GSX-8Tシリーズが『GSX-8S』と基本的に同じ、だとは思えない
最高出力80馬力で軽くてボディサイズも程よい感じ。だったらGSX-8TTは大型バイク初心者のひとも存分に楽しめるはずだ! と予測して、改めてGSX-8TTに乗ってみたのが今回のスタートライン。
でも実際にワインディングを走ってみたら『あれ? こんなによく走るバイクだったか?』と逆に困惑する事態となってしまいました。
今回は広々としたワインディングで路面状態も良く、GSX-8TT初体験の時(3月)より路面温度も高く、走るための条件がすべて揃っていたので、それが要因なのかもしれません。
でも走らせてみて思ったのは、フルカウルスポーツ『GSX-8R』と同じくらいスポーティに走れるんじゃないか? ということ。そんなことはありえないだろう、と脳内では否定しつつも、私(北岡)の感覚は8Rと同レベルの『走る楽しさ』を8TTに感じていたんです。
ちなみに私は2024年の6月と2025年12月にもGSX-8Rで『今回と同じ場所』を走っています。
その経験がありつつで、GSX-8TTの走りが『総合的には8Rと同じくらいで走れる』と感じた。もちろん走りに違いはあってGSX-8Rのほうが軽快だし、狙って操れば鋭くも走れる。
それに対してGSX-8TTは『全体的にラクで安心』です。特にハンドリングに穏やかさがあって気持ち的に余裕を持てるところが気に入りました。
こう言うとGSX-8TTは「あまりスポーティではない」ように聞こえるもしれませんが、8TTは排気量800ccの大型バイクです。最高出力80馬力のエンジン性能をどこまで引き出せるか? という部分で見ると、個人的には8Rよりも8TTのほうがエンジンを上手く扱えたように感じます。
もちろん腕に覚えがあるプロのライダーなどが乗れば、GSX-8Rの『高く設定された限界性能』を引き出せるのでしょう。けれど、私(北岡)のようなツーリング趣味の普通のライダーにとっては8TTの扱いやすさがワインディングで良い方向に作用したんだと思います。
このあたりがバイクの面白いところというか、不思議なところというか。
パワーがあってハンドリングが鋭ければ良いかというと、人によってはそうでもない。変な言いかたになるかもしれませんが、私の場合はGSX-8TTの走りのほうが「しっくりくる」んです。
その結果として、エンジンが持つポテンシャルをより多く引き出せた。だから私自身に限って言えば8Rと同じくらいで走れると感じたのだろうと思います。
それにしても腑に落ちないのは『GSX-8TシリーズはGSX-8Sと基本的にエンジンも車体も同じ』というところ。
正直に言いますが、私は8Sと8TTの走りが同じだとは到底思えません。GSX-8Sはもっとスパルタンというか、ストリートファイターの見た目を裏切らない運動性能を持っていると思う。
対して8TTはもっと優しくて、走りに余裕を感じさせてくれて、でも結果的に自信を持って走れるからスポーティに走るのもかなり楽しい!
なので、改めて『GSX-8TTは見た目だけじゃないんだぞ!』ということだけは言っておきたい気持ちになっています。
ネオレトロの外観なので「走りの性能に関しては8Rや8Sのほうが優れている」というように思えるかもしれませんが、乗り手によっては8TTのほうがスポーティに楽しめる可能性もある。
今回の私がまさにそれです(笑)
生産終了となった『SV650』みたいに気軽な街乗りもこなしつつ、ワインディングでは扱いやすさを武器にして秘めたスポーツ性を引き出せる。
最初に乗った時は見た目のカッコよさにテンションが上がってしまい、それに引きずられたようなところがありますが、今回はわりと冷静に8TTを見れたんじゃないかと思っています。
(下に続きます)
うん……今回で2回めですが、改めて乗ってみてGSX-8TTが『これは良いバイクだ!』という気持ちがさらに強まった!
その扱いやすさは大型バイク初心者の人にもおすすめできるものだけど、長く乗っているベテランライダーにとっては武器にもなる。なかなかどうして奥が深い……
GSX-8TTはネオレトロのスタイルだけど根底はやっぱりスズキ車なんです。どんなバイクでも、どこまでも走りの楽しさを追求してくる!
だから、というわけではありませんが……走りに関して『8TTってどうなの?』と思っている人がいたら覚えておいてください。
このバイク、実は『羊の皮を被った狼』かもしれないのです。
GSX-8TTでリッタークラスのバイクにぴったりついていって、その背後をおびやかすとか……それはちょっと気分がいいかもしれないナァ!?