15分くらい前
飛び込んだコーナー。
車体が寝るとともにどんどん地面も近づいてくる。
まだいける
まだいけるッ……!
コーナーを脱出すると身体を伏せて、今度はみなぎるパワーで思いっきり立ち上がっていく。
だんだん目尻が上がり、アブナイ感じになってきたところでバイクを路肩によせてクールダウン。
ちょ、軽く引くレベルで走りやすいんだが……
謎の安心感MAXで引くほど楽しいGSX-S1000
時間はワインディングに入ったところまで遡ります。
やってきました峠道。
まずは基本の動作をしっかりこなし、ブレーキングからコーナー進入……
へっ!? 今コーナー曲がった⁉
かなり大げさですが、そう感じるくらい自然にコーナーを抜けていました。
だんだんと速度レンジを上げていきますが、それでも感覚は変わらず。
なんだこれ⁉
視界に思い描いたラインを勝手にトレースしていくような感覚で、とにかくシャープで素直な印象。カタナの時はすごく手強くて苦労したんだけど⁉
エンジン、フレームは共通でも、こんなに違うの⁉
夢中になって走りながら最初に感じたのは、ハンドル位置とシートレールを含む乗車位置の変更による、ライディングポジションの変更から生まれている(と思われる)操作感の違い。
カタナはハンドルが上がっているぶん、ライディングポジションの自由度が高く感じましたが、リーンインでバンクさせていくと妙に上半身が力んでしまった印象(私が下手なだけ説も濃厚)。
対してGSX-S000は特段意識しなくても上体のフォームがピタッと決まり、ハンドルへの下手な力の入力なしに、ごく自然な動作でコーナーに飛び込んでいくことができるように感じます。
ハンドル位置が下がったことに伴ってかどうかはわかりませんが、フロントの安心感がものすごく高くなっているようにも感じました。
明確に感覚を言葉にできるほどスキルが高くないので上手く表現できませんが、とにかく「安心感」という言葉が最も近いかもしれません。
普段からバイクに乗る時はどこかしら、特にフロントに不安を感じて心にブレーキがかかるのですが、GSX-S1000ではそれがない……
なんというか、無限に速く走れるように錯覚してしまいます。
タイトなコーナーも楽々こなすし、舗装の荒れた道でも大丈夫。今回はウェットコンディションの峠道も走りましたが、路面が濡れている状態でここまで不安を感じなかったのはこのバイクがはじめてでした。
そうなると残っているのは全力で楽しむということだけ。
そして冒頭へ。
気づけばお借りした物ということも忘れて走りこんでしまう始末。
このバイク、楽しすぎてアブナイかも……⁉
でももしかして、このハンドルをカタナに移植したら同じくらい楽しくなる……?
……なんて考えもしましたが、そんな単純な話ではないのでしょう。
ライディングポジションによる荷重位置等の関係で前後サスペンションの設定にも変更が施されているようですし、カタナより少し落ち着いたスロットルレスポンスも走りやすさに影響しているみたい。
ポジションから何から、とても緻密に設計されて出された値なんだろうなぁ、と感動してしまいました。
前回カタナに乗った時に、峠最強なんじゃないか? なんて思いましたが、GSX-S1000はそれをあっさり覆し、私の中で新たな公道最強モデルになってしまいました。
といっても、今回もギアはほとんど2速しか使っておらず、パワーバンドなんて全く使えていません!
というか、2速でパワーバンド使おうと思ったら100km/h超えちゃうようなバイクなのでいろいろな事情で無理です(笑)
路面状況や動物、対向車といった懸念材料を気にせず走れるサーキットならこのバイクの真の性能を体験できるんでしょうか?
……まぁ、私程度では怖くてまともに走れそうにもありませんが(汗)
(下に続きます)
今回ワインディングを走ってみて、またひとつ私の中の「アップハンドル公道最強説」がアップデートされました。
ですが、GSX-S1000が得意なのはどうやら街中やワインディングだけではないみたい……?
To be continued……