘルメットを収納できる20Lシート下スペースやインナーラック・コンビニフックなど現行モデルにも踏襲されている利便性は初代譲りのもの。ちなみにシート下スペースは照明付きで、ヘッドライトには大型のハロゲンランプが採用されていました。

この時のエンジンはまだ2ストロークで、最高出力6.8PSを発揮。しかし、同年に発売された「レッツⅡ」に人気が集まり、数年で生産を終了してしまったそう。

個人的に収納式のバスケットはかなり魅力的だと思うんだけどなぁ。

1996 レッツⅡ

1996 Let's Ⅱ

レッツをベースにスタンダードなスクーターとして同1996年に発売された原付一種スクーター。

フロントまわりのフォルムは、どちらかといえば現代のアドレス寄りの形状ですね。

レッツ同様、大容量シート下スペースを備えますが、シート下の照明、バスケットイン、ハロゲンヘッドランプなどが大胆に省かれ、その代わりに10万円を下回るリーズナブルな価格で販売されました。

同時発売の「G」には盗難防止機構「スタンドロック」とシート下スペースの照明が搭載され、のちにはフロントにディスクブレーキを採用した「S」、シート高を下げた「L」も発売されました。

2004 レッツ4

2004 Let's 4

2004年に誕生したのが実質2代目の「レッツ4」。まだまだ街中でもたくさん見かける馴染み深いモデルです。

エンジンは4ストロークへと変更されましたが、独自のフューエルインジェクションシステムを採用し、最高出力5PSを確保しながら80km/L(30km/h定地燃費)の低燃費を実現。軽量・コンパクトながら大容量のシート下スペースが確保されているのはレッツシリーズ共通です。

新車価格も9万円台というお買い得プライスを実現し、盗難防止アラームを装備した「G」も設定されました。

2005 レッツ4 パレット

2005 Let's4 Pallet

※写真は2007年の限定モデル

レッツ4の便利な装備をそのままに、セパレートタイプのメーターパネルやメッキバーハンドルに、可愛らしい丸目単眼ヘッドライトを備え、レトロポップに変身した「レッツ4 パレット」。

2007年には鮮やかな赤にグラデーションを施したロゴステッカーが貼られた限定車も販売。

丸目の可愛らしいスタイリングは現行のレッツに共通するものがありますが……このスタイル、現代でもウケそうじゃないですか?

2007 レッツ4 バスケット

2007 Let's4 Basket

※写真は2009年カラー

現行モデルにも設定されているレッツ4の「バスケット」モデル。

主婦の方々の意見を取り入れた25Lの大型フロントバスケットにはロール式シャッターを装備。消臭・抗菌機能付きのシート下トランクケースはヘルメットの汗などによる雑菌の繁殖を抑える効果があります。

この他、2Lのペットボトルが収納できる大型フロントインナーボックスも新たに装備されました。タフなリアキャリアも併せ、実用性抜群!

2008 レッツ5

2008 Let's 5

※写真は2013年モデル

レッツのまるっこいフォルムに直線的な要素を取り入れ、スタイリッシュなデザインで登場した「レッツ5」。

軽量な車体や大きなシートスペースに加え、クラス初採用のハンドルポケットを装備。上級モデルとして設定された「G」には、現行モデルのフロントボックスに通ずるフタ付きフロントインナーポケットや盗難防止アラーム、2トーンのシートが採用されていました。

けっこうかわいい。良いデザインだと思ってます。

▲2013 レッツ5G

2012 e-レッツ

2012 e-Let's

2012年に登場したレッツ4バスケットをベースとした原付一種の電動スクーター。家庭で充電できる着脱式バッテリーを備え、回生充電可能な高性能モーターにより滑らかな加速と走りを実現していました。

ちなみに、4時間の充電充電で30キロ走行できたそう。そして今後、スズキの電動シリーズはどうなっていくのでしょうか?

2014 レッツG

2014 Let's4 G

2014年に登場した「レッツG」のスタイリングは概ね現行モデルに近いスタイル。

メッキリングで装飾した丸形ヘッドライトとなり、ウィンカーをハンドルカバーに配置したことで、オプションの大型フロントバスケット装着に対応。

フーエルインジェクションを新開発し、WMTCモード値で54.8km/Lの低燃費を実現。レッツ4で4.5Lだった燃料タンク容量を4.8Lに拡張し、更なる航続距離を手に入れました。

日常での使い勝手を考慮したシート下トランクスペースや1Lのペットボトルを収納できるフロントインナーボックスもこのモデルから標準装備。フロアボードの形状を工夫することでインナーラックを装備してもゆとりのある足元空間を実現しています。

また、フロアボードの両側がカットされ、足つき性に配慮がなされたのもこのモデルから。

2015 レッツ

2015 Let's

そしてこちらがレッツG登場の翌年、2015年に発売された現行モデルの「レッツ」。

レッツGと仕様はほぼ同じで、主な違いはレッツGではパイピングされて表皮が切り替わったシートが採用されていることと、レッツにはU字ロックホルダーが付いたリアキャリアが装着されていること。

しかし、レッツはレッツGよりも1万円以上安い14万3640円というリーズナブルな価格で発売されました。

2015 レッツバスケット

2015 Let's Basket

そして最後に忘れちゃいけないのが、現行レッツと同時に登場した「レッツ バスケット」。

車名の所以たるレッツ4から受け継いだロールシャッター付きの25L大型フロントバスケットと、2Lのペットボトルが入るインナーボックスを標準装備。U字ロックホルダー付きリアキャリアも装備し積載性能は十分。

今もたくさんの主婦の方々の味方となっている原付一種スクーターです。

最新のレッツシリーズは長い歴史を経て、順調にお洒落かつ利便性を備えたみんなのコミューターへと成長しています。

日本のみの「50cc」という排気量から苦しい立場に立たされているジャンルではありますが、実用面だけじゃなく、ここから『はじめてバイクの楽しさを知る』というケースはまだまだ多いはず。

(下に続きます)

最新のラインアップではアドレス125・アヴェニス125・バーグマンストリート125EXと原付二種勢が華々しいですが、スズキの50ccには25年以上の長い歴史の中で熟成を重ねてきたレッツがあります。

50ccスクーターでバイクの第一歩を始めた私としては、原付二種やロードスポーツにも負けずにがんばってほしいと思っている1台です!

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