会社に「ランチ行ってきます」と言い残して抜け出したエクストリーム・ランチは5時間経過でさすがにバレた。仕方ないので、まっすぐ帰ろうとしたんですが……

未知の爽快ロードを走ったらヤバい衝動が抑えられない……

海辺で食後のひと休みを決め込んでいたら、無粋にも会社からの電話。さすがに『東京・新橋⇔スズキラーメン(静岡県磐田市)』をバレずに往復するのは無理だったらしいです。

だけどなんとなく「同じ道で帰りたくない」というライダー的思考によって、帰路は新東名高速を使う事に。ちょっと遠回りになるけど、それくらいの寄り道はまぁバレないでしょう。

そうして磐田市の街から新東名/遠州森町スマートICを目指して走っていたところ。

偶然なのですが「中遠広域農道」という、走ったことがない、けれども素晴らしい爽快ルートに巡り合ってしまって……

その道の途中に新東名/遠州森町スマートICの入り口があるんですが余裕でスルーしました。

隼様がそっちに行きたがったので仕方ありません。私(北岡)のせいじゃない。

はじめての道だったので様子を見つつワインディング区間が終わるまで走ってみて、路面状況および「隼を走らせるのに最適な道」だということを再確認。そこから脳内ギアを1段シフトアップして!

なんなんだろうね、隼って(笑)

コーナーひとつ目から、身体に吸い付くようにフィットして走れるの。さっきお腹いっぱい食べて気も緩んでいるようなタイミングだっていうのに、ブレーキからバイクを寝かせていく過程に1ミリも緊張感がありません。

ド安定。超安心。

初見のワインディングにも関わらず、イメージ通りの走りができてしまうんです。

優秀な前後サスペンションと適切なフレーム剛性によるどっしりとした走りは、多少のギャップなんて無いも同然。ただひたすら『走るのが楽しい!』に没入できます。

ここまで新型『隼』のいろんな魅力についてお話してきたつもりですが、こうしてワインディングを走るとそれらすべてが一瞬で吹き飛ぶ……やっぱり『隼』というバイクの真骨頂は“スポーツ”なのだと痛感します。

しかもその走りがアルティメットすぎる。

はじめてのワインディングは先が読めないものですが、それなりのペースで走っている最中に、仮に「読み違え」をしてしまっても隼は柔軟に対応してくれます。こういう柔軟さスズキ製の多くのバイクに共通することですが、中でも隼は破綻する感じがしない

エンジンもすごいけど、スズキはそれ以上にきっちり車体を仕上げてくる。隼はその最たるものです。

しかもこの日は「ラーメンを食べにいった」のであって、偶然この道に出会うまでワインディングを走る予定はありませんでした。

でも、新型『隼』はスポーティに走らせることに対して『気合いがまったく必要ない』んです。なのにペースはけっこういい感じでいけちゃう。この気軽さは私の愛車の2型を確実に上回る部分です。2代目のほうがもうちょっと『走らせるぞ!』っていう気合いが必要なので。

ああああああーーーっ!!!

新型めっちゃ欲しいっ!!!

これまでも乗るたびにそう思っているんですが、今回は衝動に近いレベルでそう感じてます。

先日のモーターサイクルショーで当サイト『スズキのバイク!』を読んでくださってるライダーさんに『新型買いましたよホラ!』って写真と共に自慢されたからかもしれません。しかもそれが私の憧れる『白』だったから余計に。

私(北岡)の憧れ新型カラーはコレです!

でも自分の愛車の2代目『隼』様に対して、何かしらの不満がある訳じゃないんです。なんなら新型に対しても、最高出力197馬力というアドバンテージさえあると思ってる。

だけど新型は、それを超えたトータルバランスで誘惑してくる。あまりにも強烈に。

もし今回、乗った隼のカラーがホワイトだったら本気で自分を抑えきれなかったかもしれません。

(下に続きます)

困ったナァ……

お値段ざっと215万円で、カラーオーダーするとしたら約221万円かぁ。価格に対する価値は十分以上だと既に理解しているんですが、現実問題として無い袖は振れません。

どうしたら新型『隼』に乗れるのか……

ちょっと本気で、悩ましい日々が続きそう!?

【文/北岡博樹(モーターマガジン社)】

よろしければ最初の【前編】からお読みくださいね!

スズキファンのためのWEBサイト!