コーナーが長い!? 『GSX-S1000F』がバンクしっぱなし!?
STAGE9:麦草峠
快走路と悪路が同時に待つ
【酷道!十国峠編からの続きです】
十石峠から佐久穂側へ戻り、麦草峠へ向かいます。
この峠にはふたつの顔がありました。
佐久市側からのアプローチは素晴らしいワインディングです。大きな曲率のカーブが長く続きます。
車体をバンクさせっぱなし! その時間がとにかく長い!?
【麦草峠/Google Map】
舗装の整備が進んでいるみたいですね。
工事で道幅が狭い部分もありましたけど、綺麗なアスファルトの区間は素晴らしく楽しい峠でした!
そして麦草峠は国道として2番目に標高が高い道でもあります。
前回の渋峠に続いて1日で最高標高と第2位を制覇!
峠付近にある山小屋「麦草ヒュッテ」でコーヒーを飲みつつ、ひと休み。優雅です。
ここまで9峠。
残すところは、あとひとつ!
ところが…麦草峠は、長野県/茅野市側へ下る道のほうが手強かったのです。
小さなギャップが至るところにあるんですよ。
GSX-S1000Fはアップライト・スーパースポーツとして、一般的なツアラーと違って前後サスペンションがそれなりに高荷重設定なので、こういう外乱だらけの道はすこし苦手だなと感じました。
フロントのプリロード調整があるので、これで対応できますけどね。
でも、そのままでもライダーが慌てなければ問題はありません。むしろ重要なのは目線だと感じました。
近くばっかり見たくなるけど、そういう時こそ目線は遠くに!
車体は多少、暴れる前提で。その時に気持ちを焦らせない。
GSX-S1000Fを信じれば、このバイクは荒れた路面でもきちんと踏ん張ってくれました!
GSX-S1000Fに『ありがとう!』って言いたくなる
FINAL STAGE:霧が峰(ヴィーナスライン)
穏やかに楽しむべき大人の道
十番勝負のラストを飾るのは長野県の有名ワインディング「ヴィーナスライン」です。
先の麦草峠(茅野市側)に比べるとかなりアスファルトの質も安定して走りやすい。
でも、唐突に隠れギャップがあるので注意が必要です。
でもこの道はぶっちゃけバリバリ走るような道じゃないですね。
連続10峠のラストという感慨深さもあるかもしれませんが、観光バスも多いし、のんびり流すほうが楽しめる印象でした。
特に霧が峰エリアは大きな曲率のカーブがメインですからね。ここでガッツリ走ろうと思ったら、148馬力のGSX-S1000Fはとんでもないスピードになっちゃいます(笑)
そして、のんびり走るGSX-S1000Fに、気がついたことがあります。
エンジンを高回転まで回さないと、思った以上に燃費がいい。
メーターの走行可能距離計がぜんぜん減らないんですよ。
あとはやっぱりシートですね。
スズキ車のシートはGSX-S1000Fに限らず本当にクオリティが高い。
東京からここまで10峠を経て、2日間で走行距離739km。高速道路を抜いて、STAGE1の赤城山からざっと600km弱くらい峠をつないで走りましたがお尻は痛くなりませんでした。
(下に続きます)
それにしても……楽しかった。
峠をつないで走るのが、ここまで楽しいとは思ってなかった!
きっと楽しいだろうと思ってたけど、その予想を超える満足度と充実感があります。
走るだけならアドベンチャー系のバイクのほうが快適でしょう。
景色を楽しむことも、アドベンチャーバイクで同じものが体験できたでしょうね。
でも!
変化に富んだ未知の峠を、コーナーを、走りを純粋に楽しむという部分では前後17インチホイールのGSX-S1000Fのほうが絶対に楽しいと思うんです。
10個の峠を振り返って、そう思います。
走ってきたからこそ、なのかもしれません。
快適さだけじゃ得られない充実感って確かにある。
でも、仮に前傾姿勢のキツいスーパースポーツだったら、ここまで走ることもできなかったと思うんです。
GSX-S1000Fだからできた連続10峠チャレンジ。
バカみたいな旅ですけど、それをこのバイクで走れて良かった。
そう言いたくなる理由は、軽く1000個以上のコーナーを走ってきた後に感じているのが、一般的なツーリングの満足感だけじゃないからです。
バイクを操ること、そして曲がることそのものに対する充実がある。
そう考えてみると!
旅の満足感に加えて、バイクで**スポーティに駆け抜ける悦びもGSX-S1000Fは同時に最大化してくれるバイクってことになる。
GSX-S1000F。これちょっと、最高のバイクじゃないですか!?