776ccの「並列2気筒エンジン」に生まれ変わったワケとは?
イタリア・ミラノで行われているEICMA2022(ミラノショー)にて発表された新型「Vストローム 800DE」は、デザインからマシン性能まで全てブラッシュアップされたオールニューモデルで登場しました
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スタイリング&装備編に続いて、エンジンやマシン性能などを見ていきましょう!
エンジンの小型化と軽量化を目指した並列2気筒エンジン
まず注目なのは並列2気筒化されたエンジンでしょう!
645ccのVツインエンジンだったVストローム650に対し、新型「Vストローム 800DE」のエンジンは、766ccの「水冷4ストロークDOHC並列2気筒」を搭載してきました。
対Vストローム650と比べると排気量が121ccもアップされているんですね。
新型エンジンの最高出力は84馬力を8500rpmで発生。
Vストローム650シリーズが69馬力だったので約15馬力もアップしていることになります。
最大トルク発生回転数は6800rpmで7.95kgf-mを発揮。Vストローム650の最大トルクは6300rpmで6.2kgf-mだったので、500rpmほど高回転域になり、1.75kgf-mほどアップしています。
エンジン出力よりもさらにスゴイのは「スズキクロスバランサー」と呼ばれるバランサー機構を初搭載したこと。
これは量産車では世界初となる“2軸のプライマリーバランサー”で、スズキが特許を取得した新機構。
メッキシリンダーのクランク横にこのバランサーを装備したことで、振動を抑えながらこれまで以上にエンジンの軽量化とコンパクト化を実現しているとのこと。
さらに低回転からスムーズに回り、高回転域まで伸びやかになるだけでなく、オフロード走行に有利な極低速で特に粘り強いトルクを発生してくれるエンジンになっているようです。
しかも、アシストスリッパークラッチも装備されているのでクラッチ操作も軽くなる!
週末のツーリングなどでも、意外と渋滞には巻き込まれたりするし、ダート走行なども考えると『クラッチが軽い』ことはすべてにおいて正義。ありがたい装備というしかありません。
そして、Vストローム1050シリーズにも採用されているスロットル・バイ・ワイヤの「電子制御スロットル」が採用されているところにも注目。
これによりリニアなフィーリングを生み出してくれるので、レスポンスの良いスロットル操作が可能になっています。
パワーモードを操作する「SDMS(スズキドライブモードセレクター)」も搭載されました。
左ハンドルバースイッチにより、「A(アクティブ)」「B(ベーシック)」「C(コンフォート)」の3つの走行モードが選べ、状況に応じて好みのフィーリングに切り替えが可能。
トラクションコントロールは3段階+OFFに加え「Gモード(グラベルモード)」も搭載されています。
このモードはホイルスピンやテールスライドを許容する、未舗装路での使用に特化したモードのこと。オフロード好きにはたまらない装備だと言うことができます。
シャシーや足まわりを見ると、新型「Vストローム 800DE」は、かなりオフロード志向に向けているのがわかります。
ストリップモデルを見てもスラっとして見えるのは、最低地上高が220mmでVストロームシリーズで最も高いディメンションになっているからでしょう。
そしてやはり21インチホイールの採用。
ダート走行も大いに想定された大型スポークホイールを採用し、質実剛健な倒立フロントフォークは、シリーズ最長となる220mmのロングストロークになっています。
90/90–21のセミブロックタイヤとダブルディスクブレーキでダート走行もしっかり走れそう!
リアタイヤはやや太めの150/70–17で、オフロード走行時にはリアのABSキャンセルも可能。
欧州仕様はダンロップ製のセミブロックタイヤTRAILMAX MIXTOUPを履いているようです。
さらにアルミスイングアームを採用することで軽量化に貢献しつつ、リアタイヤと駆動系の動きをスムーズなものにしてくれます。
サスペンションはSHOWA製のアジャスタブル仕様で、前後とも手動でプリロード調整が可能のようです。
荷物の積載やタンデム時、オフロード走行時などで気軽に調整できるのは嬉しい限り!
これまで以上に充実した装備と、クラスを超えたマシン性能で発表された新型「Vストローム 800DE」ですが、日本導入はどうなるでしょうか?
最新の情報が入り次第、追ってご紹介します!