『GSX-S125』でツーリングしてみよう!
『GSX-S125』の街中での軽快感は兄弟モデルの125ccスーパースポーツ『GSX-R125』に負けず劣らずのものがありました。というか、ライディングポジションを加味すれば、『GSX-S125』の方が市街地の利便性に関しては軍配が上がるかも。
ですが、『GSX-S125』は6速ミッションを採用したフルサイズの本格マニュアルスポーツバイク。
やはり郊外のツーリングでこそ、その真価が拝めると思います!
というか、スクーターであってもツーリングに出かけるのは楽しいし、なんらおかしなことはないのだから、『GSX-S125』でツーリングしないなんて損も損。大損です!
というわけで「第二種原動機付自転車」という区分につき高速道路に乗れない『GSX-S125』のために、日を改めてツーリングをセッティング!
季節はもう冬も深まっていますが、山間部のワインディングを走るならこれが今年のラストチャンスかも? ということで、関東のツーリングの名所である「道志みち」方面、山中湖を目的地に定め、ツーリング開始です!
冬はゆっくりでも十分実りのある走りができる『GSX-S125』
高速道路に乗ることができない『GSX-S125』でツーリングにでかけると、必然的に市街地を抜けるまでに時間がかかってしまいます。
そのため、人や車の動き出していない早朝を狙って東京を出発!
目論見通りスイスイと東京を抜け、午前7時前には神奈川県相模原市まで歩を進めました。
当初はかなりの寒さを予想して出かけました。けれど下道で速度レンジが低かったからか、カウルのない『GSX-S125』でも震えるほどの寒さは感じず至って順調。
そのまま市街地を抜け道志みちの入口に入ったのですが……
なんかめちゃくちゃ寒くなってきたぞ⁉
太陽の登りきらない山間部はまだ日陰が多く、標高が上がってきたことも重なり急激に冷えだしました。
さっきまで全然平気だったのに、もう指がちぎれそう!!!!
流石に耐え難いほど寒く、というより冷たくなってきたので慌てて道志みちに入る前の最後のコンビニに避難! ここでしばらく気温が上がるのを待つことに……。
この時の気温はと言えばマイナス2℃。
……マイナス2℃?
そりゃ無理だわ!!!!
これもっとゆっくり出てきても良かったかもしれないなぁ、なんて思いながら缶コーヒーで暖を取り、気温が上がるのを待ちました。
待つこと数十分。日が昇って気温も上がり始め、指も回復。気を取り直して『GSX-S125』に跨ります。
ただ、やはり日陰の多い朝の道志みちの路面コンディションは如何ともし難く、霜や朝露が目立つ路面をなるべく車体をバンクさせないようゆっくりと走り抜けます。
……というか、足を出して路面を撫でるとツルツルしているような気がするし、たいして速度もだしてないのにABSが作動する……。
まだ時間が早かったかなぁ? と思いつつも、この路面コンディションにおいて『GSX-S125』は十分に充実した走りを楽しむことができました。
もちろんそれは、普段通りにアクセルを開けたりコーナーをバンクさせたりといった点ではありません。そんな事したら一発で道路から退場してしまいます(汗)
というわけで、ここでの充実した走りとは、路面状況の把握や荷重のコントロールなど、主に車体制御に関する点。
前述の通り路面・タイヤは共に冷えきり、日陰には朝露で滑りやすい箇所も見られます。
そんな路面では否応にも前後タイヤにかかる荷重を意識しなければならず、フロントに荷重をかけ過ぎればグリップが負けてスリップダウンしてしまうし、リアにかけ過ぎれば今度はフロントの荷重が抜けてスリップする危険が上がります。
そのため、前後のバランスを体感してコントロールすることが求められる(と思い)ます。
その点において『GSX-S125』は軽量・コンパクトかつ車体バランスが非常に良く、サスペンションの動きや路面状況などを大型のバイクに比べ体感しやすく感じました。
ブレーキングの配慮やコーナーでのバンク角・荷重の調整など“やること”と“学ぶこと”が多く、比較的低回転でゆっくり走っているはずなのに、たくさんの充実感が得られました。
というか、重くて大きなバイクでこんなコンディションの中を走るのは正直嫌!
車体が軽くて制御しやすく、スロットルレスポンスに気を使わなくてすむ125ccモデルだったからこそ普通に走っていられるのかもしれませんね。
……おまけに楽しみながら!
(下に続きます)
そうして慎重に、かつ楽しみながら道志みちを走っていると、だんだんと太陽も登ってきて、路面にも日の当たる場所が増えてきました。
もうそろそろ『GSX-S125』が本領を発揮する高回転を使って楽しめるかも?
To be continued……
【文:石神邦比古(外部ライター)】