イタリア・ミラノで開催されている世界最大のモーターサイクルショー「EICMA 2024」で新型『DR-Z4S』を発表!「ライディングモード」や「トラクションコントロール」などの電子制御システムも採用されてるってマジか⁉︎
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スズキが「ナンバー付きオフロード・トレールの歴史」を覆しにきた!

イタリアのミラノで開催されている「EICMA2024」にてスズキが発表した新型400オフロード・トレール『DR-Z4S』のスタイリングを速報でお伝えしましたが、マシン性能も見た目以上にスゴイことになっています。

日本では2008年まで“DR-Z400S”として発売されていましたが、北米などでは継続してラインアップされていました。

しかし今回、装いも新たに『DR-Z4S』の名前でフルモデルチェンジされて登場!

全体のデザインやスタイリングもさることながら、スロットルバイワイヤによる「パワーモード切り替え」や「トラクションコントロール」などの電子制御システムが備わっているとのこと! これって公道走行OKのオフロード・トレールとして初なのでは?

まさに「我々、オフロードファンが待ちわびていたのはこれですよ!」と言いたくなるほどの性能を引っさげての登場となりそうです。

今回は、現時点で発表されている海外仕様の新型『DR-Z4S』のマシン性能を見て行きましょう!

400ccの水冷単気筒エンジンに「パワーモード」や「トラクションコントロール」などの電子制御システムを採用!

フルリニューアルされた400cc水冷4ストロークDOHC単気筒エンジン

まず、エンジンはフルリニューアルされた398ccの水冷4ストロークDOHC単気筒を搭載。

海外仕様のスペック表によると、ボア×ストロークを90.0mm×62.6mm、圧縮比を11.1とし、最高出力は8000回転で38馬力、最大トルクは37.0N-m/6500rpmを発揮するパワフルなエンジンになっているようです。

ちなみに、ギア数はDR-Z400Sにも採用されていた5速ミッションでワイドレシオになっているとのことです。

吸気バルブに「チタンバルブ」を採用

新形状となるシリンダーヘッドを採用し、吸気ポートや燃焼室の形状を最適化。

さらに! 吸気バルブには耐久性や軽量性に貢献するチタンバルブが採用され、排気バルブにはナトリウム封入の中空バルブが備わっているとのことです。レーシングマシンかよ……

また新型のピストンやクランクケースに変更され、フリクションロスが大幅に軽減されることでパワー向上と燃費性能の向上にも繋がっているんだとか!

他にもプラグはイリジウムのツインプラグ。カムシャフトプロファイルの変更や排気リフト量の増加、インジェクション径をØ42mmにするなど、エンジンはフルリニューアルされています。

エンジンブレーキを軽減させる「アシスト・スリッパークラッチ」も採用

そして「アシスト・スリッパークラッチ」も採用されました!

シフトダウン時のバックトルクによるリヤタイヤのホッピングを防止してくれるので、ワインディング時のスポーツ走行はもちろん、頻繁にシフトチェンジするオフロード走行においてもライダーを手助けしてくれそうです。

実はオフロードでアシスト・スリッパ―クラッチ」は効果絶大ですので!

スチールとアルミを組み合わせた新設計ツインスパーフレーム

メインフレームは新設計となるスチール製のツインスパーフレームが採用され、サブフレームとシートレールはアルミ製が採用されました。

スイングアームに関しても軽量なアルミスイングアームが採用されているので、バネ下の軽量化に大きく貢献してくれるでしょう。

このフレームが走りにどう影響するか……ここが新型DR-Z4Sの最大の焦点かもしれません。

前後サスペンションはKYB製のフルアジャスタブル

サスペンションはKYB製で、フロントにテレスコピックタイプ、リアにモノブロックタイプを装着。

フロントのサスペンションストロークは280mm、リアのホイールトラベルは296mmとモトクロッサーに迫る勢いのストロークを誇ります。

しかもフロント・リアともに、伸側・圧側の減衰力調整に加えて、プリロード調整も備わったフルアジャスタブルタイプです。気合入ってます!

パワーモード切り替えができる「スズキドライブモードセレクター」も採用!

そして!

特に注目すべきところは、400ccオフロード・トレールに電子制御システムとなる「「S.I.R.S.(スズキインテリジェントライドシステム)」が初搭載されたところです。

まずは、パワーモード切り替えとなる「スズキドライブモードセレクター」の採用。

A(Active)/ B(Basic)/ C(Comfort)の3つの出力モードから選べ、シチュエーションや走り方で任意に選択することができます。

出力イメージのパワーカーブのグラフも公開されていましたので、これを見ながら今から走りの“イメトレ”をしておくのも楽しいかも!

悪路の突破性を高めてくれる「トラクションコントロール」も!

もうひとつの嬉しい電子制御システムとして「トラクションコントロール」が搭載されました!

リアタイヤの空転をセンサーが感知して、最適なトラクションで路面に伝えてくれるようになります。

しかも、トラクションモードには、Vストローム800DEなどに搭載されて定評だった「Gモード」も選択できるとのことなので、オフロードシーンでの突破性に期待したい!

まあ、これはもうオンロード・オフロード問わず、本当にありがたい電子制御システムですね。

駆け足でDR-Z4Sのマシン性能について解説しましたが、この時点で我々オフロードファンに特大ホームラン級の衝撃を与えてくれました。

EICMA海外情報によると、排ガス規制のEURO5+に適合されているとのことなので、日本でも発売される可能性はかなり高いと思われます。

(下に続きます)

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ただ個人的に、オフロード好きの私(岩瀬)として言っておきたいのは……

日本でも絶対、発売してほしいです!

2025新型「DR-Z4S」と「DR-Z4SM」の最新情報は今後も入り次第でお伝えいたします!

まずはなにより……

400復活 バンザーイ!

【文:岩瀬孝昌(モーターマガジン社)】

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