1339ccのエンジンは、高速道路においても全力を出すことは叶わず。しかし、エアロダイナミクスデザインが施された『隼』のクルージング性能は非常に高く……?

気付くと終わる高速道路。『隼』でのクルージングは快適です!

基本は100km/hがメインとなる高速道路。

場所によっては120km/hで走れる区間もありますが、メーターに280km/hまで数字が刻んである『隼』にとって、高速走行のポテンシャルを計るのには少々物足りないかもしれません。

とはいっても、それだけのスペックを有しているならば高速道路は楽々なハズ!

意気揚々と料金ゲートを抜けます。

いつも通りの気分でバイクの加速感を体感しようと1速のままスロットルを開けると、今度こそ身体を置いていくようなパワフルすぎる加速!

……をしたのですが、シフトアップする間もなく制限速度に到達……。

ですよねぇ~

なんとなく予想はしていましたが……。

加速の際もその圧倒的安定感の高さで、風景は流れているけれどスピードが出ている気にならず、どこまでも加速していけそうな感覚。

シートがビックリするくらい滑らず、安定して車体をホールドすることができる点も安心感の秘訣に思えます。

更なるハイスピード域での走行性能も気になってしまいますが、一般道を走っている限りは体感することは叶わないでしょう。

残念ですがこればかりは仕方ありません。

続いて、ハイギアを使ったクルージング性能をチェックしていきましょう!

6速で走っている際の速度・回転数の対比は80km/h:約2750rpm、90km/h:約3000rpm、100km/h:3250rpmといった感じ。

1339ccともなると100km/hペースでもかなり低回転域を使う形になりますが、その排気量によりトルクも厚いので、実際は6速でどの速度域からでも過不足なく加速する印象です。

個人的には4速か5速くらいでオートマチック感覚が一番楽だったように感じましたが。

そして、エアロダイナミクスを徹底的に追及したフルカウルを身に纏う『隼』の防風性能は凄まじいものです。

そもそも『隼』は気づいた時には思ったよりスピードが乗ってしまっているバイクです。

度感の麻痺には、その排気量やスタビリティーの高さも大きく関係していると思いますが、速度感を得るための要員のひとつには“走行風”があると思います。

走行風と速度感の関係が一番わかりやすいのはもちろんネイキッドモデルですが、ウインドスクリーンを装着したバイクでも、なんだかんだ身体の周りに乱気流が発生するため、走行風から速度感がつかめます。

しかし、ライダーが乗った状態での風の流れが計算されつくした『隼』はその感覚がバグる……。

過度に伏せたりせず普通に乗っている状態でもきれいに風が流れていくので、走行風によるストレスは非常に少ないです。

走行風の影響を受けないというだけであれば、「バーグマン」シリーズなどの直立した大きなウィンドスクリーンも快適ですが、『隼』の凄いところは最高速を犠牲にしないところ。

そして、そんなバイクを制動させるブレーキは、やはり高速域で真価を発揮しました。

低速域でもコントロール性の高い制動性でしたが、高速域でもレバーを握れば全くブレることなく減速します。

その際、過度にノーズダイブする印象もないから、驚くほど挙動も穏やか。

本当にこのブレーキは一体、時速何キロから停まるためのブレーキなんだよ……。

それでいて低速域でのコントロール性も高いので不思議なものです。

そして、高速道路で重宝したのは「クルーズコントロールシステム」!

右スイッチボックスのボタンを押してから左スイッチボックスの「SET」ボタンを押せば、スロットルを操作しなくてもその時の速度を維持してくれます。

右スイッチボックスのボタンでシステムをオフにするか、ブレーキをかければ解除でき、この機能を使ってしまうと高速道路はあっという間です。

特にすることがないので(笑)

あとはバイクに跨っていれば『隼』が目的地まで快適に運んでくれる感じです。

しかし、このままだと大排気量快適系ツアラーというような結論に至ってしまいそうです。が、そうはなりませんでした。

ライディングポジションです。

お尻の痛さはないのですが、快適系ツアラーというにはちょっと姿勢がキツイ気が……。

ですがその1点を除けば、「いつの間にか1、2時間が経過して目的地についていた」くらいの高速道路の快適性がありました。

一体何者なんだこのバイク……。

(下に続きます)

しかし高速道路を走ってみても、依然として「アルティメットスポーツ」とは何かという点は自分の中で曖昧な感じ。

「これなら長距離ツーリングも行けそう!」 なんて、また自分の中での『隼』の株は上がってきましたが……。

ということはやはり行くしかないですね、山に。

そして、このライディングポジションからはやはり“スポーツ”の波動を感じる……。

でも隼でワインディング走行ってどうなっちゃうんだ⁉

To be continued……

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